記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
赤ちゃんを出産したあと、育児で忙しい時期に尿もれが起きた経験のある方もいらっしゃると思います。実は、産後は尿もれが起きやすい時期です。

今回は、出産後に起こりやすい尿もれの原因や改善方法を医師に聞きました。

そもそも、尿もれとは?

通常、膀胱(ぼうこう)に尿がたまると尿意が脳に伝わります。
すると脳が「排尿するのか」「我慢をするのか」を判断して指令を出します。しかし、何らかの理由でこれらがうまく機能しないことで、自分の意志とは関係なく尿が出てしまうのが尿もれです。

女性の尿もれ、4つのタイプ

女性の尿もれには、大きく分けて4つのタイプがあります。

1.腹圧性尿失禁
女性の尿もれの中でも大半を占めるものが、腹圧性尿失禁です。咳やくしゃみ時等お腹に力が入った時に、少量の尿がもれてしまう状態です。
女性の尿道は、男性に比べて短いです。さらに尿道をしめる役割を持つ前立腺がないこと、尿道をしめる役割をもつ骨盤底筋が妊娠や出産により緩みやすいことが原因といえます。

2.切迫性尿失禁
あまり尿が溜まっていないのに膀胱が収縮して突然強い尿意が起こり、トイレまで我慢できない症状です。以下が原因として考えられます。
・過活動性膀胱
膀胱炎
脳血管障害

3.溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
なんらかの原因で膀胱が固まり、収縮や排出ができなくなります。常に残尿が溜まっている状態となり、膀胱から溢れ出てしまいます。
尿意と関係なく、何となく尿が出てしまう状態です。女性では子宮がんの術後などに見られます。

4.機能性尿失禁
認知力の低下や加齢による運動機能の低下により、尿もれしてしまう状態です。
認知症の場合、尿意の曖昧になること、トイレの動作が分からなくなってしまうこと、トイレの場所が分からなくなるなどの理由により、失禁状態になってしまう事が多いです。

産後に尿もれが発症しやすい原因とは?

産後に起こりやすい尿もれは「腹圧性尿失禁」です。(一番初めにお伝えしたものです。)
腹圧性尿失禁には、骨盤底筋(こつばんていきん)という筋肉が大きく関わってきます。
骨盤底筋は、大切な内臓を守っている骨盤を支えている筋肉です。この筋肉が弱ると内臓が下がってきます。すると膀胱や尿道が圧迫されて、尿もれを起こしやすい状態になります。そこに、くしゃみ、咳、運動などでお腹に強い圧力が加わることで、こらえきれずに尿もれが起きてしまいます。

次からケースに合わせて原因をお伝えします。

原因1.子宮による圧迫
妊娠中は、赤ちゃんが大きくなるに連れて、子宮も大きくなります。すると、大きく重くなった子宮が膀胱を圧迫する状態になります。そのとき膀胱には腹圧がかかっている状態ですので、尿もれしやすくなります。

原因2.出産時のホルモン状態
出産時は子宮が収縮するとともに、骨盤の筋肉をゆるめるホルモンが分泌されます。そのため、余計に骨盤底筋がゆるみやすくなります。


産後、子宮が収縮することで大きさも位置も元に戻ります。そのため膀胱への圧迫がなくなり、尿もれはなくなる人も多いす。一方で、骨盤底筋が緩んだままだと尿もれが持続することがあります。

産後の尿もれ対策、試してみよう!

骨盤底筋は自分で鍛えることが可能です。
まずは日常生活の中で、自主的なトレーニングをしてみましょう。腹圧がかかった際に起こる軽い尿もれ程度であれば、骨盤底筋をきたえる運動をするだけで改善が見込めます。

肛門や膣を締める運動や、腹筋や背筋を鍛える運動が効果的です。一例をご紹介します。

【尿もれ対策・骨盤底筋トレーニングの例】
1.仰向けに寝た状態で、力を抜く。
2.足を肩幅に開き、膝を立てた姿勢で肛門と膣を締め、5秒この状態を保つ。
3.力を緩める。
2.と3.の動作をゆっくりと繰り返しましょう。

≪最近、体調がすぐれない…それ運動不足が原因ではないですか?≫
あなたの運動量はどれくらい?【運動不足度】診断

【医師からのアドバイス】

産後の尿もれは、誰にでも起こりうることであり、一過性である場合が多いです。
しかし、産後の尿もれは骨盤底筋という重要な筋肉が関わっているものです。産後に関わらず、日頃から意識しておく事も大切ですね。日常生活において、肛門や膣を締める意識をするだけでも、トレーニングになります。

それでも長く続く尿漏れが場合は、尿失禁に関する外来のある病院や相談窓口に相談するといいですね。

(監修:Doctors Me 医師)

この記事を書いたユーザー

Doctors Me(ドクターズミー) このユーザーの他の記事を見る

Doctors Me(ドクターズミー)は、医師、薬剤師、歯科医、栄養士、カウンセラー、獣医に相談できる、ヘルスケアQ&Aサービスです。医師をはじめとする専門家が解説する人気コラム、病気・症状の体験談等を配信中!

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス