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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
2016年4月に診療報酬改定が行われると、話題となっています。薬局で支払う自己負担額など、改定され変更されている点があります。

今回の診療報酬改定の要件の理解を深められるように、薬剤師の吉澤先生よりお話をいただきました。『お薬手帳編』と『かかりつけ薬剤師編』の全2回に渡ってお届けします。
ここでは前編「お薬手帳」についてお伝えします。

そもそも医療報酬改定とは?

医療報酬とは、医療保険から医療機関に支払われる医療費の事です。
現在、医療機関で行われる全ての診療行為は点数が決められています。診療報酬は、点数で示されます。(1点は10円です。)

診療報酬は2年に1度、見直されます。これを「診療報酬改定」といいます。
2016年4月の診療報酬改定により、保険診療の内容や診療報酬(点数)が変わります。また、保険診療として新設される項目もあります。

2016年4月の改定で変わるもののひとつに「お薬手帳の有無で患者様の窓口負担額が変わる」ことがあります。

お薬手帳なしで支払う金額が安くなるは過去の話?

今回の改定で大幅に「お薬手帳」についての要件が変わりました。
これまでの診療報酬では、お薬手帳を持たない場合は窓口負担額が20円安くなっていました。

お薬手帳の指導料は「薬剤服用歴管理指導料」と呼ばれています。
改定後の薬剤服用歴管理料は点数で表記すると、50点または38点になります。この点数による条件の違いをかんたんにお伝えします。

≪50点の場合≫
・50点になる条件とは…?
 -お薬手帳なしの患者
 -初めての薬局にかかった場合(お薬手帳の持参は問わず)
 -前回の来局から6カ月以上経過している場合(お薬手帳の持参は問わず)

・窓口での負担額:
 3割負担の場合は150円、1割負担の場合は50円

≪38点の場合≫
・50点になる条件とは…?
 -お薬手帳ありの患者で、前回の来局から6カ月以内に来局

・窓口負担額:
 3割負担の場合は約110円、1割負担の場合は約40円

つまり、お薬手帳を持っている場合は3割負担の場合は40円、1割負担の場合は10円安くなるように変更されました。
(お薬手帳を持っていても、前回の来局から6カ月以上経過している場合は50点の条件となります。)

お薬手帳の意義を再認識する必要性

先にお薬手帳についての負担額についてご説明しましたが、本来は「お薬手帳の意義」について患者様に理解を深めていただくことが重要です。

お薬手帳では、以下のような情報が管理できます。
・服用・使用してきた薬歴
・利用した医療機関名
・血液型
・副作用歴
・アレルギー歴
・主な既往歴 など

また、薬局ではお薬手帳の内容を元に、以下の項目を確認しています。
・複数の医療機関で出された薬の飲み合わせ
・前回の処方薬量などによる残薬のチェック
・重複処方のチェック
確認後、必要があれば処方医に問い合わせて処方の提案をします。

このように、薬剤師は患者さまの情報を正確に知るためにお薬手帳を拝見しています。

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【薬剤師からのアドバイス】

お薬手帳の活用で重複処方や残薬のチェックして不要な処方をなくすことは、非常に重要なことです。
なぜなら国の医療費は40兆円を超えて国家予算の半分にも及んでいます。しかも、どんどん増え続けています。

医療費は税金から成り立つものであり、無限ではありません。
医療費の削減は、将来まで医療保険を受けるためには不可欠な取り組みです。無関心は、自分や子ども達の将来の福祉を揺るがすことにも繋がります。医療制度にも関心を持てる社会になってほしいと思います。

(監修:薬剤師 吉澤 恵理)

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