夫より妻の収入が上という夫婦。つまり俗に言う“格差婚”ですね。この言い方を嫌う方もいるようですが、いつから使われているのでしょうか?しかし、収入が逆転した夫婦が実際増えたのは事実ですね。

そういう我が家も逆転した夫婦でした。なので実際の葛藤や直面した問題、夫婦間に出来た亀裂、解決出来たきっかけなどなどを、ほぼ赤裸裸に書いてみたいと思います。

妻の方が収入が高いことで起した失敗

具体的な数字を書くのははばかられるので、どれくらい差が出来ていたかを書いてみますと、私の収入は夫の2倍〜3倍といったところでした。

結婚する前から既に筆者が自営業を始めていて高収入を得ていたわけですが、夫の収入は正直結婚の問題として考えていませんでした。妻が養うことになっても良いという考えだったからです。仕事が大好きでしたし、仕事が出来ればそれで満足だったわけです。

ちなみに当時の筆者の年収は、地域や企業によりますが、一般の会社で言えばある程度の役職者クラスぐらいでしょうか?ある一定のラインは超えないけれど、人より余裕のある生活をしても預金も出来て困ると感じることは無いという収入です。

しかし、後から思えば筆者は結婚当初から大きな失敗をします。
まず、結婚後は夫の収入はすべて妻が預かりお小遣い制にしました。これは良いのですが、自分だけでなく、夫のものも彼の好きなブランドを中心に自分の収入から日常的に買い揃えていました。

ハイブランドではないので高価ではありませんが、こうした生活で少しずつ夫も麻痺させてしまったようです。夫は自分の収入を正確に把握出来なくなり、見合わない支払いが増えてきました。

夫の引落し金額が不足している時には筆者が自分のお金から勝手に夫の口座に入金していたんですね。余裕があるので何とも思いませんでした。

それ以外に結婚記念日の食事や、休日のお出かけ・・・。生活費もほぼ筆者の収入で出していたんです。結婚して3年ほど経過した頃家購入に向けて計画を立て始めますが、それも筆者の収入を中心に計画を立てていました。

金融関係の担当者から建築会社から周囲もすべて収入のある方を対象にするというのも理由でしたが、そもそも独身の頃にマンションの購入を考えていた自分には何の抵抗も感じないことでしたね。

収入差に直面した夫婦の葛藤

ところで、結婚して非常に驚いたことがあります。世代的に就職が困難な時期に社会に出た夫は高学歴でありながら十分な収入が得られる仕事に就くことがままならず、アルバイトで繋ぐこともあったのです。しかし、結婚して数年後やっと社員になれたというのにあまりの低い収入には驚きを隠せませんでした。

夫は8歳下。しかし、自分が20代の頃の給与とほぼ変わりがないのです・・・。夫は当時既に30歳になっていました。筆者の年代の男性であればもう少し上の給与を貰っていた人がほとんどです。

自分の収入が通常のサラリーマンをとっくに超えている認識は勿論ありましたし、自分がすべて出すことにも問題はありませんでした。しかし、学歴と時代に対して不釣り合いな収入に驚いたわけです。

「え?こんなに低いの?!」それは夫を責めるつもりではなく、会社に問題があるのではないかという疑念の言葉でしたが、後々夫婦間に溝を作っていくきっかけにはなってしまいました。

身の丈に合わない夫の支払いは暫く続きましたが、それらが軽減されてくると、夫の給与はほぼ手つかずで預金へ。これも特に問題は無かったかなと感じます。

ところで、収入があるということはそれだけ仕事が多忙であることでもあります。特に当時下請けをしていた取引先は海外支社もあり、現地時間に合わせて進める仕事も多く、深夜に及ぶことも珍しくありませんでした。

家事が相当な負担でした。携帯電話を片手に走るように買い物に出たり、日用品はほぼネットショッピングです。それでも時間が足りません。正直この頃の筆者の希望は夫が主夫になってくれて完璧に家事や家のことを取り仕切ってくれることでした。自分は仕事に専念したい、それしか考えていませんでしたね。

しかし、夫は夫で“自分も外で働いている。帰ってきたら休みたい”そんな思いがあります。私よりずっと早く仕事が終わっていてもそんな状況。一方の妻は電話でやり取りしながら取引先と仕事の真っ最中。当然、喧嘩は増えていきますよね?

女王様のようになっていく妻・・・

何度も言いますが、当初筆者は夫を養うならそれで良いと思っていました。ただし、家事の負担がのしかかるのは何とも不満でした。自分は夫の支払いも負担しているのに、とういう不満も出てきます。しかし夫は実際知らないのです。

今から考えれば夫の収入の範囲内かそれに近い金額で生活出来るように抑えておくことも必要だったわけです。しかし、人間というのは急に生活を下げることは非常に難しいと感じました。第一、やっていけるんですから下げようと思いません。

この葛藤からどうなっていったか??妻である私はどんどん夫を下に見るようになっていくのです・・・。家事もお願いすればやってくれます。でも完璧に出来ないとイライラします。それが顔や言葉に出てしまうことも。


“一人の方がずっと楽だわ”
そう、次第にそんな思いが頻繁に浮かぶようになり、離婚を考え始めたんです。それは当然夫も同様でした。お互いが始めに理想としていた結婚から遥かに道を外していたんです。

意外な救世主

我が家が最終的にどうやって最悪な状況を乗り越えたか?
きっかけはリーマンショックでした。まず夫の会社が事業縮小になったのです。しかし、夫の収入が見込めないことは以前から我が家にはあまりダメージがありません。

しかし、それでは収まらなかったのです。結局段階を踏んで筆者の仕事も陰りが見え、随分久しぶりに就職を考えてみました。実際に就職活動を少しやってみただけで驚いたのは全体的な給与の減少です。

中には筆者達が社会人に出た時期より下回っている給与もあります。男性の場合でも同様で、これでは家庭を持てない若い層が増えるのは仕方無いと納得しました。つまり、夫も妻を養いたい気持ちは勿論あったのですが、新卒で外してしまうと、そんな収入が見込める仕事がもう無いのです。

募集は出しているものの面接に行くと実際の社員は足りている、つまり形だけの空求人というのも多く、非常に困難を極めます。ハローワークなど行政機関は形だけというか、実際の就職に繋がる手段には乏しい部分が多い印象でした。

この経験でまず、就職氷河期を過ごしてきた夫の悲壮な体験を理解することが出来たのです。

さらに人生の荒波は続きます。結果的には一度は持ち直した取引先が事業撤退。筆者も運命を共にし廃業を決めました。つまり夫婦で一旦リセット。同じスタートになったのです。家事も出来る方が気づいた時にやります。どちらかが手が空かず相手が気づかない時には声をかけたりして協力しあっています。

結婚当初、我が家の価値観は大きなズレがありました。バブル期を経験し、1万円が千円ぐらいの価値になっていた時期もある筆者に対して、スーパーで割引商品を買う夫。初めて割り引き商品を普通に手に取る夫を見た時には凄い衝撃でした(本当です・・・)。

今は普通に買います。一時は節約でしたが、今はもったいないので買いますね。もともと自炊は好きですし食材を無駄にする生活はしていませんが随分食材の幅は広がりました。

一度何もかも失ってしまったことで、一瞬はパニックになり喧嘩もしましたが、今価値観は程よくお互いの中間になっています。我が家はこうしてたまたま景気の影響が幸いして夫婦を造り直すきっかけに繋がりましたが、何か起こらない限り、価値観や収入の差はなかなか難しいと感じますね。

逆転した収入差を乗り越えるには?

ご夫婦の性格や周囲の状況なども関係すると思いますが、経験から気になったことを挙げてみます。

◎妻は夫を見下さない
◎夫は家事は女性の仕事と決めつけず適度に手伝う
◎方向性や問題は気づいた時に話し合う

完全に逆転している主夫も夫婦間で成立していれば筆者は有りだと思います。家事が得意な男性もいますし、仕事に向いている女性もいます。性別で決めるよりそれぞれの能力で良いのでは?と感じますね。

良くないのは、どちらかが相手に甘えてしまったりぶら下がってしまうこと。どちらかが相手を見下してしまうことだと思います。そして、何処のご家庭も時間をかけてぶつかって夫婦になっていくようです。

この記事を書いたユーザー

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音楽業界を経て、フリーのデザイナー兼ライターを生業にしております。ポジティブに解決したトラブルや実体験ネタを中心に書いています。8歳下の夫と愛犬の気ままな3人暮らし。音楽好きのゴシック好きの和服好き。オカルトも大好きでございます。好きな作家は芥川龍之介、詩人は中原中也☆

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