学校の課題の調べ物に、勉強に…と、大学生にも活用する機会のある図書館。東京都内だけでもたくさんの図書館がありますが、実は施設によって、様々な個性があることをご存知でしょうか?

今回、筆者は東京の魅力的な図書館を探るべく、「千代田区立日比谷図書文化館」の司書・樋口万季さんにインタビュー。

図書館でお仕事をする方なら、きっと素敵な施設や穴場を知っているはず!ということで、「司書さんがプライベートでわざわざ出掛けたい、東京都内の魅力的な図書館」をタウンワークマガジン編集部がお聞きしました!

図書館の“中の人”が惚れた図書館とは!?

樋口さん「図書館に行こうと思う動機は、『本』のほかにもあると思うんですね。たとえば、そこに着くまでにどんな『景色』が楽しめるのかや、その図書館の中に座った時の『眺め』、といったこと。

私が個人的に図書館を選んで行く時にはそういった部分もとても大きいんです。今回ご紹介する3つの図書館も、『本』以外の魅力もたっぷりですよ!」

こんなところに図書館が!?部門『東京都美術館 美術情報室』 街なかのカフェより落ち着くかも。美術館内に存在する“隠れ家”

まず樋口さんに挙げていただいたのは、図書館…ではなく、なんと「美術館」!?

樋口さん「東京都美術館の1階には、実は美術に関連する図書や展覧会のカタログ、雑誌などを自由に閲覧できる図書館『美術情報室』があります。

約4,500冊の図書資料が木製の本棚に並んでいるほか、閉架書庫にも図書資料があるそうです。また、美術館の歴史に関するアーカイヴズ資料も保管されていて、現在約300点がインターネット公開されているそうですよ

とってもおしゃれで非日常的な空間ですし、素敵な本にも出合えるので、休日にわざわざ電車に乗ってでも出掛けたくなりますね。ここは特別展の入場券がなくても、無料で自由に利用できるという点も嬉しいところ」

アートだけじゃない! 思わぬヒントが得られる本のラインナップ

出典 https://townwork.net

▲東京都美術館 外観

樋口さん「おすすめのポイントはいくつもありますが、まずはやっぱり『本』。展覧会をより楽しむための本、アーティストや作品について調べられる本など、基本的には美術に特化した資料がメインです。

しかし、美術と言っても絵画の本ばかりではありません。『食卓作法の起源』、『天才の秘密』、『笑いと治癒力』などなど、本のテーマの幅は実に広く深いんです。この場所でこれまで気付かなかった『美』に出合え、新しい『知』にハッとして、仕事のヒントが見つかることもありました。

心地良い空間を演出する、おしゃれインテリアに注目

また入り口近くには、新しく入ってきた本などがかわいく、センス良く並んでいて、思わず手に取りたくなりますよ。カウンターには図書館司書がいて、何か聞くと丁寧に対応してくれるのも嬉しいです」

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▲レストラン「IVORY」

樋口さん「そしてもう一つの大きな魅力は、その居心地の良さ。図書館と言うと、白い壁で照明が天井に張り付いているというイメージがあるかもしれませんが、ここはそれを打ち破ってくれるんです!

まず、何と言っても『椅子』が良い。デンマークのデザイナー、イプ・コフォード・ラーセンの椅子は座り心地バツグン。またテーブルの上にはペンダントライトがあり、光が広がらないためにテーブルでの読書に集中できます。一見、誰かのリビング・ルームのような雰囲気ながら、非日常さもありますね。

ちなみに美術館内には3つのカフェやレストランがあり、『IVORY(アイボリー)』では特別展のイメージに合わせたメニューを注文することもできます。ぜひ図書館と併せて食事も楽しんでほしいです」

意外な場所に本と触れ合える場所があって、驚いた人も多いのではないでしょうか?

東京都美術館をはじめ、上野には多数のミュージアムがあります。それらを巡るミュージアム散歩の合間に、カフェに立ち寄るような気軽な気持ちで、こちらでゆったりとした時間を過ごすのもいいかもしれませんね。

東京都美術館 美術情報室
東京都台東区上野公園8-36美術情報室開室時間:10:00~17:00※閉架資料の閲覧申請、コピーサービスの受付は16:30まで※資料の貸し出し不可美術情報室休室日:毎月第1、第3月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)その他臨時休室の場合あり。詳しくはホームページ参照http://www.tobikan.jp/

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素敵なロケーション部門『みどりの図書館 東京グリーンアーカイブス』 「本物の自然」と「本の中の自然」。2つの“癒やし”が待っている緑の専門図書館

次に樋口さんにおすすめしていただいたのは、自然溢れる公園の中の図書館。

樋口さん「日比谷公園内にある、『緑と水の市民カレッジ』の2階に位置する図書館です。ここは珍しい『緑の専門図書館』で、公園や緑地に関する古写真、絵はがき、図面等の資料や、緑に関する雑誌や図書など約16万点が所蔵されています。

公園や庭園、花や樹木などの植物に特化した資料でいっぱいの館内では、本の背表紙を見ているだけで、なんだか森林浴の気分に浸れます(笑)。そして窓の外には本当に公園の緑が広がるので、気分転換したいときにはとっておきの場所ですよ」

「知る楽しみ」を様々な方法で味わえる!

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▲館内展示の様子

樋口さん「公園内を歩いていて気になった花や木があった時、この図書館を訪れれば、司書さんが参考となる図鑑や関連資料を紹介してくれます。

また『緑と水の市民カレッジ』では、造園やガーデニングなどをテーマにした講座が多数開催されていて、企画展示も充実しているんです!」

緑に包まれるカフェレストランで、さらなる癒やしのひとときを

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▲カフェレストラン『日比谷グリーンサロン』

樋口さん「さらに、建物の1階には気軽に入れるカフェレストラン『日比谷グリーンサロン』があります。中でも、テラス席はおすすめの場所。

目の前には公園の『雲形池』、そしてその向こうに茂る緑…。昼間はもちろん、夕方に広がる景色もまた素敵で、まさに“都会のオアシス”といった雰囲気を満喫できます」

若者の間で多肉植物がブームになったことをきっかけに、植物に興味を持ち始めた人も多いかもしれません。そんな人は、ぜひ様々な緑と接することができるこの図書館を訪れて、さらなる植物の魅力を発見してみてはいかがでしょうか?

若者の間で多肉植物がブームになったことをきっかけに、植物に興味を持ち始めた人も多いかもしれません。そんな人は、ぜひ様々な緑と接することができるこの図書館を訪れて、さらなる植物の魅力を発見してみてはいかがでしょうか?

みどりの図書館 東京グリーンアーカイブス
東京都千代田区日比谷公園1-5 (緑と水の市民カレッジ2階)開館時間:9:00~17:00※資料の貸し出し不可休館日:日曜日、祝日、年末年始。詳しくはホームページ参照https://www.tokyo-park.or.jp/college/archives/index.html

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唯一無二のコレクション部門『文京区立小石川図書館』 ブーム再燃のレコードに気軽に触れられる! 自慢のコレクションがある図書館

3つ目にご紹介するのは、若い世代にはきっと新鮮な出会いがある、こちらの図書館。

樋口さん「文京区で最も歴史のある、レトロな雰囲気漂う図書館です。こういう空間は心が落ち着くもので、時々わざわざ出掛けています。懐かしさを感じるところが、ここを目指したくなる理由の一つかもしれませんね」

「見る・聴く・触る」ができる、レコード入門にはぴったりの場所!?

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▲レコード室

樋口さん「こちらの図書館で面白いのは、『レコード』のコレクションが非常に充実していること! 今ではレコードを表に出している図書館は稀ですし、そもそも資料としてほとんど持っていないかもしれませんが、こちらはレコードをはじめ楽譜、CD等も豊富。館内に設置されているプレーヤーでの視聴や、貸し出しもできますよ。

最近、若い世代の間で新たにレコードブームがあるとも聞きますよね。ここではレコードでしか聞けない貴重な音源に出会えたり、意外な発見やお宝があったりしますし、ジャケットを見ているだけでもきっと楽しめると思います」

辺りはお散歩にぴったり。図書館の中も外も楽しもう

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▲館内の視聴覚ホールではイベントも開催。男性ピアニストでもある図書館スタッフと声楽家による“ライブラリーコンサート”を催したことも

樋口さん「また、こちらの図書館は周囲の街の雰囲気が良いのも魅力。すぐ近くには桜の名所として知られる『播磨坂』があり、そこを下っていくと小石川植物園に辿り着きます。これからやって来る春に文学散歩も楽しめる、とっておきのコースですよ!」

ブーム再燃でレコードに興味を持っても、なかなか実物に触れたり、その音を聴いたりする機会は少ないはず。

まずはこちらの図書館で、気軽に懐かしのアイテムの魅力を感じてみてはいかがでしょうか。ここでの出合いから、新たなるレコード女子が生まれるかもしれませんね!

文京区立小石川図書館
東京都文京区小石川5-9-20開館時間:9:00~21:00(平日・土曜日)、9:00~19:00(日曜日・祝日・12/29)休館日:第3月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)、年末年始。その他臨時休館の場合あり。詳しくはホームページ参照https://www.lib.city.bunkyo.tokyo.jp/lib03-koishi.html

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以上、現役司書さんが厳選した魅力的な図書館でした。

学生のみなさんの場合、「課題」のための資料探しや「勉強」を目的に図書館に行くことが多いかもしれません。でも、実はそればかりでなく、もう少し別の目的でふらっと訪れても良い、気軽な場所なんですね!

そして何を隠そう、今回取材にお伺いした日比谷図書文化館も、他にはない魅力を持った場所。ということで、こちらの図書館についてレポートしちゃいます!

“イマドキ”図書館部門『千代田区立日比谷図書文化館』 電源付き座席、カフェ併設、平日22時まで…時代に即した“サードプレイス”図書館

日比谷公園内に位置するこちら。もともと「都立日比谷図書館」として親しまれていましたが、2011年に区立の図書館として生まれ変わり、図書館、ミュージアム、講座などを行うカレッジの3つの機能が1つになった“複合文化施設”となったそう。

公園に訪れたことはあっても、図書館があることは知らなかった!という人も多いのではないでしょうか? 三角形の建物は、ユニークかつなんだかカッコイイ雰囲気です。

気合を入れて勉強したいなら「特別研究席(スタディルーム)」へ!

こちらの図書館の大きな魅力は、目的や気分に合わせて利用するスペースを選べるところ。たとえば上の写真は、4階にある「特別研究室」内の「特別研究席(スタディルーム)」。

快適に座れる椅子、各席に電源完備、無線・有線LANによるインターネット接続可能、どのエリアよりも静かな空間と、勉強や課題をこなすには最高の条件が整っているんです!

そして何より、大きく取られた窓の外に広がる日比谷公園の自然が、疲れた頭をリセット。三角形の建物の先端部分なので、空間の左右に窓が連なり、とっても開放的です。18歳以上の方であれば、2時間300円で利用できますよ。

※詳しい利用条件はホームページをご確認下さい

パソコンでのレポート作成もきっと捗る! 「電源付閲覧席」

また、こちらは2階にある「電源付閲覧席」。図書カウンターで申し込めば、1回2時間、1日3回まで利用可能で、パソコンを使いながらの勉強にも大助かりです。

ひと昔前までは、図書館にこういったサービスがあることは考えられなかったですよね。こんな風に、図書館も時代に合わせて進化しているようです!

※詳しい利用条件はホームページをご確認下さい

景色と本、その両方に没頭できる窓際席

ちなみに窓際には、窓の外側に向けて椅子がずらりと並べられています。樋口さん曰く、「新緑の季節や雪の日、目の前にイチョウの黄金が広がる季節などは、特に最高。季節ごとにさまざまな眺めが楽しめますよ」とのこと。

ちなみに2階には、なんと約500種におよぶ雑誌が並んでいて、いつ来ても読みたい号を手に取ってもらえるよう、あえて貸し出しはしていないのだとか。ここで色々な雑誌に目を通せば、学校やバイト先で一目置かれる情報通になれる…かも!?

図書館でケーキ、コーヒー、パスタが堪能できる!?

そしてこちらは、1階にある「ライブラリーショップ&カフェ日比谷」。公共の図書館にこういったカフェが入っているなんて、最近の図書館ってスゴイ!

ここでは飲み物やケーキなどの軽食が味わえるほか、書籍や文具類の購入も可能で、電源付きの座席も完備。また館内の資料をこちらのカフェに持ち込むこともできます。先に紹介したエリアより、もう少しカジュアルな雰囲気の中で本と接したり、友達と勉強したりしたい方はこちらへどうぞ。

さらに地下1階には、パスタや「まい泉」とのコラボメニューといったしっかりめの食事が楽しめる「ライブラリーダイニング日比谷」もありますよ!

目的がなくたっていい。図書館は出合いが満ちた“気軽”な場所

出典 https://townwork.net

▲司書の樋口さん(右)と広報の並木さん(左)。「ライブラリーダイニング日比谷」にて

最後に、館内を案内して下さった広報の並木さんと司書の樋口さんに、みなさんへのメッセージをいただきました。

並木さん「図書館が生まれ変わった当初は、正直慣れない、使い方がわからないといった戸惑いの声もありました。その頃は、まだこういった新しいスタイルの図書館は珍しい存在でしたからね。

でも最近は、平日にはビジネスマン、週末には公園を訪れた方や学生さんなど、様々な利用者で賑わっています。みなさんも、館内で自分の居心地のいいと思う場所をぜひ見つけてみて下さい。目的を持たずに来ても、きっと新しい発見や出会いがありますよ」

樋口さん「時には、デートとして訪れている雰囲気のカップルもいます。そんな風に気軽に図書館に来て下さるのは、とても嬉しいこと。最近は、若い方の利用も増えていますし、これまであまり図書館を利用したことがなかった方にも、ぜひ来ていただきたいですね」

千代田区立日比谷図書文化館
東京都千代田区日比谷公園1-4開館時間:10:00~22:00(月曜日~金曜日)、~19:00(土曜日)、~17:00(日曜日・祝日)休館日:第3月曜日、年末年始。その他臨時休館の場合あり。詳しくはホームページ参照http://hibiyal.jp

出典 https://townwork.net

ひと口に「本に親しめる場所」と言えど、その個性は本当に様々。みなさんもぜひ図書館めぐりを楽しんで、自分と相性の良い施設や自分ならではの図書館活用法を見つけてみて下さいね!

取材・文:山田彩 撮影(千代田区立日比谷図書文化館):古本麻由未 企画:エフェクト

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