現代のがんの治療に欠かせない抗がん剤。その種類によって副作用も様々。一般的に知られているのは嘔吐、脱毛、浮腫みや口内炎などですが、食事への味覚が変わることも。味に敏感になったり、鈍感になったり苦みを感じたり…と患者によってどう変わるかも違います。

抗がん剤治療後に味覚障害が出るケースは患者の4分の3といわれています。抗がん剤治療中は、喉の粘膜が炎症を起こしやすく食べ物を噛んだり飲み込んだりする時に痛みを伴うことがあると言われます。

それ以前に食欲にも大きな変化が出る患者も。抗がん剤治療中は食欲の低下は決して珍しいことではありません。食べ物を見ただけで吐き気に襲われるケースは多く、何を食べてもまずく感じる、味がしないという人もいるようです。

3歳でがんになった少年の副作用

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英グレート・マンチェスター、ミドルトン在住のビリー・ターナー君(11歳)は、3歳の時にホジキンリンパ腫と診断され、抗がん剤治療を続けて来ました。8年後、ようやく「寛解」となったビリー君。ところが抗がん剤の副作用としてガーリックブレッドしか受け付けない身体になってしまったのです。

唯一受け付けられたのがガーリック・ブレッドだった

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英国がんリサーチ団体によると、抗がん剤治療により摂食障害を起こしてしまう患者は決して少なくはないと言います。

ビリー君の場合、3歳の時から治療を長年続けて来たこと、抗がん剤治療が不可欠であったとはいえ、成長期に無理に食べ物を喉に入れた時に、逆流する不快感を覚えてしまったこと、なぜか唯一ガーリック・ブレッドだけが不快感をもたらさなかったためにそれだけを受け付けるようになってしまったのでは、と病院側も推測。

催眠治療を始めたビリー君

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せっかく寛解まで来たのに、ガーリックブレッドしか口にできないのではあまりにも可哀相と思う母ルイーズさん(32歳)は、真剣に息子の摂食障害の克服をしようとビリー君に催眠治療を勧めました。

そしてビリー君本人も「もっといろんなものを食べたいのに、どうしても喉に詰まる感じがしてダメなんだ。友達とごはんを食べたりしたいのに、ガーリックブレッドしか食べないのかって思われるのもイヤなんだ。」と胸の内を語りました。

副作用の程度は人によって異なります。ビリー君の場合は「食べる」ということが恐らくトラウマになっているのでしょう。喉に不快感を覚えてしまうという思いを治療中に度々感じてしまったことで、病気が寛解になっても、その感覚が根強く残ってしまっているのかも知れません。

また、がんリサーチ団体のジョン・ニューランズ氏は「治療後、がんを克服して退院までした後に、偶然、スーパーで主治医に会った女性が、当時の治療の苦悩を思い出し突然吐き気を催して主治医の前で嘔吐してしまった」という稀なケースも話しています。

摂食障害を催眠療法で治療する効果は?

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催眠療法は時間も費用もかかりますが、最も効果的なセラピーとしてイギリスでは人気です。母のルイーズさんは、過去にチップスしか食べなかった女性が催眠療法で摂食障害を克服したこともあり、ビリー君のトラウマもひょっとして克服できるのではと期待しています。

「頑張ってがんを克服したように、摂食障害も克服してくれることを願っています」と語る母ルイーズさん。11歳という大切な成長期なので、セラピーを受けてビリー君の食生活が少しでも改善されることを願いたいですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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