今、世界が大騒ぎです。
今月4日に世界中でこんな報道がされました。

タックスヘイブン(租税回避地)での会社設立を代行するパナマの法律事務所から膨大な内部文書が流出し、この中にプーチン・ロシア大統領の関係者や国際サッカー連盟(FIFA)倫理委員会のメンバーらによる取引の記録も含まれていたことが分かって波紋を呼んでいる。
「パナマ文書」と呼ばれるこのファイルは、南ドイツ新聞がパナマのモサック・フォンセカ法律事務所から匿名の情報筋を通じて入手し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が4日に公開。英BBCテレビや英紙ガーディアン、米紙マックラッチーが相次いで報じた。

出典 http://www.cnn.co.jp

これは「パナマ文書」といわれ、世界中の大企業や著名人、政治家などのリストが流出した言います。

パナマ文書とは?

そもそも「パナマ文書って何?」という人がいるかもしれませんので、パナマ文書とは何か?というところから説明しますと

「パナマ文書 (Panama Papers)」は、パナマの法律事務所でタックス・ヘイブンの世界最大の取扱業者である「Mossack Fonseca(モサック・フォンセカ)」の過去40年にわたる業務内容に関するデータを記録したもので、ICIJ(International Consortium of Investigative Journalists:国際調査報道ジャーナリスト連合)がドイツの新聞「Süddeutsche Zeitung (南ドイツ新聞)」を通じて入手したものです。

出典 http://gigazine.net

パナマにある法律事務所が40年に渡って節税の相談を受けた世界中の企業や個人のデータを保存していたのですが、それが流出して公開されて、その中に世界有数の企業や著名人などが入っていたということです。

少なくとも現職あるいは過去に職についていた世界の指導者12人、政治家、官僚、億万長者や著名人128人が21万4千のオフショア会社に関与していたことを明らかにされた。

出典 http://www.footballchannel.jp

少なくてもこれだけの人数が明らかにされています。

何が問題なのか?

パナマにある法律事務所に節税の相談をして、節税をした企業の何が問題なのか?
先ず、はっきりさせておきたいのは節税自体は合法です。特に違法行為をしたわけではありません。問題を説明するためにパナマの法律事務所が行った節税というのがどういった方法なのか?から説明します。

この図を見て頂くと一目瞭然です。
タックスヘイブンといわれる手法を使って税金の安い国にお金を集めてそちらに税金を収めて自国へ税金を支払うのを安く済ませているということです。
企業によっては赤字にして自国へ税金を支払うのを逃れている場合もあるようです。

これ自体は決して違法ではありません。合法なのですが、何が問題視されてるかといいますと

オフショア企業に資金を保有すること自体は違法ではないが、流出した同文書を入手したジャーナリストは、脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)、制裁破りや麻薬取引、その他の犯罪に使われる隠し財産の証拠となり得るとみている。

出典 http://toyokeizai.net

脱税やマネーロンダリングなどの犯罪に使われる恐れがあると言われています。
他には上のツイートの図にあるように「税の公平性」というのが壊れてしまい、所得格差が進むという問題も含んでいます。

公開された文書に載っている企業や著名人

パナマ文書には顧客として載ってる企業や著名人も公開されていまして、その一部は報道されています。

ウクライナのポロシェンコ大統領サウジアラビアのサルマン国王などもタックス・ヘイブンを利用していたと指摘。ロシアのプーチン大統領の古くからの友人も、バージン諸島に設立した企業を通じて、少なくとも20億ドル(日本円で2200億円)に上る金融取引を行っていたほか、中国の習近平国家主席の義兄がバージン諸島に2法人を設立していた。

出典 http://www.huffingtonpost.jp

他には

アイスランドのグンロイグソン首相は4月5日、辞任の意向を示した。彼は2008年のリーマンショックで自国が金融危機に陥るなか、夫婦で株主に名を連ねるタックスヘイブンのイギリス領バージン諸島の企業を通じて、国内の銀行の債券を数百万ドル(日本円で数億円)保有していたと記載されていた。

出典 http://www.huffingtonpost.jp

リストに載っていたアイスランドの首相は辞任することとなり、他には

マウリシオ・マクリ(アルゼンチン大統領)
ハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン(アラブ首長国連邦大統領)
パーヴェル・ラザレンコ(元ウクライナ首相)
ビジナ・イヴァニシヴィリ(元グルジア首相)
イオン・ストゥルザ(元モルドバ首相)
ベーナズィール・ブットー(元パキスタン首相)
イヤード・アッラーウィー(イラク暫定政府首相)
アリ・アブ・アル=ラゲブ(元ヨルダン首相)
ハマド・ビン・ハリーファ・アール=サーニー(元カタール首長)
ハマド・ビン・ジャーシム・ビン・ジャブル・アール=サーニー(元カタール首相)
アフマド・アル=ミルガニ(元スーダン大統領)

出典 https://ja.wikipedia.org

こうした各国の首相、大統領や元首脳に加えて

香港の映画俳優ジャッキー・チェン(61)は、モサック・フォンセカを通じて6つの会社を所有していたと報じた。ただし、脱税目的ではなく合法的な目的かもしれないとも記している。

疑惑はサッカー界にも波及した。スペイン1部リーグ、バルセロナに所属するリオネル・メッシ(28)が、スペイン税務当局に脱税の疑いで告発された直後の2013年6月に、タックスヘイブンのパナマに会社を所有していたことが、パナマ文書を通して発覚している。

出典 http://www.huffingtonpost.jp

メッシは税逃れのために会社を設立したことは否定する声明をすでに出しています。
更に

日曜に国際調査報道ジャーナリスト連合が公にしたファイルにより、FIFA新会長のジャンニ・インファンティーノ氏は、W杯招致プロセスでの収賄を巡り昨年アメリカ政府に起訴された人物の一人と結びついていたとされている。

出典 http://www.footballchannel.jp

FIFA(国際サッカー連盟)の新会長はパナマ文書の公開によりW杯誘致プロセスの際に汚職の渦中の人物と結びついているという疑惑に晒されました。

各国の反応は?

このパナマ文書の公開を受けて各国の対応は以下のとおりです。

ホワイトハウスのアーネスト報道官は、米国は国際的な金融取引の透明性に多大な価値を置いているとし、財務省、および司法省は調査を実施するための専門家を抱えていると指摘。

フランス政府は、パナマの法律事務所から多数の金融取引文書が流出したことを受け、脱税に関する予備調査を開始した。金融専門の検察官が、流出文書から、フランスの納税者が悪質な脱税に関与しているかどうかを調べるとしている。

ドイツ財務省報道官も「仕事を始める」ことを明らかにしたほか、オーストラリア、オーストリア、スウェーデン、オランダも1150万枚以上に上る膨大なパナマ文書に基づく調査を開始したとしている。

汚職危機に揺れるブラジルでは、7党の政治家がモサック・フォンセカのクライアントに名を連ねていると、「エスタド・ジ・サンパウロ」紙が報じた。そのなかには、ルセフ大統領率いる労働党の議員は含まれていなかった。同国の税当局は、パナマ文書にある脱税情報を確認するとしている。

パキスタンは、同国のシャリフ首相の子供たちがオフショア企業とのつながりが記載されていたことについて、いかなる不正も否定した。

出典 http://toyokeizai.net

疑惑の渦中にいる国の首脳は

アルゼンチンのマクリ大統領は、野党から説明するよう追及されているが、テレビのインタビューで、父親の会社は合法であり、いかなる不正も否定した。

ロシアのペスコフ大統領報道官は、パナマ文書にプーチン大統領とオフショア投資家との数十億ドル規模の取引が記載されていたとの報道に関して、2年後の選挙を控えて大統領の信用を失墜させる目的だと非難した。
同報道官は記者会見で「今回の虚偽情報の主な標的は大統領だ」と言明。「『プーチン嫌い』が広がったせいで、ロシアやその業績について良いことを言うのはタブーになっている。悪いことを言わなければならず、何も言うべきことがなければでっち上げられてしまう。今回の事件がその証拠だ」と述べた。

出典 http://toyokeizai.net

義兄がリストに載っていた中国の習近平国家主席は

中国共産党・政府は一切の報道を認めず、インターネット上からも関連情報を削除するなど封鎖措置を講じた。習氏らの家族・親族の蓄財疑惑はこれまでも報道されているが、習氏に辞任を要求する公開書簡が公になる中でピリピリした雰囲気が流れている。

出典 http://www.jiji.com

インターネット上から情報削除を行っています。

日本では?

世界中でこれだけの騒ぎになっていますが我が国日本では政府がこうした反応をしています。

菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、パナマの法律事務所から流出した内部文書で世界の政治家や著名人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用して資産隠しを行っているとされた問題について、「文書の詳細は承知していない。日本企業への影響も含め、軽はずみなコメントは控えたい」と述べた。

出典 http://www.sankei.com

日本政府として調査する考えはないとの見解を示しました。しかしパナマ文書には日本企業や日本人の名前も載っていまして、

警備大手セコムの創業者や親族につながる複数の法人が一九九〇年代に租税回避地につくられ、当時の取引価格で計七百億円を超す大量のセコム株が管理されていたことが分かった。
 創業者は取締役最高顧問の飯田亮氏(83)と元取締役最高顧問の故戸田寿一(じゅいち)氏。複数の専門家は「この仕組みで親族への相続税や贈与税がかなり圧縮できるはずだ」と指摘した。

出典 http://www.tokyo-np.co.jp

東京新聞で報じられていまして、インターネット上では

こうしたツイートもあって日本企業や日本人の新たな名前が出てくる可能性もあります。
これを受けてかどうかは不明ですが麻生財務相は

麻生太郎財務相は8日の閣議後会見で、パナマの法律事務所から流出した資料によって各国の首脳らによるタックスヘイブン(租税回避地)の利用実態が指摘されている問題について「疑惑が事実であるとするなら、課税の公平性を損なうことになるので問題だ」との懸念を示した。

出典 http://www.sankei.com

税の公平性の担保という点から問題であると記者会見で述べました。

これからの動きは?

世界各国でパナマ文書の公開を受けて調査を開始した国が出てきたとなると調査結果によってはOECD(経済協力開発機構)が先進国に対して勧告をする可能性が出てきます。それはOECDではすでにこうした宣言を出しているからです。

租税回避地(タックスヘイブン)を容認できないと宣告し、100年前に作られた国際租税枠組みはすでに役に立たないと舵を切ったG20は称賛に値する。

出典 http://toyokeizai.net

今回のタックスヘイブンは容認出きないとし、G20も支持しておりこうした取り組みを行っています。

OECDの「税源浸食と利益移転(BEPS)プロジェクト」の狙いは、税制上のルールを透明化し、多国籍企業が各国間の税法のすき間を縫ったり、実際に経済活動が行われている国・地域とまったく関連のない低税率国・地域に人為的に利益が移転させられるのを阻止したりすること

出典 http://toyokeizai.net

すでに報告が上がっていまして

BEPSプロジェクトの最初の報告書は9月に公表し、1年後には最終的なパッケージを公表することになる。これらの取組により、企業が巨額の利益を海外で非課税で保有する「金庫」は無力化されるだろう。また、企業はパテントボックス使って実質的な利益を上げる活動を行っていない国にその利益を移転させることもできなくなる。

出典 http://toyokeizai.net

引用記事の9月というのは2014年になりますが、OECDの取り組みに各国の対応が加速する可能性があり、日本でも麻生財務相が上述した会見で

麻生財務相は「BEPSプロジェクトの成果をきちんとあげると同時に途上国にもプログラムを広げる。(口座情報自動交換の)国際基準についても多くの国にコミットを促すことが重要だ」と強調し、国際的な租税回避や脱税の防止に積極的に取り組む考えを示した。

出典 http://www.sankei.com

更に強い禁止措置が取られる可能性を示唆しており、日本企業や個人でもタックスヘイブン(租税回避地)を使った租税回避行為に対する規制が強くなるかもしれません。そうなればタックスヘイブンに貯められてたお金は税金として収められて税収が増えれば増税が抑えられかもしれません。

伊勢志摩サミットでどういった話し合いがもたれるか注目です。

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政治・経済、思想・哲学、文学を学びつつ地元を中心にラーメンを食べ歩くフリーの物書きおじさんです。
spotlight公式/プラチナライターでもあります。仕事は随時受け付けしてますのでブログなどを参考に依頼待ってます。
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