出典 http://abovethelaw.com

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産後に復職するワーママたち。仕事と育児を精一杯頑張っていることと思います。子どもの急病で会社を休まないことをポリシーにしている人も多いでしょう。

でもそれって本当に正しいの?イタリアのワーママ事情を見ていて、職場と働く女性、社会の関わり方に、もっと違うアプローチがあるのでは?と感じたのです。

今回はそれをお伝えします。

子どもの病欠は、両親の権利!

■イタリアでは、法律で子どもの病欠が認められている!

イタリアでは、子どもが満3歳になるまでは、

・日数に制限なく、両親のうちどちらかが子どもの病気の看病のため仕事を休む

ことが権利として認められています。この間、一般企業の正社員の場合は無給です。

が、なんと国家公務員に至っては、子どもが3歳になるまで毎年30日間、100%有給で子どもの病欠を取得できます。

これはそもそも、本人の病気休暇が180日まで認められていて、そこから差し引かれるそうなのですが、それにしても素晴らしい制度!

手続きは、子どもの病気と自宅休養が必要な期間を証明する医療機関の証明書を会社に提出するだけ。同時に、社会保障保険公社INPSへ、医師から自動的に病欠期間が連絡される仕組みになっています。

会社によっては、もう片方の親が同期間に同じ理由で仕事を休まないことを示す証明書が求められることもあります。

さらに、子どもが満3歳~満8歳までは、

・両親1人ずつ、各子どもに対して年間5日間まで無給で子どもの病欠を取得

できます。2016年6月からはこれが満12歳まで引き上げに。実際、国の法律が定める権利なので、パパやママは堂々と申請し、体調の悪い子どもの傍にいてあげるため仕事を休みます。

■緊急時の自宅勤務可

パソコンさえあれば家からでも作業可能な職種の場合、数日なら自宅勤務をする人も多々います。これにはもちろん、会社の方針や上司の了解が必要ですが、私の職場ではその日の仕事さえちゃんと出来るならOKと認めてくれます。

ミーティングなどがあったとしても、映像通話で遠隔参加出来るので、子どもの病気というやむを得ない事情なら許可してもらえるのです。

これは、私が恵まれているから、でしょうか?もちろんそれもあるとは思います。

が、今後、パソコンや通信技術が発展している21世紀にあって、多くの職場でフレキシブルに仕事が出来る環境が整っていくといいな、と思います。

■子どもの病気以外にも...子連れで事務所出勤もあり

イタリアでは、公立幼稚園の夏休みは2ヶ月半、小学校に至っては3ヶ月以上も続きます。

また、職員のストライキで急に休校になったりも。頼める親戚やベビーシッターも見つからない!急すぎて仕事も休めない!

そんな時、最終手段として、職場に子どもを連れていく人も少なくありません。

もちろん、職種や子どもの年齢によって、子連れ出社が常に可能という訳ではありません。上司の了解が必要ですし、同僚たちへの気遣いだって、しない訳にはいかないでしょう。

それでも、禁止されているという話は聞いたことがありません。私の勤務先はみんながデスクワークで、子どもを連れているスタッフをたまに見かけます。時には子連れパパも。

他にも、内務省にお勤めの知人たちも時々しています。お店のスタッフが子連れで店舗にいたり、スーパーのレジの人がそばで子どもを遊ばせている…なんてことも。

■会社のイベントとして、キッズデーを設けている企業も!

年に1回、そろって子どもたちを事務所に連れてくるキッズデーを実施している会社もあります。特に米国では、大手企業がこういった取り組みをしていて、好評を得ています。

子どもたちも慣れたもので、塗り絵やら宿題やらをしながら大人しく待っている術を学んでいるよう。

パパやママがお仕事をしている様子を見ることが出来るのも、いい経験となるでしょう。

イタリアは、何が違うのか?を考えてみた

国の法律として、子どもの病欠が労働者に認められている、という違いは何より大きいでしょう。その他にも、社会的な商風習や価値観が日本とは違うな~と思うことがしばしばあります。

■子どもの病気はやむを得ない最優先事項!

イタリアでは、子どものため、というのは仕事よりも優先的な理由になります。病気とあれば、何をおいても一緒にいてあげなさい!という考え方が強い社会だと思います。

業務上迷惑を掛けないように、という配慮も必要ですが、病気の子どもを家において出勤しても誰も褒めてくれません。まして、お世話を頼める親戚やベビーシッターが見つかったならまだしも、1人で自宅に置いたりしたら、育児放棄で捕まります!

(ちなみに健康な子でも、10代前半までは通学の送り迎えも必須。1人で町を歩かせたら保護監督責任遺棄になります)

■同僚の子どもの名前を何人言えますか?

イタリア人は、家族の話をするのが大好き。そして聞くのも大好き。子どものいる人はもちろん、子どものいない人でも、まだまだ若い後輩たちも、家族の話を普通によくします。

同僚の子どもの名前ももちろんお互いによく知っている人が多いと思います。会社に連れてきたりする時に会ったり、休みの日に家族ぐるみで遊んだりして、子どもたちと知り合うことも。

そうすれば単なる「同僚の子」ではなくなります。名前も顔も知っている親戚の子のような感覚で、病気と聞いたら一緒に心配になるのが人情というもの。

「またあの人、子どもの病欠取って…」という妬みや嫉みを抱く人もいるかもしれませんが、そんなのは少数派です。少なくとも表立って悪口を言ったりしたら、その人こそ無情な人と見なされます。

■担当者が不在→明日まで待って、という社会

また、イタリアの商風習で日本と大きく違うな、と思うのは、「今日担当者がいないから、また来て」がまかり通る社会であるということ。

企業でもお店でも役所でも、相手がクライアントだろうがお客様であろうが、これで出直しを迫っても大丈夫というか。

対応を断られた方も、「じゃあ、仕方ないか」という感じで翌日なり数日後なり、担当者が戻ってくる日に出直すしかないことを承知します。

だから国民総生産が上がらないとかイタリア人は怠けてばかり、などと揶揄されたりもしますが、ある意味凄く人間的。子どもの病気が原因なら尚更、休むのは当たり前。

1日2日休んだって結局は何とかなっちゃう、とみんなが思っていて、これがほんとに何とかなっちゃうものなんです。

■引き継ぎとチームワーク

業務上の引き継ぎとチームワークがあまりお上手でないイタリア人。

この点、日本の仕事の仕方はむしろ、お客様に迷惑を掛けないためにともかく業務を進める傾向にあるので、チームで引き継ぎをしっかり行い、フォローし合うことが可能なのではないでしょうか?

普段から、職務内容や進捗情報などを共有し、突然誰かが数日欠けても大丈夫な体制を整えておければ、緊急時でなくても仕事が効率的にはかどります。そんなチームプレーが出来るといいですね。

所詮は理想論…?未来の“子育てしやすい社会”のために、少しずつ意識を変えていこう

■持ちつ持たれつ…理解し合い、助け合う社会を

今日はあの人でも、次は私かも。子どもではなくても、別の理由で急に仕事を休まなければならないこともあるはず。男性でも同じです。お互いに持ちつ持たれつ、理解し合えるようになると、ワーママも、もちろんパパも仕事がしやすくなるのでは…。

■ワーキングマザーであるということ

国の法律や古風な考え方の会社制度を劇的に変え、周囲の理解を得るのは、1人の力では難しいことだと思います。

が、まずは自分の意識から少しずつ変えていきましょう!ワーママであることに引け目を感じないでください。周りに迷惑をかけないよう、極力休まないようにすること自体は悪いこととは思いません。

が、「子どもの病気でも会社を休まない!」ことがワーママの会社に対する責任の取り方ではない、と思うのです。少なくともそれを自分のポリシーとして誇っていても、社会は変わりません。

高熱の子を置いて出勤しても、集中してお仕事出来るでしょうか?むしろ、お休みを頂いて子どもがしっかり回復したら、その後に挽回出来るよう、しっかり仕事に励むことが重要なのではないでしょうか。

そして、こうしたワーキングマザーと育児の問題を、企業や社会全体で考え、見つめていけるようになれば、よりよい社会に変わっていくのでは、と思いました。

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