記事提供:LITALICO 発達ナビ

娘の行動を大きく左右する怒りの感情。瞬間的に怒りに火がつくと制御ができず、どんどんヒートアップしてしまいます。

ここ数年、親子二人でアンガーコントロールについて勉強し、あの手この手を試してきましたが、なかなか根本的な解決には至りませんでした。

その根底には、「私は正当な主張をしているだけだ。怒っているのではない」という娘の強い意志があったのです。

一生懸命になればなるほど、怒りが膨らむ娘

昔からあらゆる場面で怒りを爆発させてきた娘。

ここ数年、共にアンガーコントロールの勉強をし試行錯誤を続けて来ましたが、なかなか改善の兆しが見られませんでした

そんな折、親戚が集まってクリスマス会をすることに。

「私が司会をする!」と娘は朝から進行表を作り、弟や従姉妹をまとめて歌と演奏の練習もして、とても張り切っていました。

懸命に準備を進める娘を眺めて微笑ましい反面、「どうか上手く行きますように」という祈るような気持ちでいっぱいでした。

そして迎えた本番。案の定、思う通りに動かない弟や従姉妹にイラつき、声を荒げる娘

『あんなに一生懸命準備をしたのに!あんなに楽しみにしていたのに!どうして上手く行かないの!どうしてちゃんとしてくれないの!せっかくのクリスマス会なのに!!!』

娘の心の声が聞こえてくるようでした。

娘の怒鳴り声に萎縮する子供たち。クリスマス会を台無しにしているのは自分だということに、娘は気がついていません。大人が宥める声も新たな燃料投下にしかならず、クリスマス会は散々な結果となりました。

一生懸命になればなるほど、心を込めれば込めるほど、些細なことを許すことができず、どんどん膨らむ怒りに翻弄される娘

なんとか突破口を見つけなければ…。

怒っている自分の姿を見つめられた娘

怒りの司会から一夜明け、娘とゆっくり話し合いをしました。

その中で気になったのが「私は間違っていない。正当な主張をしているだけで、怒っていると言われるのは心外」という娘の言葉でした。

娘の認識と、周囲の認識が異なる。これは大きな発見でした。そもそも「自分は怒っていない」と感じているのなら、怒りをコントロールすることなんて出来ませんよね。

そこで、娘と共にクリスマス会を撮影したビデオを観てみました。そこに映っていたのは、怒りにまかせて暴言を吐く自身の姿。娘は顔を覆い、声を失いました。

しばらくしてから娘は

「怒ってる。完全に怒ってる。今まで私は怒ってないと思っていたけど、悪魔みたいに怒ってる。これはあかん」そう話してくれました。

この言葉を聞いて、「ああ、これでもう大丈夫だ」という思いが湧いて来ました。

娘はこれまで怒りを押さえなければならないのは不当だと感じていたのです。正当な主張をしているだけなのに、なぜ私が注意されるのだ、と。

ビデオを通して、「正当な主張」の仕方が間違っていることに気づけた娘。どこが間違っているのかに気づけたら、後は工夫をして一歩一歩進んで行くだけです。

私たち親子にとって、大きな一歩を踏み出せた瞬間でした。

他者目線に気づきにくい特性だからこそ

発達障害のある方の中には、「自分が他人からどのように見られているか」に気付きにくい特性を持つ場合があります。

それは清潔感や身だしなみだけではなく、娘のようにどのような表情、どのような伝え方で相手と関わっているかが把握しにくい場合もあるのだと思います。

今回、たまたま撮影していたビデオのお陰で、娘は客観的に自分の姿を見ることが出来ました。

毎日の生活の中で困っている瞬間を映像でとらえるというのはなかなか難しいことだとは思いますが、もし機会がありましたら、楽しい笑顔の瞬間だけではなく、困ったり苦しんだりしている場面をそっと撮影してみてはいかがでしょうか。

落ち着いた時に一緒に見ることで、解決のヒントが得られる場合もあります。親子の信頼関係のもと、伝え方には工夫をしながらお試しいただけたらと思います。

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