「二十歳の原点」未熟であること…。

「二十歳の原点は独りであること、未熟であること」と昔、そう日記に書き付けた一人の女子大生がいた。宇都宮の名門女子校を卒業して、期待に胸を膨らませ、京都の立命館大学に入学した彼女は、1970年前後にあった、学園紛争(政治の季節・学生運動の時代)の荒波に呑み込まれ、二十歳という若さで、鉄道自殺をして自らの命を絶った。

未成熟な若者の孤独とは、自我と他者(社会)との関係性の中で生まれる。自分の立ち位置を人生の中で決められず、より良い自分の人生を築こうともがいて、若者の多くが孤高を気取る。「奴(ヤツ)を殺したのは、“セコイ”プライド、見栄張る自信と裏腹に…」はフォーク・ソングの泉谷しげるの唄の文句だ。そしてフォークの貴公子・吉田拓郎は「やっぱり僕は、人に揉まれて、みんなの中で生きるのさ」と歌っている。

*歌:泉谷しげる「褐色のセールスマン」参照
*歌:吉田拓郎「どうしてこんなに悲しんだろう」参照

「虚無」むなしさ…。「寂しいのはお前だけじゃない」はテレビ映画の題名。ニヒリズム(ニヒル)は虚無的なこと。ニヒルを気取った男性が案外モテたりもするかな???。ペシミスト(悲観論者・厭世主義者)の皮肉(ひにく、アイロニー)が時として的を射ていたりもする。

今の時代の発達障害と思える若い人の中には、虚無を通り越して、こころが真空のような人がいると私には思える。“こころ”の中に“核”(=かく・コア)を結ぶことさえ出来ない若者がいるように思える。

大学の新入学生になったら、学費を出して貰い、高等教育を受ける機会を与えられた事に感謝して「勉学」に励むのが当たり前。新社会人として就職したら、働いて自分のお給料で自立して、暮しを立てるのが当たり前のすること。人としての本分だ。そしておおもとの人としての本分は、他人様に迷惑を掛けないで暮らすこと。他人様のお役に立つことで、私自身の身を立てることが出来ること。

それが、人としてのこころの核だ!。

「人間失格」などの小説を書いた太宰治は、不倫をして愛人を作り、その愛人の女性に子供を産ませた。女性の名前は太田静子さんと言って、小説「斜陽」のモデルになった人だ。そして生まれた私生児が、太田治子さんという女性である。

太田静子が太宰の子を産むとその数日後、太宰は別の女性と心中して死んでしまう。小さな会社の給食の仕事をしながら、生計を立て治子さんを育てる。道に落ちていた焼き芋の切れ端を家に持って帰って食べたこともあるそうだ。

治子さんが高校生になった頃、瀬戸内寂聴さんの勧めで、治子さんは太宰の郷里の津軽の親族に宛てた手記を発表し、その出版で得たお金で、明治学院大学へ入学することが出来る。卒業後NHKの日曜美術館のアシスタントとしてテレビに出たり、文筆活動に入り、幸せな結婚をして子をもうけ家族を作り現在に到る。

その太田治子さんが、母静子さんから貰った言葉が「心映え」というものだ。人生の毎日の暮しには、「晴れとケ(気)」があるというが、晴れは成人式の晴れ着の様に、特別な心浮き立つあっぱれ快晴のよそ行きにイケテル日のことである。ケ(気)は毎日の普段着の何の変哲もないルーティンの詰まらない日々のことである。

「しあわせはこころが決める」は、書道家相田みつおの言葉。心映えをいつも明るく良くしていれば、おのずと幸福は寄って来るものなのだ。せめて人の自分の気立てだけでも「心映え」良くして置けば、物事は好転していくものだ。

どうぞ若い皆さん、五月病などという、新しい学校や会社の生活・世界に入って、一ヶ月程が経ち、ゴールデンウィークの休暇が過ぎ、新しい環境に失望を感じ始めるような気分にならぬよう。自分の人生はじぶんで責任持って、生きて下さい。

人生、楽あれば苦あり、苦あれば楽あり。
日々是新たなり。
Good luck!(グッド・ラック=幸運を祈ります)

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季節の風景とテレビのお天気予報が好き!
【略歴】
1960年生まれ。57歳。神奈川県出身
教育学部系の短大で小学校、幼稚園、保育士の教職課程を学ぶ。ウェイトレス、スイミング・インストラクタ、ワープロ・オペレータなどの職業を経験。1992年にパソコン通信を開始して「パスカル短篇文学新人賞」に参加。インターネット(パソコン通信)歴25年。ネット・サザエさん☆彡
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