記事提供:カラパイア

吸血鬼の生命の根源は血である。血を吸わなきゃ生きていけない悲しき捕食者なのである。民話や伝説、そして映画など、様々な創作作品に登場する吸血鬼は、世界中で知られている怪物のひとつだが、必ず血を必要とするポリシーは貫かれている。

創作作品ではガブリと首に食らいついて、そっから一気に飲み干すというのが一般的だが、実際は1回の採血業務にどれくらいの時間がかかっているのだろう?イギリス、レスター大学で物理学を専攻する学生たちが流動力学を使ってその数値を割り出してみた。

その結果、人間の頸動脈から750mlの血液を飲むのかかる時間は6.4分、人間1人すべての血を飲み干すには42分であることが判明した。

750mlというのは、人間の平均血液量の15%に当たり、生命に危険がある量ではない。

血液量が減れば、確実に血流はゆっくりになるが、人間の血液全量を約5リットルとして考えると、吸血鬼が人間の体から血液を完全に飲み干すには、少なくとも42分はかかる計算になる。

これは、映画などで、吸血鬼に噛まれてすぐに犠牲者が床に崩れ落ちて死んでしまう描写と矛盾する。

映画『アンダーワールド』のケイト・ベッキンセール

この計算をするために、レスター大学の学生たちは、流体力学の原理を使い、頸動脈にあけられた穴から血液が流れ出るのに、どれくらい時間がかかるかを見積もった。

頸動脈の直径を0.5センチとして、血管内を流れる血流の速度を毎秒0.6メートルで計算した。

さらに、平均的な人間の血圧を空気圧になぞらえて、動脈にひとつ穴をあけたとき圧力差を計算。

部屋の温度による血液濃度も考慮し、血液が穴から秒速5メートルで流れ出るものとした。吸血鬼の牙が頸動脈にあける穴の大きさは0.5ミリとした。

状況としては、トッド・ブラウニングの1931年の吸血鬼映画『魔人ドラキュラ』(ベラ・ルゴシ主演)の場合と同じとした。

本物の吸血コウモリはめったに人間は襲わない。おもに家畜の背中にとりついて、剃刀のように鋭い歯で皮膚を割いて、舌で血をすくって舐める。

レスター大学の物理学と天文学の講師、メルヴィン・ロイは、毎年、学生たちに日々奇妙に思っていること、すばらしいと感じることを物理学に当てはめて、論文を書くようにさせて、想像力を発揮させているという。

■ワンポイント雑学■

ポーランドのバンパイアは、コレラの犠牲者だった?


東ヨーロッパの地方で根強い吸血鬼伝説は、実際にはコレラで早世した人たちだったのかもしれない。17~18世紀、バンパイアだと疑われた人たちは、邪悪なものを撃退し、再び墓からよみがえることがないように、奇怪な儀式をして埋葬された。

しかし、彼らは血を吸う化け物ではなく、実はコレラの犠牲者で、急に亡くなったために疑われたと思われる。考古学者がポーランドの墓地で発見した遺骸の首まわりには、石と鎌が置かれていた。これは厄除けの埋葬として知られる奇妙な埋葬法だ。

最初、こうした人たちは、外からこの地に移ってきて死んだよそ者だから、バンパイアだと疑われたと考えられていた。

しかし、最近の研究で、墓地から発掘されたほかの60の遺体とともに、バンパイアだとされた6遺体の歯からエナメル質を分析したところ、彼らは移民ではなく地元民で、その死因が別の理由で奇妙だと見られていたのがわかった。

埋葬時期が東ヨーロッパでコレラが流行った時期と一致していて、この大流行で最初に死んだ人たちなのではないかと思われる。

推定年齢30~39歳のこの女性(下写真)は、首のところに鎌が置かれて埋葬されていた。彼女がよみがえろうとしたら、首をはねるためだ。科学者たちは、彼女はコレラの犠牲者ではないかと思っているが、遺骸から病気の痕跡はまだ見つかっていない。

出典:dailymail

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