4月となり、スーツ姿のういういしい新社会人たちを街角で目にする季節となりました。この時期になると、「新入社員に贈る言葉」というキーワードで私のサイトを訪れる人がとても多くなります。

迎える入れる新入社員に、上司や先輩社員として少しでも「いい言葉」を贈ろうと、言葉を探してるようです。

そこで、私がページオーナーをしている『リーダーへ贈る人生が輝く名言』から特に反応がよかったものをメインに、新社会人へ贈るにふさわしい10の言葉をご紹介します。

言葉の主人たちはこちらです。

「1.本田宗一郎」(ホンダ創業者)「2.アインシュタイン」(ノーベル賞受賞者)
「3.イチロー」(大リーグ野球選手)「4.ドラッカー」(経営学者)
「5.澤穂希」(元なでしこジャパン主将)「6.吉田松陰」(思想家)
「7.村上春樹」(小説家)「8.二宮和也」(アイドル・俳優)
「9.五郎丸歩」(日本代表ラグビー選手)
「10.松下幸之助」(松下電器産業〔現パナソニック〕創業者)

選定の基準は、次の3つとしました。

 【1】働くことを考える言葉
 【2】壁にぶつかった時に思い出したい言葉
 【3】感謝の大切さを忘れない言葉

江戸時代から現代まで時代の振り幅を大きくとり、名経営者、歴史上の偉人、トップアスリート、小説家、俳優など様々なジャンルから著名人の言葉を選びました。
もし、新社会人の方が読んでいたら、ぜひ、胸に秘めておいてください!

1.本田宗一郎の言葉

出典『やりたいことをやれ』(本田宗一郎 PHP研究所)

苦しいときもある。夜もねむれぬこともあるだろう。どうしても壁がつき破れなくて、オレはダメな人間だと劣等感にさいなまれるかもしれない。私自身、その繰り返しだった。しかしその悩みを乗り越え、一歩前に進んだときの喜びは大きい。それがまた、次の壁に挑戦する意欲につながるのだと思う。

出典『やりたいことをやれ』(本田宗一郎 PHP研究所)p43

昭和の名経営者として圧倒的な人気を誇るのが本田宗一郎さんです。

町工場から身を起こして一代でグローバル企業ホンダを創りあげました。仕事には厳しく、決して手抜きを許さない人でした。破天荒な性格でありつつ、周囲の人に気を配る繊細な感性の持ち主でもありました。

人生航路は追い風ばかりではなく、何度も人生と経営の危機を味わっています。生活費が底をつき、奥さんの着物を質に入れたというエピーソードがあるぐらいです。

国の政策と真っ向から戦ったり、F1に参入したり生涯を通して挑戦し続けた人でした。

苦悩は壁に挑戦する人へ与えられる勲章。

悩んだ時には、自分は壁に挑戦しているのだと思い直して、意欲を取り戻し、壁を乗り越えていきましょう!

2.アインシュタインの言葉

出典『アインシュタインにきいてみよう』(弓場隆=編訳 Discover21)

学業と労働の最も重要な動機は、学んだり働いたりすることそのものの喜びと、その結果として社会に貢献できるという期待感でなければなりません。

出典『アインシュタインにきいてみよう』(弓場隆=編訳 Discover21)p59

ノベール物理学賞を受賞した天才アルベルト・アインシュタイン。相対性理論の生みの親としてその功績は歴史に輝いています。

舌を出した写真はあまりにも有名で、こよくなくユーモアを愛する奇人でもありました。と同時に、研究に没頭するあまり病を患うほどの「努力の人」でした。

仕事の動機づけ(モチベーション)には、「給与」「地位」「名誉」など「外から与えられる報酬」と、「達成感」「成長感」など自分自身の「内から与えられる報酬」を期待する側面があります。

アインシュタインがいう「学んだり働いたりすることそのものの喜び」とは、「内から与えられ報酬」のひとつです。「外から与えられる報酬」には限界があります。

自分より大きな何かに貢献できているという感覚(貢献感)をもつことは、長い仕事人生を続けていくうえで「へこたれないタフマインド」をつくります。

「働く喜び」を大切にして、社会を一歩でも前へ進める人材となりましょう!

3.イチローの言葉

キライなことをやれといわれてやれる能力は、後でかならず生きてきます。

出典『夢をつかむイチロー262のメッセージ』(ぴあ)p268

企業に就職すると様々な部署があり、決して第一希望の部署に配属されるわけではありませんね。「希望通りではなかった」と、もし腐ってしまったら人生の貴重な時間を無駄にすることになります。

どんな人も好きでない仕事に取り組む時期があり、「キライなこと」を通して、自分自身をバージョンアップしています。
そして、無駄だと思っていた仕事が、時を経て、なぜか役にたつことになるのがキャリアというものです。

天才イチロー選手もキライなことがあったでしょう。特に若い時期は、マスコミ嫌いで、自分の内面を気さくにオープンにしないタイプの人間でした。しかし、NHK『プロフェッショナル〜仕事の流儀』(2008年1月2日放送)で私生活をオープンにするなど、自分を変化させていきました。そして、今のイチロー選手があるのです。

キライな仕事ほど自分を磨いてくれる!

イチロー選手の言葉を信じて、希望の部署に配属されなくても、腐ることなく、自分を大切にして、どんどんバージョンアップしていきましょう!

4.ドラッカーの言葉

出典『プロフェッショナルの条件』(P・F・ドラッカー ダイヤモンド社)

自らの得るべきところを知るのは自分である。組織の貢献において、自らに高い要求を課するのも自分である。飽きることを自らに許さないよう、予防策を講ずるのも自分である。仕事を心踊るものにするのも自分である。

出典『プロフェッショナルの条件』(P・F・ドラッカー ダイヤモンド社)p232

「マネジメントの神様」と呼ばれた故ドラッカーは、「経営学論」だけでなく「仕事論」についても持論を展開した人でした。

人材育成では「強み」に着目する重要性を説きました。そして、自己責任によって「強み」を発揮できる人材になるようにと促したのが上の言葉です。

社会で働き出すと、自分の力ではどうにもならない事態に直面します。そんな時、「上司が悪い」「お客が悪い」「会社が悪い」「社会が悪い」「政治が悪い」と、とかく他に責任を求める「他責思考」になりがちです。

この「他責思考」が若い時点で癖になると、世を恨んで生きていくようになってしまいます。これは寂しい人生です。

例え、他の誰かが悪く、他の誰かに責任があっても、「自分は今の状況を改善するために、もっと他に何かできたのではないか」と「自責思考」で考えてみる。そうすれば、多角的なものの見方が身につき成長が加速していくものです。

誰かのせいにしたくなった時には、3秒数えて、このドラッカーの言葉を思い出してください。

生涯の宝となる、あなたの「克己心」がきっと磨かれます!

5.澤穂希の言葉

誰かがやってくれる、ではなく、自分たちが変えていかなくては、何も変わりません。ただ願っているだけでは、絶対に叶わないし、何も変わりません。自分で行動することで、周りの人を動かす。自分で結果を出すことで、状況は変わっていくと信じています。

出典『負けない自分になるための32のリーダーの習慣』(澤穂希 幻冬舎)

FIFA最優秀選手賞を受賞し、日本だけでなく世界の女子サッカーに大きな影響を与えた澤穂希選手。

「苦しい時には、私の背中を見て」。

あまりにも有名なこの言葉は、「自分から動き、自分が状況を変えていくのだ」という強い信念があるからこそ、プレー中に口をついたのでしょう。

予選敗退となり、2016年リオ・オリンピックへの切符は手にすることができませんでしが、長年、日の当たらなかった女子サッカーは、佐々木監督のもと澤選手を中心にして世界大会で結果を出し続け、歴史を変えました。

仕事を始めると、結果の出ない時もありますが、結果を出すことができれば大きく周囲を変えることができます。

結果は、時に、どんな言葉より雄弁です。
批判からあなたを守る鋼鉄の鎧となります。

働き始めてあなたを批判する人が出てきたら、結果を出して黙らせましょう!

6.吉田松陰の言葉

出典『吉田松陰名語録』(川口雅昭 致知出版社)

聖賢の貴(たっと)ぶ所は、議論に在らずして、事業に在り。多言(たごん)を費すことなく、積誠(せきせい)之れを蓄へよ。

立派な人が大事にするのは、議論ではなく、行動することである。
ぺらぺらしゃべってばかりいてはいけない。
人としての誠をしっかり蓄えなさい。

出典『吉田松陰名語録』(川口雅昭 致知出版社)p222

昨年、NHK大河ドラマに伊勢谷友介さん演じる吉田松陰が登場し注目が集まりました。彼の思想の根底には「陽明学」が流れています。

王陽明によって形づくられた「陽明学」は、行動主義であり、行動をモットーとします。

「知行合一」

「知識と行動は一体となって意味をなす」。この言葉は、陽明学のなかで最も広く知られているものですね。

吉田松陰亡き後、明治維新を成し遂げた西郷隆盛、坂本龍馬、桂小五郎など「幕末の志士」たちの行動原理には、個人差はもちろんありながら、陽明学が機能していました。

会議室で議論ばかりして事が前に進まない時には、松陰の言葉を思い出して、どんどん行動していきましょう!

7.村上春樹の言葉

出典『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011』 (村上春樹 文春文庫)

あとになってみれば「ああ、そうか、そういうことだったのか」と腑に落ちるのだが、その時点では何がなんだかよくわからない。でもよくわからないからこそ、人生にはきっと意味があるのだろう。よくわけがわからないからこそ、これからどうなるのか先が見えないからこそ、人は必死になってそこから何かを吸収していくのだ。

出典『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011』 (村上春樹 文春文庫) p576

ノーベル文学賞をいつとるのかと期待される世界的な小説家村上春樹さん。
小説は広く知られていたものの、海外で執筆活動をしていたためマスコミに登場することは少なく、彼自身の人柄やその考え方を知る機会は限られていました。

現在では、『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋)や『職業としての小説家』(スイッチ・パブリッシング)などが発表され、村上春樹さんの個人的な言葉にふれるチャンスがとても増えています。

小説が売れれば売れるほど、批判も大きかったといいます。そんな中で、村上さんの人生観も変化していったのでしょう。

長いキャリアの中では、「働く意味」を見失う、わからなくなってしまう時期があります。「なんで、こんな仕事をしてるんだ」と・・・。

でも、そんな時にこそ、村上さんの言葉を思い出したいですね。

わからないからこそ、人は、必死になる。

意味を追い求めて、堂々めぐりになった時には、「わからないままでいいのだ」という開き直りが、生きる力を与えてくれます!

意味の見つけられない日々にこそ、実は、人生の意味は満たされているのです。

村上さんの言葉を胸に秘めて、 今、目の前にある仕事に必死になりましょう!

8.二宮和也の言葉

否定からは何も生まれないと思っていて。意味のないことが嫌いだからね。だから、意味のない否定をしないってということなんだろうね

出典『プラスアクト』(2010.11 ワニブックス)

アイドルながら高い演技力で定評のあった「嵐」のメンバー二宮和也さんは、2006年上映のクリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』(ワーナー)に大抜擢されました。
ジャニーズ事務所としては、ハリウッド映画に出演した初めての人となりました。

そんな彼が雑誌『プラスアクト』で自身の演技論を展開していました。
上の言葉は、そのひとつです。

テレビで見せるどことなく飄々とした姿の裏には、彼の軸となる深い考えがありました。

確かに、否定ばかりする人に出会うと、エネルギーを吸い取られるような感覚になります。代案があるのならば納得もできるのですが、「否定して終わり」という会議に出ると、「仕事の意味」が失せていくような感覚にとらわれます。

否定からは何も生まれない。

いい言葉です。否定ばかりする人がそばにいて疲れてしまったら、二宮くんの言葉を思い出してください。そして、否定する人を反面教師として、自分自身は、「肯定することで人を勇気づける」人になっていきましょう!

9.五郎丸歩の言葉

努力というのは、人生のどこかでかで必ず実る。
運や才能より努力が大事。

出典『五郎丸語録』(五郎丸歩 ぴあ)p62

五郎丸歩。2015年ラグビーロンドンW杯で歴史を変えた男のひとりです。今やテレビCMにも登場し時の人となっています。

「エディー・ジョーンズ」ヘッドコーチのもと、「日本代表は世界で最も厳しい練習をこなしたチーム」と言われました。

W杯後、「ハードワーク」という言葉がテレビに登場するラグビー選手たちからよく聞かれました。まさに「血のにじむ努力」をして、「史上最大の番くるわせ」と言われた南アフリカを撃破する勝利を手にしました。

トップアスリートたちが、「練習は裏切らない」とよくいいます。

それと同じように、こういえます。

「努力は裏切らいない」

努力をしても、結果に結びつかないことはいくらでもあります。運に恵まれないこともあるでしょう。

ても、努力を惜しまないという「生きる姿勢」を身につけることができたら、それは、別の形となって、後から必ず自分に恩恵をもたらしてくれます。

仕事を始めてきつい場面がきた時ほど、五郎丸選手の言葉を思い出し、逃げずに努力をしてみてください。

楽な道を選ばない時ほど、人は勝利を手する確率が高まります。ですから、努力をしてどんどん成長していきましょう!

10.松下幸之助の言葉

出典『松下幸之助 一事一言』(大久光 文春文庫)

自分一人の力で立っているのではない。気がつかないうちに、多くの人が直接間接の協力者として、自分を支えてくれているのである。こんにち、この社会に生きているというのは、そういうことなのである。それに気がついて感謝の心をもつかどうかで、その人のねうちがきまる。

出典『松下幸之助 一事一言』(大久光 文春文庫)p146

松下幸之助さん。昭和の名経営者の中で最も多くの書を残し、その思想で今なお大きな影響をビジネス・リーダーたちに与えています。
松下さんの書には、「感謝」が何度も何度も、繰り返し出てきます。

小さな町工場から身を起こし、万の従業員を雇うまでの道のりでは、計り知れないほど多くの人生を眺めてきたはずです。

傲慢になると、他人に感謝ができなくなります。「ありがとう」が言えないのです。その結果、人間関係がうまくいかなくなり、仕事にも支障をきたすようになります。

そうした人をたくさん松下さんは見てきて、だからこそ、感謝の大切さを繰りかえし説くのですね。

私も多くの本を読んできて、「ありがとう」を否定する書には出会ったことがありません。

それほど、働くうえで、生きていくうえで、感謝をすることは大切なのだと思います。

「ありがとうございます」

この言葉を座右の銘として、これからより充実した仕事人生を送ってきましょう!


言葉に力が宿る方程式とは?

いかがでしたでしょうか?何かフィットする言葉があったでしょうか?

言葉を贈る時に大切なのは、「引用する言葉」を実際の「経験」と結びつけることですね!テレビで観たり、ネットで見つけた話しではありません。自分が経験したことです。

そうでないと、引用する言葉がとってつけたような印象となり、話の内容全体も質が落ちたものとなってしまいます。これではもったいないですね。

経験したことは、言葉が拙くても、事実であるがゆえに、それだけで相手に伝わるリアル度が違うのです。

もうひとつ大事なのは、「本当にそう思っているか?」という「本気度」です。

最後の松下幸之助さんの言葉は、「支えられて生きていることの自覚」や「感謝」の大切さを説いています。そのことが「本当に大事だ」と本気で思っていれば、自分の想いが相手伝わります。もしそうでなければ、口先であることが見抜かれてしまいます。

すると、言葉に力が宿る時の方程式はこうなります。

言葉の力=「経験」×「本気度」



春。桜舞う旅立ちの時。

よい言葉は、よい人生をつくります。

若人たちの門出に、記憶に残る「いい言葉」を贈ってください。

この記事を書いたユーザー

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心理カウンセラー/研修講師/作家/産業能率大学(情報マネジメント学部)兼任講師。リーダーシップ、モチベーション、キャリアをキーワードにSNSを通して「働く人をサポートする言葉」を継続的に発信。学生時代はラグビー部に所属。著書:『「機動戦士ガンダム」が教えてくれた新世代リーダーシップ』(SBクリエイティブ)『バカと笑われるリーダーが最後に勝つ トリックスター・リーダーシップ』(ソフトバンク新書)『真のリーダーに導く7通の手紙』(青春出版社)『「上司」という仕事のつとめ方』(実務教育出版)ほか。http://www.earthship-c.com

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