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妊娠を望んでいるのに、なかなか子どもができない…。晩婚化、晩産化にともないそんな悩みを抱える夫婦が増えているといいます。

東邦大学医学部産科婦人科学講座教授の片桐由起子先生によると、妊娠のしやすさは、身体をサビつかせ老化の原因となる「酸化ストレス」と関係があるのだそう。

そして、その酸化ストレスを軽減するためにカギを握っているのが睡眠のとり方なのだとか!

酸化ストレスを軽減させるのは「メラトニン」

妊娠を、まず女性側の問題だけで考えたとき、妊娠しやすさは主に「卵子の量と質」に関係するといいます。

「女性は生まれたときにすべての卵子のもととなる細胞をあらかじめ卵巣の中に備えていますが、年をとるごとにそのストックは減り、質も劣化していくため妊娠しにくくなっていきます。一般的には35歳を境に卵子の量が大きく減り、その後37・38歳ごろから劣化スピードが加速するといわれています。ただ、その年齢には多少の個人差があり、それは生まれ持った因子と環境因子の2つの影響で左右されていきます」(片桐先生)

環境因子として卵子の減少・劣化速度を速めるといわれているのが、「酸化ストレス」。体を酸化させ、サビつかせる要因は、食生活、酒、タバコ、紫外線など日常生活の中にたくさん潜んでいます。

そんな酸化ストレスを軽減するのが、実は睡眠ホルモンである「メラトニン」です。

「メラトニンとは、深部体温を下げ、副交感神経を優位にして気持ちを落ち着かせたり、呼吸や脈拍、血圧を低くすることで、深い眠りへ導くホルモン。研究によって、このメラトニンには身体の老化を防ぐ抗酸化作用があることが明らかにされています。妊娠と直接的な関係があるとはいえませんが、不妊治療中の患者にメラトニンを投与した結果、不妊治療の成績が上がった、というデータも報告されています」(片桐先生)

そんなメラトニンの恩恵を受けるために注目すべきなのが、「睡眠のゴールデンタイム」

「メラトニンの分泌で重要なのは、睡眠時間の長さよりも睡眠をとる時間帯です。睡眠のゴールデンタイムと言われている時間、22~26時までの間がメラトニンの分泌が最もさかんといわれています」(片桐先生)

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男性も注目すべき、精子の質を上げるための睡眠方法とは

妊活を邪魔する「酸化ストレス」は、決して女性に限った問題ではないのだとか。

「男性の精子は、卵子とちがい、毎日新しいものがつくられ続けます。そのため、つくられたときの生活環境が大きく関係してくるのです。精子の成熟にかかる日数は80~90日程度。その間に不規則な生活、喫煙などで酸化ストレスを受け続けると、健全な精子がつくられにくくなってしまいます(片桐先生)

つまり、妊娠をのぞむなら男女ともに睡眠のゴールデンタイムには深い睡眠を得ることが理想的。しかし、多忙な人が多い現代では22時~26時に睡眠をとることは難しい、という人も多いはず。

「おすすめなのが、遅くとも24時までには就寝し、7時まで寝る代わりに5頃時に起きて仕事を片付ける、という方法です。メラトニンは睡眠時間の長さではなく、睡眠をとる時間帯に左右されます。睡眠時間が確保できない多忙な人も、生活のリズムを朝型にシフトすればメラトニンの恩恵を受け、酸化ストレスを軽減できますよ」(片桐先生)

ただし、睡眠をとる時間帯にこだわりすぎることで睡眠自体がストレスになってしまっては本末転倒です。男女ともに精神的なストレスも妊娠の妨げになります。

「眠れないときは身体を横にして休息する、どうしても作業しなければならないときは照明を暗くしてリラックスした状態で行う、などの手もあります。心と身体を落ち着けることを第一に考えてストレスを溜めないようにしてください」(片桐先生)

妊娠に間接的に関わってくる睡眠ホルモン「メラトニン」。現在妊娠を望んでいる人に限らず、将来的に妊娠を考えている人、そしてそのパートナーも、ぜひ心にとどめて生活してみてはいかがでしょうか。


監修:片桐由起子(東邦大学医学部産科婦人科学講座教授)

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