日本は資本主義の先進国。それゆえに上下関係を計る点で重視されるのは「学歴」。学歴社会として長年認識されてきた日本は、最近では「見た目社会」にもなりつつあると感じています。

この見た目社会というのは「外見で判断する社会」のこと。学歴社会プラス見た目の印象を重視する社会が今の日本と言えるのではないでしょうか。長年海外に住む筆者は、そんな日本とイギリスの社会の差をこの目で見てきました。

「学歴はその人を最も評価するに値する判断基準」という日本の社会では、男性も女性も常に学歴によって職を得、学歴の有無によって人生を大きく変えられる人もいます。更には履歴書に添付されたプロフィールの写真により、同学歴の二人のうち採用されがちなのは「見た目のいい方」といった、いわば不公平な社会になっています。

特に見た目を重視するという点においては、イギリスでは言語道断。「差別」として本人が訴えれば罪として問われるほど。当然、欧米でも学歴は考慮します。学歴というのは「自身が形成された結果」として判断されるからです。

日本では、能力のある人は高学歴であるケースが多く企業側もその人材能力に期待するためにどうしても学歴を重視しているかのように見えますが、実際に人生に加算されていく学歴を持たずに実力だけがあっても、それは「じゅうぶんな努力」と見なされないというのが社会の判断として正直なところでしょう。

学歴がある人は自分に自信を持つことができます。知識の抽斗が広く、学んできたことで自分がどこに立っているかという位置付けがより認識できるからです。とはいえ、学歴のない人が努力家ではないのかというとそうではなく、学歴という看板を掲げていない分、人よりも更なる努力で人生を築いている人もいます。

このほどショーンKさんがしてしまった経歴詐称は、資本主義であり学歴社会重視の日本では確かに大きなミスでしょう。ただ、世間の反応が一昔前と違っていることに目を留めた筆者。

「経歴詐称はよくないことだ」という主張しながらも「実力のある逸材なので残念」という彼を惜しむ声が多く寄せられているようです。つまり「日本は学歴重視の社会である」ということを私たちが認識しつつも、「やはり実力のある人がこのまま埋もれてしまうのは残念」という実力容認思考も社会に芽生えてきているのではないでしょうか。

ショーンKさんに関しては、その経歴により報道番組のコメンテーターなど多くの仕事を得て来たという事実があるために、これまで彼の経歴詐称を気付かずに採用した側も責められるべき立場というのは納得。

ただ、彼の英語力や腰の低さから見られる周りへの対応の仕方、そして「見た目」的にメディア映えするルックスなどからその実力を認めている人が多く、彼の今後の復帰を望んでいます。

それは「擁護」ではなく、「学歴も大切だけれど、学歴以外の彼の他の看板も認めたい」と思う人が多いからではないでしょうか。筆者の意見としては、経歴詐称をするということは、自分への自信がないことへの表れだと思います。でも学歴にごまかしは効きません。偽れば必ずどこかでボロがでる、それが自分の糧になり知識となる学歴というものなのです。

ショーンKさんは今回のミスで、日本社会がどれほど学歴重視社会かということを再認識したことでしょう。彼の学歴詐称という過ちにより、世間から批判的意見が出る一方で彼の実力が認められるというなんとも皮肉な結果となってしまいましたが、無学歴をカバーできるほどの実力を持っている人ならば、きっとまた活躍できる場を社会から与えられるチャンスがやってくるのではないでしょうか。

そしてそれを期待している人も少なくないようで、全ての日本人が「学歴重視社会」オンリーの日本を尊重しているのではないということがわかりちょっと嬉しくなってしまいました。

海外暮らしの長い筆者の経験でいうと、イギリス社会でもケンブリッジやオックスフォードなど世界的に有名な大学の卒業者は一目置かれています。でも社会での職場にそれが一番大切かというとそうではないというのが採用基準を見てもわかるのです。

それはその人の中身を重視しているから。企業により異なりますが例えばどれだけ適応能力があるかということは、学歴だけでは計れないこと。実力というのは学歴があって培われるものではあるけれど、学歴の代わりに「努力」でも実力は養われるということがイギリス社会で仕事をしている人たちを見ればわかります。

学歴は確かにその人自身の肩書きとなり人生をも左右するでしょう。でもその肩書き以上にその人の仕事ぶりや努力を認める社会がイギリスにはあるのです。

国によって文化や言葉が違うように、何に重きを置くかはもちろん違ってきます。ショーンKさんのしたことで批判的な意見が社会に蔓延するのは、日本ではいわば当然のことでしょう。日本の社会では「テレビに出ている立場でありながら世間に嘘をついた」ということが何より赦されないことでしょうから。

ただ、これまでショーンKさんのラジオをずっと聞いていたリスナーが「学歴で聞いていたのではない。ショーンKさんが好きだったから聞いていた」と話しているように、いつかショーンKさんには、学歴社会の日本だからこそ無学歴でもここまでできるということを私たちに見せてほしい。そして筆者も、ショーンKさんならきっとそれができる人だと信じている一人です。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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