遠野地方を旅して

6年程前だったかと思いますが突然の火災によって焼失し、営業を休止されていた座敷わらしで知られる岩手県二戸市の旅館『緑風荘』がこの春に営業を再開されますね。
筆者はたまたま新しい建物の工事着工のタイミングにメールを送る機会があり、再開に向けて準備中であることを知ったのですが、年明けに頂いたハガキによると5月から営業開始予定なのだそうです。

筆者は伝承なども大好きで、子供の頃からそういった書物なども読んでいました。その土地土地にまつわる不思議な言い伝えやさまざまな神様などの話を知るのは非常に面白いのです。

そんな筆者は柳田邦男が著した遠野物語も随分前に読んでいましたが、そこから興味も持っていたことから、ある年の夏に友人と遠野を中心に岩手を旅行したことがあります。残念ながら冒頭で触れた旅館はまだ宿泊したことはありませんが、予約が取れれば是非利用してみたいですね。

ところで、遠野は訪れた方なら分かるかと思いますが、町全体を散策するのが醍醐味と言いますか、いろいろな言い伝えのある場所が点在している町です。かと言って徒歩では相当間隔もある為、筆者達はレンタル自転車で巡っていました。やはり、何処か不思議な感覚は至るところで感じたものです。

河童が淵では流石に河童は目撃出来ませんでしたが、そこへいくまでのホップ畑をはじめ近隣の風景が美しく、渡ってくる風が気持ち良かったですね。

こういう何気ない風景の中に観光スポットがあるんですが、その合間に展示館や工芸品などの土産店、飲食店などがあって、程よいサイクリングが楽しめました。筆者は『ひっつみ』という平たい麺を煮込んだものが気に入り、夏だというのに何度か食べました。

白い霧のような人形(ひとがた)

ところで、その時の滞在先は特に古い旅館というわけではなく、当時まだオープン間もないような新しい感じのホテルでした。岩手には冒頭で触れた『緑風荘』さんを始め座敷わらしが訪れると言われている宿はいくつかあるそうですが、そんなイメージも湧かない普通の近代的なホテルです。

ところが、ちょっと不思議な体験をしたのです。

その前に、ホテルで迎えた最初の朝に筆者は風邪をひいてしまいまして。バイキングでの朝食を摂りに下りたレストランの冷房が異常に寒いんです。始めはちょっと食べてすぐに出るからと我慢していたんですが、半袖のワンピースに素足にサンダル姿という筆者はほんの10分もいると震える程冷えてしまいました。

部屋に戻り、上に一枚羽織って観光に向かいましたが、夜には熱が出てしまいました。喉は痛み熱に浮かされ、早めにベッドに入りましたが熱が引くかどうか心配でしたね。

寝ている間、不思議な感覚に陥っていました。誰かに名前を呼ばれているんです。標準語では無かったような記憶があります。しかも、下の名前なんです。
「〇〇ちゃん、〇〇ちゃん」
夢は見ていません。声だけ聞こえていて、それを聞きながら眠っていたんです。

そして翌朝、なんと!熱はすっかり下がっていました。あんなに痛かったのども全く問題なく元気なんです。
友人に名前を呼ばれていたことを話しましたが、友人は呼んでもいないし、聞こえてはいなかったそうです。

不思議に思いながら、まあ熱が下がって良かったと安堵しながら出掛ける支度をしようとベッドから立った時です。鏡の前に白い霧のようなものがかかりました。それが一瞬人のような形になっていて、思わず凝視しましたが、霧はすぐにふわっと広がって何も無い普通の部屋に戻ってしまいました。

懐かしさと不思議な感覚を覚える土地

遠野での筆者の不思議体験はそれだけですが、誰かに名前を呼ばれながら寝ていたら、心配していた風邪が一晩で治ってしまうなんて本当に変な気分でした。朝見かけた一瞬の霧のような白い人のような形も不思議です。

誰かが風邪を治してくれたかな?まさか座敷わらし?なんて言いながら、帰る直前まで町の散策と地元の美味しい物を楽しんで帰宅しました。

本当に細かい場所が多く、あちこちに点在していて、名所地図を見ながらでも通り過ぎてしまったりという場所もありましたが、素朴でのんびり過ごせる場所でしたね。囲炉裏を囲んで語り部の話を聞くのも楽しい体験でした。

そうそう、友人は怖くて入れなかったのですが、伝承園にある『オシラサマ』を祀って展示している所にも行きましたね。願い事を布に書いて奉納すると叶うというのがあり、私は書いてきました。

叶ったかどうかは秘密ですが、中は確かにちょっと怖がりな人には入りにくいかな?という印象です。ただ、時間によっては他の観光客もかなり集中して入ることもあるので、何人かで入れば特に怖いという感じはない部屋でしたが。

遠野をはじめ岩手の宿には座敷わらしに遭遇出来るのを楽しみに訪れる人が多いですが、目的の宿がなかなか予約が取れない場合でも、伝承の好きな方は行ってみると楽しいかも知れませんよ。

座敷わらしに会えるお宿

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音楽業界を経て、フリーのデザイナー兼ライターを生業にしております。ポジティブに解決したトラブルや実体験ネタを中心に書いています。8歳下の夫と愛犬の気ままな3人暮らし。音楽好きのゴシック好きの和服好き。オカルトも大好きでございます。好きな作家は芥川龍之介、詩人は中原中也☆

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