記事提供:OTSUMO TALK | CyberAgent by NIGO®

クリエイティブ・ディレクターのNIGO®氏が、各界の第一線で活躍するゲストを迎えて繰り広げるクリエイティブ対談。

記念すべき第一回目は、EXILEのリーダーであり、株式会社LDHの代表取締役社長でもあるHIROさん。2013年末にパフォーマーを勇退し、現在は経営者としてEXILEをはじめ、三代目 J Soul BrothersやE-girlsなど、数多くの所属アーティストのプロデュースを手掛けている。自分たちの使命は、“Love, Dream, Happiness”をテーマに、魅力あるエンタテインメントを創造し、多くの人に夢と希望を届けることだという。

クリエイターとして、経営者として、その手腕に注目が集まるHIROさんは、いったい今、何を考えているのか。

今までのLDHにはなかった色を 絶対に出してくれる

お二人の出会いは何がきっかけだったのですか?

HIRO 共通の知り合いは昔からたくさんいましたし、うちのメンバーのNAOTOとかMATSUは以前からNIGO®さんと仲良くしてもらっているんですけど、僕自身は直接お会いする機会がなかなかなかったんです。

そうしたら、あるときふとしたきっかけで食事に行くことになって、あらためてちゃんとお話をする中でNIGO®さんのクリエイティブにインスピレーションを受けて、何か一緒にいろいろなことに挑戦できたら面白いだろうなと思い、それでこのあいだHappinessのシングル(「Holiday」)のヴィジュアルとアートディレクションをお願いしてやってもらったんです。

NIGO® EXILEはもちろん、ほかのグループのことも知っていましたけど、まさか自分が何かお手伝いできるということは想像もしていなかったので、お話をいただいたときは驚きました。僕はユニクロの仕事もやっていて、その経験からたくさんの人たちに向けてデザインすることがいかに難しいかを実感しています。

尖がってはダメだし、かといって無難になっても面白くない。そこのさじ加減がすごく難しいんですけど、EXILEはみごとにコントロールしてやっていますよね。新しいメンバーが入ったり、別のプロジェクトが動いたり、その仕掛けが面白くて、今までのエンタテインメントの流れをちょっと変えたような、それこそ時代を動かしているような感じがあって、クリエイションとしてものすごく勉強になるなと思って見ていたから、自分がその中に入るのはけっこうプレッシャーでした(笑)。

HIRO そうだったんですか(笑)。僕らとしては、NIGO®さんがやれば絶対に素晴らしいものができると確信していたから、完全にお任せでした。NIGO®さんが入ってくれることは僕の中でものすごくありがたくて、まずメンバーのやる気がハンパないんですよ。クリエイティブの面でも、今までのLDHにはなかった色を絶対に出してくれるので、ほんとによかったなと思っています。

NIGO® 若いうちに何を見たかで、その後のセンスとか感性は変わってくるじゃないですか。Happinessのジャケットを見て、かわいいと思って、デザインだったり、ファッションだったりにもっと興味を持つようになってくれたら僕としても最高に嬉しいです。

興奮や熱狂を 本物の感動に変えたい

NIGO® 今回、Happinessのアートディレクションを僕に任せてくれましたけど、いろいろなグループとかプロジェクトがある中で、それぞれどういうふうに考えてクリエイションしていっているんですか?

HIRO 僕は会社の代表ではありますけど、こういったクリエイションは僕だけのアイデアだけではなくて、メンバーやスタッフとの普段のコミュニケーションの中から生まれたりしています。ただ、気をつけないといけないのは、やりたいことだけやっていてもそれはたんなる自己満足にしか過ぎません。

僕らの目標は、「Love, Dream, Happiness」というメッセージを多くの人たちに向けて発信していくことなので、そのテーマを絶対に忘れずに、今の自分たちだったら何を表現すればそれがいちばん伝わるんだろうということを常に考えています。そこは絶対にブレないようにして、あとはバランスやタイミングもあるので、そういったものと自分たちの感覚を総合的に判断したうえで発信していますね

NIGO® なるほど。やっぱり発信していくことが大事ですよね。僕の場合、「A BATHING APE」を20年やって、それまで発信型だったはずがいつしかお客さんが求めるものばかりをつくっている状況になっていたことがあって、そのことがイヤになって辞めたっていうのもあります。

今はアパレルだけではなく、デザインに関するいろいろな仕事をやっているんですけど、この世界でも発信型というか、どんどん新しいデザインやアイデアを提案していかないといけないと考えていたので、今のお話を聞いてそうだよなってあらためて思いました。

HIRO もちろんライブを観て楽しかったねと言っていただけるのは嬉しいんですけど、それだけで終わらせるのではなくて、その興奮や熱狂を本物の感動に変えたいというのが僕たちの願いなんです。そうすることで、ずっと心の中に残り続けると思うんですよ。

そのためには新しいアイデアを積極的に打ち出していかないといけないし、何をどう見せるかといったストーリーを徹底的に考えていかないといけないと思います。

点と点を繋げて、線にして、 発信の仕方を考える

サイバーエージェントの藤田社長が「HIROさんみたいな考えを持った経営者が増えたらもっと面白くなる」と言っています。

HIRO ありがたい話ですけど、僕自身、NIGO®さんのように一つひとつ何か具体的なものを作ったりしているわけではなくて、面白いと思う人やアイデアを集めて、繋げて、あとは皆さんでこれを料理してくださいと言っているだけです。

この点とこの点を繋げて、線にして、さらにこういう発信の仕方をしたら面白いんじゃないかとか、そういうことを大雑把に考えているだけなんですよ。だから、今もNIGO®さんと話をして、「NIGO®さんと日本刀をやったらどうなるんだろう?」とか、そんなことを考えてました(笑)。

NIGO® なんですか、日本刀って?

HIRO 島根県の奥出雲に1300年前から続く「たたら吹き」と呼ばれる高度な製鉄技術があって、そこで作られる玉鋼は純度がものすごく高くて、現代の最先端の溶鉱炉をもってしても作ることができないそうです。

このたたらという日本伝統のものづくりをモチーフに僕がプロデューサーとなって『たたら侍』という時代劇映画を作ることになって、その流れの中で日本刀を作ろうという話もいただき、それをNIGO®さんとやったら世界中がビックリするようなものができるんじゃないかなと思ったんです。

NIGO® 僕も日本の伝統文化に興味があって、着物とか歌舞伎とか、あと最近は陶芸をやっています。陶芸は本当に面白くて、月に1回のペースで山口県の工房に通っていますが、ケータイも見るのを忘れて1日中ずっと作陶しています。

HIRO 陶芸を始めたのはなぜですか?

NIGO® 最初は歌舞伎を観るようになって、それから着物を着るようになって、和物にハマっていきました。当然のように骨董にも興味を持つわけですけど、僕の性格からして買い始めるともう止まらなくなるので(笑)、なるべく手を出さないようにしていました。

とはいっても、いつかは間違いなく行くだろうなってこともわかっていたので、それだったら何か違う入り方をしようと思い、作るほうから始めてみました。器の見方が分かるかなと思って…。まだやり始めたばかりですけど、見るとやるとでは全然違いますね。

HIRO そうなんですよ。やってみて知ることってたくさんありますし、僕自身が日本の文化については知らないことだらけだから、まだまだすごいものがあるでしょうね。

エンタテインメントの 一大拠点をつくりたい

NIGO® 伝統文化でも何でもそうですけど、日本人の作るものとか、やることってとてつもなくクオリティが高いですよね。世界的に見てもすごいものをつくっているし、やっている。

こういうとすぐに海外に持っていこうみたいな話になるけど、僕は最近「安易に海外に持っていくのではなく、日本国内でしっかりとプラットフォームみたいなものを作って、向こうからやってくるようにしたほうがいいのでは?」と思っています。

HIRO 僕もそう思います。僕たちでいえば、ディズニーランドじゃないですけど、エンタテインメントの一大拠点を作ることができたらすごく夢もあるし、そこを目指して海外から日本に人がやって来たら最高ですよね。

世界のエンタテインメント界では、まだまだ日本の良さは認められていません。日本のクオリティは高いのに、それがちゃんと伝わっていないのは悔しい。日本の素晴らしさを世界の人たちに伝える義務もあるだろうし、日本のエンタテインメントを海外に発信する意味でもやるべきじゃないかと思っています。

NIGO® 具体的な目標とかって何かあったりしますか?

HIRO 2年先ぐらいのイメージとか、スケジュールはだいたい決めているんですけど、時代の流れや人との出会いによってはガラッと変わってしまうので、とりあえず一日一日を丁寧に積み重ねていくことを心掛けています。

具体的なことでいえば、ドームクラスの大きなハコをつくることができたら嬉しいですね。三代目J Soul BrothersとEXILEだけで年間に40回以上もドームでやっていて、ほかにもいろいろなアーティストがいるから、今はドームのスケジュールが取り合いになっている状況なんです。東京にドームがひとつしかないのは致命的に少ない。あと3つか4つはあっていいと思うので、藤田さんとかポンとつくってくれないですかね(笑)。

ライブハウスもあって、アリーナもあって、ドームもあって、NIGO®さんの作品とかもあったりして、子どもから大人までみんなが楽しめる場所ができれば、すごく面白いと思います。

NIGO® それはすごいアイデアですね。そういうエンタテインメントの一大拠点があったら、間違いなく海外からも人が集まってきますね。

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