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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
1億人総活躍時代。政権が掲げる主要政策のひとつですが、その中では超高齢化社会も一緒に進行していることを忘れてはいけません。介護離職をゼロにするということは、裏を返せば、働きながら介護をするのは非常に困難なので仕事を辞めなければならない現状がある、ということになります。実は、この大変さが「介護うつ」に深くかかわっているのです…。

今回は、介護うつについて伺ってみました。

介護うつって、どんな病気?

「介護うつ」は正式な病名ではありません。「うつ病」のことを指すのですが、うつ病になる原因が介護だという意味です。うつ病になる原因は人それぞれだといわれています。その人の性格も、生活環境も、仕事環境も、人間関係全体が影響している訳です。

では、「介護うつ」の原因は何でしょうか。「介護をすること」だとあまりにザックリ過ぎるので、もうちょっと細かく分析するのであれば「無理をして介護をしてしまうこと」となるでしょう。

介護に立ちはだかる壁

介護というのは、次のような様々な要因が複雑に絡み合っています。

<身体的要因>
介護が必要になってしまった原因である病気やケガの後遺症。

<環境的要因>
その後遺症を抱えたことにより段差を超えられなくなり、今まで暮らしていた自宅では暮らせなくなるなど。

<人的要因>
配偶者や家族など介護をしてくれる側の人との問題、関係性。

<金銭的要因>
介護用品や介護サービスを受けるにあたり発生する金額

<心理的要因>
介護がなければ自分は生きていくことができないのだという本人の心理的要因と、介護を受ける人がこちら側のいうことを聞いてくれないというような介護する側の心理的要因
などです。

いかがでしょうか。たったこれだけ考えただけでも、介護という事柄に立ち向かうのに一人で実行できると思われますか?答えは「とてもじゃないけれど無理!」ですよね。

日本人特有の気質が、介護うつを引き起こしていた!?

日本人の悪い癖というか間違えた美学というか、人の世話にならなければならないということを恥ずかしいと思ってしまうため、他人の力を上手に借りることができずに一人でなんとかしようとしてしまい、自分のキャパシティを超えて問題を抱え込んでしまう傾向があります。

しかもたちが悪いことに、このことを頭でわかっていても、いざ自分自身が親族の介護という問題に突き当たった時に、冷静に考えることができる人はなかなかいません。ということは、誰にでもリスクが潜んでいるということになります。途中で、専門家や周囲の適切な支援を受けてこの状態から抜け出ることができればまだ良いのですが、そうできなかった場合に「介護うつ」となってしまうのです。

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介護うつから身を守るには…

それは、まだ親が元気なうちから、本人たちも含めた家族間でしっかりと方針を話し合っておくことです。もしかしたら、子どもたちの中には遠方に住んでいて話し合いに参加できない兄弟もいるかもしれません。しかし、「仕方ない…」で済ませてはだめです。なぜなら、何か起こった時に口を挟むのは、大概、日ごろから介護や世話をしていない親族だからです。

また、介護を受ける本人の意思を確認しておくことが最も大切です。そうすれば「お母さん(お父さん)は、今の状態を本当に望んでいるのだろうか…」と介護者が悩んだとしても、答えが出ているからです。

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ケアマネージャーからのアドバイス

今はSNSが発達し、遠くにいてもすぐに顔を見ながら連絡をとれるようになりました。家族会議を開く時には、このメリットを活用しましょう。このようにして、もう他人事ではない「介護うつ」に対し事前に準備しておきましょう。

(監修:ケアマネージャー 六波羅敦)

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