知らない道

筆者は、とあるお仕事の取材の為、およそ一ヶ月間に渡り北関東行脚(あんぎゃ)に出ておりました。

出来る限り電車などの公共機関で移動していましたが、取材先によっては駅から非常に遠い上にバスもない、なんて所や夜間の取材だと終電が無い、なんてこともあります。そんな時には車で向かうようにしていました。

その日も帰りの終電が無い場所だった為車で向かい、無事に終えて夜道を帰るだけと安堵して帰路につきました。過去に観光で訪れたことのある地域で数回程度走ったことはありますが、随分久しぶりの道です。土地勘はあまり無い上に道路も変わった所があるようでした。

自分の車ではなくナビがついていない車でしたが、不安な所だけスマホのナビを使い、後は簡単な道順だった為一気に帰るつもりで走ることに集中しました。途中何度も自宅のある地名が案内板に出てきます。案内板に表示される残りの距離も少しずつ縮まっていきます。道は間違えていません。安心して走りました。

途中、後続車や対向車など何台かの車とも会いながら安心していたんですが、ふと気づくと車がまったく走っていません。

しかし、時間的にはもう30分もすれば自宅のある街へ入る筈です。気にせず走り続けたのですが、風景に違和感を覚え始めました。さらにおかしなことに気づきます。相変わらず自宅のある街の地名が道路の案内板には出てくるので安心していたのですが、良く見ると距離がいつの間にか遠くなっているんですよ。

(え?前見た所より20キロ以上は増えてないか?)

何がどうなっているのか?何処かで曲がった記憶もありません。しかも、本当ならそろそろ市街地に出ている頃なのに、周囲は樹木が並んでいます。スマホで確認する為に停まるのも怖いぐらいの山道で、取り合えず方向は合っているだろうと構わず走りました。

誰かが乗っている・・・。

何処の道か良く分からず、周囲を見ながら走っていたその時です。いきなり全身に鳥肌が立ち始めました。頭のてっぺんまで全てです。

(あ、この感じって・・・)

嫌な予感がしました。
10代の頃から不思議な体験は何度かあります。しかし最近は怖い経験よりほのぼのした不思議なものが多く、ゾッとするような感覚はかなり長い間感じてなかったものです。それが背中から始まって頭のてっぺんまで一気に鳥肌が立つ勢いで凄い感覚です。

それから感じたのは、明らかに誰かが乗車している気配でした・・・。

とにかく、いつの間にどう曲がったのか?自覚は無いのに知らない道を走っているばかりか、周囲にはまったく車も人もいません。民家も見えない場所です。停まるどころの状態ではなく、とにかく走りました。もう、走るしかないって感じです。

1時間近くも廻り道をしていた!

とにかく走り続け、全身のゾッとする感じが強まる度に見えない誰かに拒否の言葉を発し続け、知らない人が見ていたら
(あの人誰と話してるんだろう?)
みたいな状況が20分近くあったと思います・・・。

そうこうしているうちにゾッとする感じがかなり消え、やっと見たことのある道路が広がって来たのですが、地名を見るとかなり北部の方へ来ていて驚愕しました。どうも、山一つ越えて大きく迂回していたようなんです。

対向車とも随分久しぶりですれ違いました。約20分ほど誰とも会わなかったのに、やっと他の車も走る道路に辿り着けたんです。
そのまま一気に自宅のある街へ向けて走りました。今度は途中で距離が延びることもなく、無事に到着出来たのです。

あの知らない山道へ迷い込む前の予定より、1時間近く遅れた到着でした。

自分が走っていた場所は・・・

帰宅し、遅くなった理由を夫に話していると意外な話を聞かされます。途中の看板で見た地名を覚えていたので話してみたところ、ある事件の遺体遺棄現場のすぐ近くに迷い込んでいたようです・・・。

それであの感覚の謎が解けました。勿論、事件で亡くなった方と関係しているかどうかは分かりません。うっかり迷った筆者にどなたかが用事があったのでしょうね、と考えています。たまたま通ったのでタクシー代わりに乗車したのかも知れません。

筆者はナビをしっかり使っている時でも、何故か辿り着けない場所があったり、そこへ近づくと全く違う方向へ連れて行かれてしまうことがあり、最近は一人の時には夜間は知らない道を車で走らないことにしています。
今回は必要に迫られて仕方無く行きましたが、やはり怖いとつくづく感じましたね。

不思議な経験は、毎回自分からしようと思ってそこへ行っているわけではありません。毎回偶然です。

しかし、時々そういう場所を好んで行く方も見受けられますが、面白半分で行ってはいけない場所があるということを考えて欲しいと筆者は思います。なので場所も特定出来そうなことは書いておりません。

まあ、でもやはり土地勘のない夜道は怖いですね。

この記事を書いたユーザー

石井ロージー このユーザーの他の記事を見る

音楽業界を経て、フリーのデザイナー兼ライターを生業にしております。ポジティブに解決したトラブルや実体験ネタを中心に書いています。8歳下の夫と愛犬の気ままな3人暮らし。音楽好きのゴシック好きの和服好き。オカルトも大好きでございます。好きな作家は芥川龍之介、詩人は中原中也☆

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