戦争とは、人の心にとてつもなく大きな傷跡を残すものです。Redditユーザーでであるルキアさん(Rukia8492)さんもその一人です。彼は9年間の軍隊勤務の間に、3回のアフガニスタンで戦場での軍務を行いました。しかし、2回目のアフガニスタンでの軍務中に恐ろしいヘリコプター事故を目撃してしまいます。その経験がきっかけで、その後、ルキアさんはずっと不安症に苦しむ事になってしまったのです。

そんなルキアさんと猫との出会いは、ルキアさんの奥さんがきっかけでした。2013年11月、ハワイで駐在の際にルキアさんは大きく損傷を受けた腱を固定する為、右足首の手術を受けて静養していました。そんな時、奥さんがたまたまFacebookで見つけた里親募集の猫を見て、すっかり気に入ってしまったのです。

「ねぇ、この子をうちの子にしてあげたいの。いいかしら?」と奥さんが尋ねると、ルキアさんは「もちろんさ!」と即答したのだそうです。

猫はキャミーユ・リンと名付けられました。人間が大好きだったキャミーユは、すぐにルキアさんの家にもすっかり馴染み、人も猫も新しい幸せな生活がスタートしました。

キャミーユを家族に迎えて1週間。ある日、突然にルキアさんを苦しめている不安症の発作がおこりました。ルキアさんはベッドに横たわると、なんとか発作を抑えようと努力しました。するとその時です。なんとなんとキャミーユがそっと、ルキアさんの体の上に乗ってきたのです。

そしてキャミーユは、そのままルキアさんの胸のあたりをギュッギュッと押し始めました。そっとそっと、繰り返しルキアさんの胸をギュッッギュッと押すキャミーユ。その優しいリズムと心地よいマッサージで、ルキアさんの心は安らぎ、発作が治まったのです。

その日からキャミーユは、まるでルキアさんを心配する様に体にぴったりと寄り添い、時には体にそっと乗り眠る様になりました。そして、とても多くの時間をルキアさんと共に過ごし始めたのです。まるで「一緒にいるから大丈夫」と伝えようとしている様に。

2014年6月にルキアさんは軍隊の仕事から解放されました。ハワイからフロリダへに戻る時にも、ずっとルキアさんに寄り添っていたというキャミーユ。飼い主のいない猫を引き取って助けたつもりだったルキアさん夫婦ですが、むしろ自分達がキャミーユに助けられていると感じる日々なのだそうです。

現在もルキアさんは不安症の治療を続けていますが、以前と大きく違うのが、今は自分の横にはキャミーユがいてくれるという事です。キャミーユの存在は、ルキアさんにとって大きな安心感と心の支えになってくれています。「これまでも、何度も発作が起きた時にキャミーユが助けてくれたんだ」

飼い主のいない可哀想な猫を引き取ったつもりが、自分達が助けられる結果になって感謝してもしきれないというルキアさん夫婦。今では、キャミーユにとっても、ルキアさん夫婦にとっても、お互いがなくてはならない存在になったといいます。

戦争によって負った心の傷を癒してくれるキャミーユ、飼い主がいない寂しい日々を終わりにしてくれたルキアさん、お互いにとって本当に幸せな出会だと感動してしまいます。そして、戦争も、飼い主のいない動物達の存在も、どちらも人間の負の部分から生まれる悲しい出来事。そんな悲しい出来事が少しでも少なくなる様な未来を願ってやみません。

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