チャリティ精神の厚い国イギリスに住む筆者は、市民の「利益を求めない慈善事業」にいつも尊敬の念を抱いています。ボランティアに励む人たちはいろんな形で貧困に苦しむ人々、アルコール依存症に悩む人たち、そして難民などのヘルプに全力を尽くしています。

全く知らない誰かのためにそこまでできるという精神は、是非誰しも見習うべきもの。でもそれは口にするほど簡単なことではないのです。自分の日常の時間を割き多くの人のヘルプに対応するには、自身の生活スタイルや精神も整っていないとかなり大変。

誰かをサポートすることを何年も続けている人たちには頭が上がりません。そしてこちらの女性もその一人。ブリストル在住のリンダ・グリーンランドさんは1997年にある土地を訪れたことがきっかけで、やり甲斐のあるライフワークを得たのです。

ホリデーで訪れた土地で運命が変わったリンダさん

出典 http://www.dailymail.co.uk

1997年に、夫のマイクさんとケニアのモンバサ近くにある村を初めて訪れたリンダさん(61歳)。観光目的で訪れた土地で、ある日木が倒れてきたことにより怪我をして意識不明の状態に。思わぬ事故で入院したリンダさんはやがて意識を取り戻しましたが、それと同時にまたも運悪くマラリアにかかってしまい、入院が3週間以上伸びるという結果に。

その間、リンダさんはここで何か自分ができることがないかと考えたのです。

モンバサはケニア東海岸で最も古い歴史ある街として知られています。イスラム教徒の住民が多く、アフリカ風というよりも中近東の香り漂うちょっと特徴のある街だといわれています。

アフリカ最大の湾岸都市として知られているモンバサから少し行くと貧困エリアの村があります。リンダさんが訪れる2年ほど前に、自然災害により村は崩壊し全く復興されていなかったのです。そこを訪れたリンダさんとマイクさんは、学校に行くことができない子供たちが日中ただ走り回っているだけの光景に衝撃を受けました。

当時、ケニアの教育は無料ではなくモンバサの2つの学校費用は相当高かったのです。ところが貧困エリアには孤児も多く、収入のない家族や親戚に育てられている子供たちが大多数だったために学校へ行くことができないという状況でした。

更にそのエリアでは、貧困が生み出した子供の売春、ドラッグ問題が蔓延。怪我をして入院した時に村人達はリンダさんに親身にしてくれました。その恩を何とかして返したいと考えた時に、「子供たちに教育を受けさせてあげたい」と思ったリンダさんは帰国後、チャリティ基金を設立し、寄付金を募り始めたのです。

17年間で1億6千万円以上の寄付金が

出典 http://www.majisafi.co.uk

貧しい村の小さな学校を綺麗に大きく建てなおし、900人という教育を受けられない子供たちの新しい学校を作りたいというリンダさんの願いは、多くの人の心を動かしました。17年という年月をかけて1億6千万円以上もの寄付金が集まりました。

初めて学校を建て替えたのは2001年。トイレも個別にあり今までの小屋とは全く違う現代の建物になりました。

新しく建て直された学校で子供たちが教育を受ける

出典 http://www.mirror.co.uk

貧困と失望しかなかった小さな村が、リンダさんや多くの人のヘルプで生まれ変わりました。今ではこの村で教育を受けることができる子供たちがいるだけでなく、医師や弁護士、会計士がいます。彼らはみな、リンダさんのヘルプで教育を受けることができた子供たちなのです。

教育が受けられれば仕事のチャンスもある

出典 http://www.mirror.co.uk

ケニアでは、「働かざる者食うべからず」と日本でも言われるように仕事がなく収入がない者は食事をすることができないのは当然だと考えられています。教育を受けることができない子供たちは将来仕事を見つけることができず、ますます困難な時代を生きて行かなければいけません。

そんな絶望の道を希望に導いたのがリンダさんのプロジェクトでした。今では多くの子供たちが教育を受けられるようになり、成長し仕事を見つけています。リンダさんにとってお世話になった村人たちの恩返しが成功できたことは何より嬉しいに違いありません。

「Maji Safi」で活動を行い続けるリンダさん

出典 http://www.mirror.co.uk

maji safiとはスワヒリ語で「クリーン・ウォーター(綺麗な水)」を意味するそう。このプロジェクトを立ち上げて実に17年。これまでの寄付金は1億6千万円以上になったとはいえ、正直ここ数年の寄付金の額がこれまでの半分に減っているそう。

ケニアの貧しい子供たちを救うにはまだまだサポートが必要だと話すリンダさん。自らのライフワークとしてご主人マイクさんと日々ケニアの子供たちのために寄付金を募っています。

親切にされたことを決して忘れず、恩返しに懸命のサポートをし続けるリンダさん。彼女の「ケニアの子供たちに教育を」という深い思いはきっと村の子供たちにも届いているはず。お互いの助け合いによって人の繋がりは深まり、そして新しく何かを生み出すこともできるのです。

リンダさんの功績は間違いなく称えられるべきものでしょう。でも褒めてもらうためにしているのではなく、誰かのためにしているのです。そして「決して見返りを求めない」。それが本当のチャリティ精神というものではないでしょうか。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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