今やセルフィーは当たり前のように私たち日常生活の中に入り込んでいます。いつでもどこでもセルフィー。セルフィースティックなる便利なアイテムも発売され、SNSではセルフィーを投稿する人がますます増えているという現状。

一方で、「セルフィーは危険な事故を招く」という注意喚起もあります。撮ることに夢中になってしまうために周りに注意を払わず、崖から落ちたり線路に出て電車に轢かれたり、高い場所から転落したりと事故が相次いでいます。

でも、一番怖いのはセルフィーの強迫観念に取りつかれること。イギリス、ニューカッスル在住のダニー・ボウマンさんが、異常なほどセルフィーにハマってしまったのは15歳の時。部屋でセルフィーばかり撮り続けることだけに興味を持ち、学校も中退。半年間部屋で引きこもり、更にセルフィー漬けの日々を過ごすように。

1日10時間、200枚ものセルフィーを撮り続けていた

出典 http://www.dailymail.co.uk

ダニーさんはiPhoneで毎日10時間をセルフィーに費やしていたそう。毎日撮る数、実に200枚。自分の容姿に強迫観念を抱き、上手く撮れない時には「死にたい」とさえ思ったと言います。

部屋に引きこもり、異常なほど自分の姿を撮り続けるダニーさんに両親がいくら注意しても逆ギレして怒ってばかりだったそう。元々、セルフィーが流行り出した頃のことでダニーさんがセルフィーをSNSに投稿し始めると、多くの反響があったというのです。

「完璧に撮りたいとばかり考えていました。」

出典 http://www.independent.co.uk

元々イケメンのダニーさんは、年頃というのもあって女の子から魅力的に見られたいという願望が当時は強かったと言います。そのため「いかに完璧な自分を撮るか」という強迫観念に縛られ、体重が10キロも落ち写真の撮影が上手く行かなかった時には自殺願望まで湧くといった精神的に追い詰められた日々を過ごしていたそうです。

薬の過剰摂取で自殺未遂を起こす

出典 http://www.buzzfeed.com

セルフィーに取りつかれてしまったダニーさんは、完璧さを求めすぎて悩み、薬の過剰摂取による自殺未遂を起こしてしまいました。友達も失い、学校も辞め、病的な引きこもりの生活。自分の人生なんてないと気付いた時に「このまま死にたくない」と思い直したそう。

セルフィーによって引き起こされる精神的ダメージは、薬物摂取やアルコール依存症に似ているとダニーさんは言います。「セルフィーを撮ってそれをSNSに投稿することが当たり前となっている世の中で、ハマり過ぎるとかなり危険だということに気付いている人は少ない」と自らの経験を語るダニーさん。

ダニーさんのようにセルフィーから自殺未遂に至ってしまう例は稀ですが、誰でもハマる可能性があるのは事実。ダニーさんは自分の経験を生かして、世間の人達に注意喚起をしています。

セラピーを受けて完治したダニーさん

出典 http://www.mirror.co.uk

自殺未遂をしてセルフィーの強迫観念に気付いたダニーさんは、医師の勧めの下セラピーに通い、携帯電話の常備も禁止されました。でもそれが功を奏して現在はセルフィーをしたいという気持ちが萎えたそう。

医師の診断では、ダニーさんは身体醜形障害(BDD)を患っていました。被害妄想により、自己価値が極端に低く常に身体的な美醜にこだわる病気です。自身のことを知る機会ができたダニーさんは、今セルフィーの危険性を訴えるためにチャリティ活動をしています。

今の世の中、スマホやパソコンは生活必需品と考える人がほとんどでしょう。そして文化と言っても過言ではないほど一般的になってしまったセルフィー。完璧なショットを求めて何度も何度も撮り直しを繰り返すという人は少なくないでしょう。その行為はなんの危険性もないように思えますが、実は自身をBDDへと導いているに他ならないのです。

ダニーさんのように強迫観念を持ってしまっている人が気付かずに日常を過ごしているのは危険だと訴えているダニーさん。誰にでも起こり得ることに自分自身がいち早く気付くことが大切。

今セルフィーを撮ることに夢中になっている人は、たまには携帯電話やカメラのレンズを見ずに、自身の目で世界を楽しんでみませんか。シャッターを押す瞬間に聞こえる鳥の鳴き声や水のせせらぎ、また、車の騒音といったごく普通の日常の「音」や「景色」に目を向けることが「生きている」と感じる一歩に繋がるのではないでしょうか。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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