記事提供:東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。先日ブログでご報告した都立入試「理科」における設問ミス疑惑について、本日責任者である教育長指導部の企画推進担当課長らと直接意見交換を致しました。

経緯はこちらから↓

都立高校の入試でまたも設問ミス?正しい答えが答えにならないけど、「中学生なら答えられる」って…

1時間超話し込んだのですが、彼らの主張をざっくりまとめると以下の通りです。

1. 良問ではないし、天文学的な正確性に欠けたことは認めるが、図3は「模倣図」であり「結果1から~」と明確に記載してあるため、いわゆる「受験のお作法」を知っている生徒であれば混乱しない問題である

2. ただし、指摘を受けてホームページにアップをした見解については、科学的な不正確さや設問そのものを揺るがしかねない見解であったと真摯に受け止めている。現在、こちらをどうするか対応を協議してところである

3. 一方で現時点でも、中学校関係者や生徒からの異議申し立ては一件もない。ほとんどの連絡は専門家、もしくは高校教諭からのもの。このことからも、問題としては成立したと判断し、採点調整は行わない

…まだまだ突っ込みどころは多々ありますが、天文学会などからの正式なクレームなども受け、先週時点に比べるとだいぶ態度が軟化している印象です。

細かい点をここで説明することは致しませんが、上記の1番の説明(結果1から~)という条件を優先するのであれば、「見解」のように図3に線を引いて正解を導き出そうとするのは自己矛盾だったわけですね。

それを無理やり正答「イ」に着地しようとさせたところから、様々な科学的矛盾が噴出し、今回のような騒動になったわけです。

この間違いの姿勢を認める方向性にあることは、とりあえずの一歩前進であると言えます。

ただ、そこに至るまでの考え方と現在の対応がいただけません。

なぜこのような見解と図をアップしたのか?との問いには、「不安になって確認しにくる多くの中学生たちを安心させるため、彼ら向けにわかりやすい図で説明しようとした結果、短絡的な説明になってしまった」とのことですが、これは恐らくウソです。

少なくとも、発言としては矛盾しています。

東京都教育委員会のホームページに中学生がアクセスしてくることは、まず考えられませんし、実際に「見解」に示された日本語も中学生向けとは思えません。

加えて教育庁自身が「中学校現場や当事者(あるいはその保護者)から、申し入れは一切なかった」と述べていることが確かなら、どうして拙速に「中学生向け」の説明をアップする必要があるのでしょうか?

これは報道により明るみに出た自分たちのミスを取り繕うために、慌てて見解をアップしようとした結果、この作成者が正確な科学的知識を持っておらず、意図的に簡易化したのではなく本当に「こうだ!」と思い込んで掲載に至った可能性が高いです。

まずは自分たちが稚拙な対応をした原因をしっかりと分析しなければ、再発防止に取り組むことはできません。ただまあ、ここまではあくまで私の主観もあるので、話を先に進めます。

もう一つ明確に看過してはいけないのは、今後の対応について曖昧な結論をゆるさないことです。

「間違いはお認めになったということで、現時点ではどのような対応をしているんですか?」「とりあえずトップページから外して、下の方に(見えづらいところに)移しました!」ってそれ、「臭いものには蓋」ってやつですから!!

間違いを認めたら迅速に謝罪・訂正をする…こんなことは民間企業における危機対応の常識です。

「なぜ早急な対応ができないんですか?ますます問題が大きくなりかねませんよ!」

「我々としても、一度公式に出した見解をそう簡単に変更できない部分がありまして…」

でたー、官僚の無謬性!!

「官僚(公務員)は間違いを侵さない=間違えてはいけない」

この日本独特の思想が、いかに公務員を「減点主義」に貶め、公共サービスの発展を阻害してきたかは、以前から述べている通りです。

参考なぜ政治・政策はゆっくり・少しずつしか変わることができないのか?‐官僚の無謬性神話‐

これは再発防止という観点からは、もっとも取っては行けない姿勢であることは言うまでもありません。

そして今回の出題ミス疑惑に関連してもう一つ、重大な提起をしておきます。実は東京都は2年前(平成26年)にも同じく理科の科目で出題ミスを犯し、全員に点を与える処置を行っています。

平成26年度東京都立高等学校入学者選抜学力検査(理科)の学力検査問題の誤り及び採点上の対応について

これは上記のリンク先には保存されておりますが、都立高校の「過去問」が掲載されているページには、本日現在の時点でミスにまったく言及がなく、正答にも「エ」と記載されています。

平成26年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答

(「理科」の大問3の3番を参照)

東京都は日本最大の自治体ですから、その問題傾向などは全国の公立学校や進学塾が研究しています。

こうした係争や誤りがあったことが風化され、科学的に間違った事実が基準となるのはあってはならないことで、ここについての懸念も多くの教育業界関係者から指摘されています。

ゆえに東京都教育庁・教育委員会のまずやるべきことは、

・「見解」が誤りであることを認め、原因とともにASAPで発表する

・過去問掲載の際には、こうした係争があったことをわかるように記載する

・2年前の出題ミスについても、過去問ページに説明書きを追加する

という点だと考えます。

もちろん公的機関のやることですから、過ち自体があってはならないことです。

しかしその考え方が行き過ぎると、前述の「官僚の無謬性」問題にたどり着きます。

「間違えたら、それを認めて謝り、やり直すことが大事だ」「失敗を恐れず、再チャレンジをしよう!」という指導・教育を行うべき関係機関が、このような頑なな態度を示すことは悪影響でしかないはずです。

上記の早急な対応を求めるとともに、正答率の調査や中学校長会の見解なども調査をしながら、採点ミスのやり直し対応については引き続き精査・提言を続けていきたいと思います。

ただし、現時点での対応と結論には到底納得できないものの、今日説明に来てくださった教育庁の担当者の方は非常に誠実かつ真摯に説明に努めようとして下さったことは、併せてここに付記しておくものです。

確かに高校指導の関係者の方々からは多くのご意見をいただいておりますが、中学校の関係者・当事者の方でご意見がある方がいらっしゃいましたら、ぜひとも私までお知らせいただけますと幸いです。

それでは、また明日。

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