記事提供:バズプラスニュース

ガン治療の特効薬として期待されている、革命的な薬「ニボルマブ」(オプジーボ)。

いままでの抗ガン薬と異なる「まったく新しい作用」でガン治療にアプローチする薬で、日本赤十字社医療センター化学療法科部長の國頭英夫氏も、その可能性に対して大きな期待を寄せているようだ。

・約3500万円もの医療費が必要

ガンで亡くなる人が多い日本において、「ニボルマブ」の登場は医療に革命をもたらすと言っても過言ではないだろう。

しかし、ひとつだけ大きな問題が生まれている。あまりにも薬価が高額すぎるのだ。保険を無視して定価で計算した場合、「ニボルマブ」を1年間使用すると約3500万円もの医療費が必要となる。

・5%以下の自己負担で使用可能

3500万円…。とんでもなく巨額だ。いくらガン治療の特効薬とはいえ、それだけの費用を払える人はほとんどいまい。

しかし、日本には国民健康保険や社会保険などの保険制度と、高額療養費制度がある。その制度を使用することにより、3500万円の5%以下の自己負担で「ニボルマブ」が使用できるという。

・効果が期待できるガン治療ならば

3500万円の5%ということは、単純計算で年間175万円の自己負担で「ニボルマブ」が使用できることになる。國頭氏によると、実質の負担額は130万円ほどだという。もともとが3500万円という金額を考えれば、130~175万円でも高額なのは間違いない。

しかし、それで効果が期待できるガン治療をすることができるならば、その「ニボルマブ」を治療薬の選択として選ぶ医師や患者は多くなるだろう。

・残額は国民が負担する

しかし、忘れてはならないのが「3500万円の95%はだれが負担するの?」という点だ。

皆さんご存じのとおり、健康保険や高額療養費制度から出される医療費は、国民が負担することになる。國頭氏は「年間3500万円×3人のトータル1億円を超すコスト」と語っている。以下は、医学書院に掲載された、國頭氏のコメントである。

・國頭英夫氏のコメント

「総額を考えると、事の大きさに愕然とします。日本の非小細胞肺がん患者を年間10万人と推定します。早期がんなどを除き、ニボルマブの対象になる人は5万人程度はいるでしょう。

皆に1年間投与すれば、その合計額は1兆7500億円です。現在の日本の医療費は約40兆円で、薬剤費は約10兆円ですよ?もとがこれだけのところにいきなり年間2兆円弱の負担が増すなんて、どう考えたって無理がある」

「薬価を下げることは現実問題として難しいでしょう。新薬の開発には加速度的に膨大な費用がかかるようですし、「成功した薬剤」で開発コストを回収しなければ製薬企業の商売だって成り立たない。

まあ、それを考慮してもニボルマブは高すぎだと思いますが。

でも事実、薬価を仮に半分にできたところで、破綻は避けられません。薬価高騰はそんなレベルを超えてしまった。そして、その大本には「医学の進歩」があるわけです」

・年間ニボルマブ費用データ

ニボルマブ総額 3500万円
ニボルマブ患者負担額 130万円
ニボルマブ国民負担額 3370万円

・日本の年間医療費用データ

医療費 40兆円
薬剤費 10兆円

想定:ニボルマブ(5万人)1兆7500億円

・さまざまな問題が山積み

特効薬の薬価が高すぎる、使用する患者が増えれば増えるほど国民の負担が厳しくなる、新薬開発コストを考えるとすぐ薬価を下げることはできない。

さまざまな問題が山積みの「ニボルマブ」だが、今後、薬価に動きが出るかどうか、注目していく必要がありそうだ。

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