「Human Library(ヒューマン・ライブラリー)」という言葉を聞いたことがありますか?

障がい者や社会的マイノリティを抱える人に対する偏見を減らすために、直接彼らから話を聞くことができ、自身の考えや社会の問題を今一度見つめなおす機会を与えられるという非常に画期的で貴重なイベントは、2000年のデンマークで行われたのがきっかけとなり、今では各地でイベントが行われるようになっています。

誰を借りるかはあなた次第

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普段、本を手にした時に表紙だけでは全てを判断したりはしないでしょう。中身を読んでみないと何が書かれてあるか、内容の全貌は見えては来ない…。このヒューマン・ライブラリーも同じ。

「人を本に見立てて貸し出す図書館」という言葉通りの意味の奥には「人を偏見で判断しないで、その人の話を聞いてみよう」という1冊の本を読む以上に価値ある経験をすることができる社会交流も含まれています。そしてこのイベントは、今や世界60カ国以上で行われているほど話題になっているのです。

まずはイベント会場にて、貸出したい人を選ぶ

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2015年にデンマークで行われたイベントでは、このように受付で貸し出して話を聞きたい人をカタログから選ぶことができます。普段から興味があること、もしくは今まで聞きたくても話を聞く機会がなかった人達から貴重な体験談を聞けるチャンス。

登録者は「イラクで戦った元兵士」や「孤児院で育った子供」「性転換した人」「難民」「ユダヤ人虐殺の生存者の子供」「薬物依存症の回復者」「肥満の人の人生」などなど様々。更には売春婦や政治家、葬儀会社社長などの貴重な話も聞くことができるそう。

30分間、マンツーマンで話を聞くことができる

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イベント会場では「この人の話を聞きたい」と思ったら貸出カードを借り、本人の話を30分聞くことができるそう。話を聞くだけでなく体験者に質問もできるというからまさに社会交流の場としてはこれ以上ないほど。

本来は「暴力廃絶」を目的としていた

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社会では、マイノリティに生きる人たちへの偏見が暴力を生むことは日常茶飯事。そんな偏見と暴力を廃絶するための目的で生まれた「ヒューマン・ライブラリー」では、普段聞きにくいことを聞いても答えてくれるケースが多いとか。

この貴重なイベントに参加することによって、自分の中で常識化してしまっていた出来事も簡単に覆ってしまうかも知れません。本を読むよりも本人の口からの体験談は価値あるものというだけではなく、お互いの理解を深め社会的軋轢を減らすという意味でも大切なことではないでしょうか。

日本でもイベントが各地で開催されている

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このヒューマン・ライブラリーは、今やヨーロッパ各地でも話題になっていて、日本でも駒沢大学や明治大学などが主催するイベントが開かれているそう。また、Human Libraryのサイトには「自分自身の中にベストセラーを抱えていると思う人はどうぞ登録してください。」と登録者も募っています。

ある人の人生を知るだけでなく人と人との繋がりも深める

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本の代わりに人を貸し出すヒューマン・ライブラリーは、今社会での人間関係が希薄になっている現代に暮らす私たちにとっては非常に大切なイベントだと筆者は思います。誰かの人生を直接知ることができるというだけでなく、人と人との繋がりも深めることができる貴重な社交の場だからです。

普段、あなたが触れ合うことのない人や世界に興味を持っているなら是非、ヒューマン・ライブラリーに参加してみてください。筆者もイギリスでイベントがあれば是非参加するつもりです!

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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