アメリカ経済を支える重要な労働力

トランプ氏の発言どうり、メキシコからのすべての不法移民を追い出したら、アメリカの経済は成り立たなくなってしまうでしょう。

もし、まかり間違って彼が米大統領になって暴言どおりの政策をとった場合、アメリカのカーウォッシュから働く人々はいなくなるし、レストランでも一部のシェフや給仕人、バスボーイ&バスガール、皿洗いをする人たちがの大多数が消えてしまうし、農業や工事現場でも、深刻な人手不足となってしまい、 芝刈り労働者もいなくなってしまうことでしょう。

それらの仕事は賃金がとにかく安く、重労働な仕事となっています。そのような仕事に米国人たちが好んで仕事につくかといえば、これはかなりの疑問です。そのような仕事は殆どがメキシコからの不法移民と呼ばれる人たちが、法律で定められた最低賃金をはるかに下回る時給で、文句も言わずにまじめに行っているのが現実なのです。彼らの多くは(一部例外もあります)母国の家族たちに仕送りをするために一生懸命働き、とてもまじめで、人が嫌がる仕事をあえてやっているのです。このアメリカの経済の土台を支えているのは、 大げさにいったら、それは彼らの労働力なんだと私は思っています。

日雇い労働者の集合場所にはいつも彼らしかいません

私が住んでいた隣町に、日雇い労働者たちが日々、建設業の仕事を求めて朝、集合する場所がありました。何十人と毎日、仕事を求めてそこに集まってきます。その殆どがメキシコからの不法労働者で、明らかに米国人だとわかるような人はいませんでした。

つまり、彼らがもしもメキシコに強制送還されたなら、これまで安い賃金で日雇労働を雇っていた事業主は、人手不足に陥ってしまうのです。労働者がいなければ工事はできません。

今でもそこに米国人が仕事を求めて集まってきてもいいわけです。誰でも自由なんですから。でも、米国人たちは、そんな安い賃金での重労働を求める人なんていないのです。

彼らを失ったら穴埋めは誰がやるのか?

もしも、彼らがいなくなったら、米国人あるいは正規の労働ビザを持っている人たちを雇うしかなくなります。そうなると当然雇用側は、法律で定めた最低賃金を支払わなければいけなくなります。それは、今までの数倍の人件費がかかることになりますから、首が回らなくなる事業者もたくさん出てくることでしょう。

メキシコからの不法移民の数は推定で約1,100万人と言われています。トランプ氏はそのすべてを強制送還させると発言しているのです。そんな大多数の労働力の穴埋めと雇用側の人件費を彼は果たして考えているのでしょうか?

米国の失業率がそれで解決するとは、とても思えないのです。メキシコからの不法移民がいなくなれば、米国人が彼らがやっていた仕事をやり始める?そんなに単純な問題ではないのです。米国人がメキシコの不法移民たちと同じ条件で、働き始めるわけがないじゃないですか。。

不法移民救済措置でのオバマ政権の”大統領令”に対して共和党が反発

オバマ政権は、彼らが貴重なアメリカの労働力になっていることを十分に理解しています。オバマ大統領は、移民制度改革をなんとかやろうとがんばっています。不法移民に対して、2014年秋にオバマ大統領は一定の条件を満たす人について滞在を認める”大統領令”を発表しました。これに対して、共和党の州知事などが猛反発しました。

不法移民に運転免許証の取得を認めたカリフォルニア州

今や不法移民はアメリカ経済を支える重要な労働力となっている。全米最多の不法移民を抱えるカリフォルニア州は、今月から異例の措置に踏み切った。不法移民に運転免許証の取得を認めたのだ。背景には、不法移民の間で無免許運転が横行し事故やトラブルが絶えない実態がある。この措置に歓迎の声が上がる一方で、不法移民に権利を与えることへの反発も小さくない。

出典 http://www.nhk.or.jp

2015年1月22日のNHKオンラインの記事の一部です。

トランプ氏は共和党の代表としては、ある意味ではふさわしい?!

アメリカは、もともと移民の国です。 現在、米市民になっている人たちは、もともとネイティブのインディオを除けば全員移民だったわけです。 最初の移民はネィティブにとっては侵略者だったわけです。 力ずくで、このアメリカの大地をのっとったわけです。なのに、ずっと後から来た移民に対しては、こうして厳しい処置を講じようとする共和党。自分たちの祖先は肯定して、後から来た者たちにはそれを断固として拒否する。オバマ政権での新移民法に猛反対しているのは、その殆どが共和党の議員の方たちです。

そんな共和党の議員たちすらも、発言を控えていた暴言をメキシコからの不法滞在者たちに浴びせ続けているのが、今回の大統領選で共和党立候補者のトップを走っているトランプ氏なのです。共和党の中には、このトランプ氏の暴走をなんとか食い止めようとする動きもあると言われてますが、共和党にとって、これほどなんでもダイレクトに発言できるトランプ氏はある意味共和党の代表者としてはふさわしいのかもしれません。

ですが、米国大統領となると、話は違ってきます。トランプ氏は共和党を皮肉ったようなエンターテイメントとしては面白いのですが、大統領選でここまで出てきてよい人物ではないでしょう。

オバマ政権が重要政策課題の1つとする移民制度改革問題に関する最新世論調査結果を発表し、米国民の72%が一定の条件を満たせば違法滞在する移民に居住権や市民権を認めることを支持したと報告した。

出典 http://www.cnn.co.jp

これは2013年2月7日のCNNの記事で、少し古いものですが、今でも米国民がこのような常識的な判断をしてくれていると信じたいものです。現実問題、アメリカでは、彼らはとても重要な労働力となっているのですから。

アメリカは本当に大丈夫なのか?!

もしも、まかり間違って、共和党の代表候補がトランプ氏になり、大統領の座を勝ち取ったとしたら、アメリカは「自由の国」とは程遠い、民主国家とは名ばかりの国になっていくんではないかという恐怖があります。

かつてドイツでは、多くの国民たちが強いカリスマ性を持ったヒトラーを支持して、国のトップの権限を与えてしまったのです。結果、罪のないユダヤの人々の大量虐殺が起きました。間違ったトップを選ぶと、このようにとんでもない独裁政権になりかねないのです。世界一の大国と言われている米国がもしもそのようなことになったら、本当に世界の終末を迎えてしまうかもしれません。

米国市民たちが今回の米大統領選において、最終的には冷静に判断できることを願うばかりです。

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さくらまい (Mai Sakura) このユーザーの他の記事を見る

最後まで読んでいただきありがとうございました。
日本生まれですが、米国に30年間住んでいた米国籍のライターです。2014年に家族で日本に移住してきました。どうぞよろしくお願いします。
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