記事提供:カラパイア

燃え盛る炎の中から子犬を助け出した消防士がいる。運命的出会いを遂げた両者だが、その後彼はもう一度、この子犬を救うこととなる。

ジェイクと名付けられたピットブルの子犬は、火事で危うく命を落とすところだったが、消防士により救い出されなんとか一命をとりとめた。すぐに動物病院に運ばれ、治療を受けていたのだが、飼い主が経済的な事情からジェイクを手放すことになってしまった。

それを聞いた消防士は、ジェイクと今後の運命を共にすることを決意した。

昨年4月、米サウスカロライナ州ハナハンの消防署で働いているビル・リンドラーが勤務を終え家に帰ってきたときのことだった。ビルは、近所の家のガレージが炎に包まれているのを目にし、即座に現場に直行した。

ビルが現場で見たのは、母犬と一緒に逃げ惑う子犬たちだった。

「母犬が数匹の子犬と一緒に逃げ回っていました。そのうちの子犬1匹が逃げようとしたところ、天井が抜け落ち彼の上に落ちたのです。子犬はキャンキャンと鳴きながら、必死に部屋の隅に行くと小さく縮こまってしまいました」

救助機動部隊が現場に着くと、ビルは迷わず燃えている家の中に飛び込み、ソファーの下に横たわり、死の淵にいた子犬のジェイクを助け出した。

「私はなんとかジェイクを外に連れ出しましたが、ジェイクはまったく動かず、息もしていない状態でした。彼の呼吸が確認できるまでなんども人工呼吸を施しました」

ジェイクはひどい火傷を負っていたが、なんとか一命を取りとめ、すぐに動物病院に運ばれた。数週間後、ジェイクの様子を見るために動物病院に立ち寄ったビルは、ジェイクの飼い主たちがジェイクを手放すことになったと知る。

火事にあった飼い主たちは、ジェイクの治療にかかった高額な医療費をまかなうことができなかったのだ。

そしてビルは再びジェイクを救おうと決意したという。

「獣医にジェイクを引き取りたいと伝えました。病院でかかった費用も知りたいと。獣医は、炎の中から彼を助けたのは私だし、私が引き取るのが一番最適だろうと言いました。そして、医療費に関しては心配しなくていい、と言ってくれたのです」

ジェイクは体の70%以上に火傷を負っていたため、回復には数週間かかった。その間もビルはこの子犬がひとりで苦しまないようにと、できるだけそばにいて看病した。

そのかいあって、ジェイクの体は徐々に回復し元気になった。やがて、ビルはジェイクを職場に連れて行くようになった。

消防署はジェイクにとってピッタリの場所だった。

「ジェイクはみんなのアイドルでした。こんな可愛い存在は今までこの署にいませんでしたからね」

それからジェイクの大活躍が始まるのだ。

消防署では、ジェイクのいる光景が日常となった。

ビルの奥さんは古い消防服でジェイクのユニフォームまで作った。まるで本物の消防士みたいだ。

ジェイクは健康になって、地域コミュニティーにもその活躍の場を広げた。地域の学校の火災防止プログラムの一環でジェイクを連れて行ったら、大成功でした」

ジェイクの一番重要な役目は消防署の癒し担当だった。ジェイクのことが大好きな消防士の仲間は彼のために専用のベッドまで作ってくれた。でもジェイクのお気に入りの場所は専用ベッドではなく、ほかにある。

「ジェイクはまだパパ(ビル)のベッドに横たわるのが好きなんだ」

緊急出動した消防隊員たちが帰ってくるとジェイクがみんなを待っている。

ジェイクの癒し効果で、消防士たちの士気も鼓舞され、ジェイクはかけがえのない存在となっていった。署にとって大切な役割を果たしてきたジェイクは、その成果が認められついに公式なポジションに就くことになったという。

昨年12月、彼が奉仕する地域コミュニティーからジェイクに正式な肩書きが与えられた。

「上司や、市の役員にジェイクのことを話したら、ジェイクを名誉消防士として就任させようという話になり、今やジェイクは正式な消防署のマスコット犬となりました」

“私、消防犬のジェイクは、ハンナン市消防署のマスコットとして、子供たちに笑顔を運び、火の恐ろしさや、緊急事態の対処法などを学んでもらうべく、全力を尽くすことをここに誓います。

また、ハンナン消防署の活動内容の理解を高めることに貢献いたします。子供たちが安全に暮らせるよう頑張りたいと思います。”

こうして正式にマスコット犬として就任したジェイクだが、肩書きがない時からすでにマスコット犬として大活躍していたので、ジェイクの日々の生活自体はなんら変わりがない。

「ゆくゆくは、火災にあった子供たちを癒すセラピー犬になって欲しいと思っています。

火事での悲惨な体験から立ち直ったジェイクを見て、子供たちが勇気づけられるような存在に。火傷の傷跡が残ってようと、彼らはみんな美しいのですから。とりあえず今は、放火探知犬としてのトレーニングを積んでいるところです」

将来はどうなるか分からないが、ジェイクには過去の火事の傷跡が今でも残っているし、生涯消えることはない。それでも、その傷跡はジェイクが火事を生き延び回復したという強さの証である。

「ジェイクは今、とてもしあわせで健康です。そして、私はそんな彼がとても誇らしいです。時々、傷跡について聞かれることもありますが、そんな時はジェイクの過去を話してあげます。傷跡はジェイクの消防士としての勲章だとね」

出典:facebook

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