ヨーロッパではまだまだ難民問題が続いています。今、ギリシャで多くの難民・移民が足止めされているのをご存知でしょうか。去年からヨーロッパでは推定以上の難民を受け入れてきたために、どの国も今やパンク状態。

先月末に国境強化が規制されたこともあり、ヨーロッパ北部を目指して流れて来た移民や難民の人々の約3万人が、ギリシャに足止めになっているという現状です。寛容な難民受け入れをしてきたヨーロッパ自身が招いた混乱により、今もまだ1万4千人ほどの人々がキャンプ暮らしを強いられているという状態なのです。

ギリシャとマケドニアの国境でキャンプする難民・移民

出典 http://www.huffingtonpost.com

元々経済破綻をしていたギリシャでは、もうこれ以上難民・移民を受け入れることは不可能な状態になっています。社会的にも経済的にも危機に瀕しているギリシャの国境を越えてマケドニアに入国できた難民はわずか。

というのも、今このキャンプに留まっている人のほとんどはアフガニスタンからの移民だと言われています。紛争が続いていて危険な状態であるシリアやイラクからの難民を優先的に受け入れたものの、経済移民として流れてくるアフガニスタンの人々までは正直、受け入れるだけの力がないとギリシャ側は訴えています。

テント生活を強いられる移民たちはデモを繰り返す

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狭いテントで一家が何日も暮らさなければならない状態は、衛生的にも決していいものではありません。食糧不足も相まって人々は一刻も早く国境を通り抜けたいと日々デモを行っている様子。

「国境を開けてください」

出典 http://www.telegraph.co.uk

「Open the border(国境を開けてください)」大人と共にメッセージが書かれた紙を持ってデモに参加する子供たち。

国境を彷徨う家族たち

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車椅子の女性が家族に押されてギリシャーマケドニア間を彷徨います。彼らに安住の地が与えられることはあるのでしょうか。

障がいを持つ子供を抱きかかえて訴える母

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マケドニアに入国したいと国境で並ぶ母の腕には、障がいを抱えた子供が。毎日、入国できる人はわずか。2016年になって13万人以上の難民・移民がヨーロッパに流れてきました。そのうちの12万人がギリシャから来たと言われています。

国境に立つ幼児

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支援により赤ちゃんや幼児にはミルクの差し入れがあるのですが、食糧&スタッフ不足のためになかなか満足な食事もできない人たちがテントでの生活を強いられています。この子供はミルクが届けられるのを国境で待っているのでしょうか。

今年に入って既に数百人が行方不明&命を落としている

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今年に入って旅の途中で行方不明になったり、病気になったりして命を落としている人が既に数百人以上にのぼっていると言われています。子供たちは不衛生な環境で下痢や病気になり何百人もの子供が治療が必要な状態に。一日も早くこの問題を解決しなければ犠牲者が増えるばかりです。

キャンプ先で出産した女性も

出典 http://metro.co.uk

先日、イギリスのメディアで拡散された一枚の写真。テント内で出産したばかりの女性が新生児を水溜りのところで洗っています。ペットボトルの水をかけているとはいえ、このような環境で生まれた新生児はすぐに感染症などを引き起こしてしまうのではないかと懸念されるような衝撃的な写真です。

激しい雨に見舞われたキャンプ場

出典 http://metro.co.uk

数日間激しい雨に見舞われたキャンプ場では、寒さの中大勢の難民たちが寄り添って生活しています。

今、最も危機に瀕しているギリシャにとっても、そしてギリシャで足止めをされている難民たちにとっても、このままの状態がいいとは誰も思っていないはず。ところが国や人々が互いにデスパレートな状況に陥っているために解決策が全く出てこないというのが現状となっているのです。

毎日大勢の人が国境通過を求めて旅をしている

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新しい国境規制が敷かれマケドニアに入国することがますます困難になった今でも、毎日大勢の人が国境通過を求めて旅を続けています。難民のうち38%が子供、22%が女性と言われています。

家族で国境を越えたいと願う人たちの中には、密入国業者になけなしの金銭をはたいてしまう人たちもいるようで、国連では注意を呼び掛けています。それでも人々は「ここから私たちを連れだしてほしい」と日々願っているのです。

今ある状況から抜け出せば、彼らに幸せが訪れるのかというとそのような保証はどこにもありません。でも、少なくとも国境で生活や出産を強いられるよりははるかにマシでしょう。こんな風に多くの難民が犠牲になる原因は愚かな内戦や紛争、政治に対する反発を繰り広げる大人たちがいるから。

生まれ育った愛すべき母国から背を向けて逃げ出さなければならない人たちの辛さは、恐らく想像を絶するものでしょう。日々対応に追われているヨーロッパですが、国境で足止めされている人たちが一日も早く救われることを願ってやみません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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