記事提供:長谷川豊 公式ブログ

※本記事は2016310日の記事を転載しています。

本日23時からの生放送。私の公式チャンネル

「激論!長谷川豊の本気論、本音論TV」by長谷川豊公式チャンネル

ですが、テーマを少しだけ変更します。前回のコラムに「教育」をテーマに切り込もう、と記しましたが、最近のテレビ・ネット上の報道に余りの違和感を感じます。今日は「メディアリテラシー」に変えます!

待機児童の問題。

余りに度を越した一方的な報道が目立ちます。しかも、去年の安保法案に匹敵する報道内容の質の低さです。

「待機児童の問題はみんなで考えなければいけない問題で…」
「これだけ切実に思ってらっしゃる人がいるのですよね…」
「保育士さんのお給料が安すぎて…」
「ノルウェーの例などでは…」

いい加減にしてほしい。あまりに度を越して一方的な報道が過ぎます。

本当に困っている人たちに便乗して「困ったふり」をする人間が多すぎる

繰り返し私が主張していることですが…「人口過密地域」に住む以上、公的な行政サービスが手薄になることは世界の常識です。

しかし、公的な行政サービスはそもそも生活に困窮している方々に対してあてがわれるものであって、次々と名乗りを上げている

「私も保育園落ちました」

とこれを機に便乗しているタレントさんや有名弁護士さん、さらには年収3000万円を楽に超えている国会議員までいますが…そんな人たちに使えるサービスでないことは当然のことです。

私は東京のお台場のテレビ局に勤めていましたが、子供を嫁さんのお腹に授かった時に、迷わずに都内から引っ越しました。

私の年収は当時すでに1100万円を超えていましたし、嫁さんは専業主婦で納得はしてくれていましたが、もし仮に後々

「一度社会に出てみたい」

と言い出す可能性も一切ないわけではありません。そこで都内近郊で調べた結果、今私が住んでいる千葉の家を探しました。

まだネットなどが今よりもずっと発達していない時期でしたが、現場まで足を運んだり、各地に電話をかけたりして、無認可でも24時間体制で子供を預かってくれる保育園が近くにあることが分かったからです。

結果、うちの嫁さんは今でも専業主婦ですが、まだ子供が小さい時などは、二人で遊びに行く時など、気軽に利用し気分転換をしてもらうのに本当に役に立ちました。

お台場までずいぶん遠くなかったかって?

はい。遠いですね。飲みにはほぼ行けない場所でした。終電を逃すと、タクシーは1万6000円かかります。通勤も大変と言えるでしょう。

でも、それは当然のことだと考えていました。子供が生まれる以上、最優先は子供。そして私を支えてくれる嫁さんだと思っていたからです。

特に初めての子育てをする嫁さんが「いかに育てやすいか」を調べるのは旦那として当然のことだと考えていました。

当時私は25歳でしたが、今の価値観と何も変わりません。この価値観は両親から受け継いだ価値観なのでしょう。

保育園の待機児童問題は、その全体の80%以上が東京都内に集中している問題です。ワースト2位の沖縄県はニュースでもほとんど取り上げられません。

要は全国放送のテレビを使って…ほとんど「東京だけ」の問題をあそこまで繰り返し報道し続け、まるで、

対応していない国が悪い、政府が悪いと去年の安保法案と同じ大合唱なのですが…私はどんなに世間がこのような報道一色であっても持論を変えられません。

子供が生まれるにもかかわらず…やっぱり杉並に住みたい~世田谷に住みたい~~目黒区でしょ~~と、自分のあこがれの土地に住むことを優先させたはずです。

そしてそれらの地域は(私が千葉に引っ越した16年前とは比べ物にならないほど簡単に)「保育園はほとんど使えませんよ」という情報が、十分に手に入った土地のはずです。

中には旦那もそれなりの年収があり、近くに預かってくれるご両親がいたり…先ほども記したように年収3000万円を超える国会議員やそれ以上の年収を稼ぐタレントさんまで便乗する始末です。

この問題は「本当に困っている方々」と「実は自分が甘えているだけの人」をちゃんと切り離して考えるべきです。

でなければ、私のように「子供のために」と遠くに引っ越し、長い時間をかけて通勤していたの人間が「バカ」にされた気がするのです。

私は政府に対して文句を言ったことはありませんでした。与えられた環境を十分に調べて、その上でベストを選ぶべきだと考えたからです。

保育士さんのお給料は世界中で「低い」

保育士さんのお給料も「低い・低い」と大合唱です。私も実は同じように考えていますが、では保育士さんのお給料だけを上げればいいのでしょうか?

私の祖父は先日49日法要を終えましたが、祖父がお世話になっていたような介護施設の介護士さんたちは無視してもいいのでしょうか?

懸命に働き、おしっこもうんちにもまみれながら、体の大きな祖父をずっと笑顔で介護し続けてくれた介護士さんの待遇は無視して、保育士さんだけのお給料を上げれば済む話だとは私には到底思えないのです。

ちなみに、日本の保育士さんたちのお給料は世界平均で見ても決して低いものではありません。私が取材してきたニューヨークでは保育士さんたちの平均給与は月に1400~1600ドル。15~18万円ほどでした。

日本よりもはるかに少ない金額であることが分かるでしょう。私も保育士さんのお給料が高いと思うか?と聞かれると当然「それは低いと思う」と答えます。

しかし、世界基準で考えて、これは…安倍政権の責任なのでしょうか?行政が怠慢だったからお給料が低いのでしょうか?だとしたら世界中が怠慢なのでしょうか?

この問題は「保育士さんたちの賃金が安すぎる」という話と同時に「では低賃金は保育士さんたちだけなのか?」「保育士さんたちだけを救えばいいのか?」という話も同時にしなければ不公平な話なのです。

「ノルウェー」を例に挙げる方々は本当にそんな国にしたいのか?

この図をご覧ください。「ノルウェーの例ですと…」と話し始めるテレビのコメンテーターが多数います。ちょっと待ってほしいのです。

この話も今日の生放送でしようと思っているのですが、皆さんは「租税率(そぜいりつ)」ってご存知でしょうか?

分かりやすい言葉で言いますと「国民負担率」と言い換えられることもあるのですが、要は「収入のうちのいくらくらい負担しているんでしょう?」っていう数字だと思ってください。

こちらの票にあるように、日本は収入の23.2%が「税金」として持っていかれています。これを「租税負担率」って言います。そして、日本人はこのほかに17.4%の「社会保障費」を支払っています。

合計すると…日本人は収入のうちの40.6%を国に取られているって計算になりますね。もちろんこれは、収入の多い世帯はもっと大きく、収入の少ない世帯はもっと少ない率となります。

と、いう訳で平均すると、月収30万円の人は大体12万円を取られて18万円が手元に残ってるわけです。皆さんはその18万円のお金で生活しているんですね。

ではノルウェー、ノルウェーって言いますけれど…ノルウェーって国民の総負担率、何%だと思ってらっしゃるんでしょうか?53.8%です。

要は、月収30万円の人の場合、半分以上国に持っていかれて手元に残るのは13万8000円ほどです。

皆さん、そんな国にしたいんでしょうか?30万稼いでも13万円台しか手元に残らずに、どんな生活をされるんでしょうか?

去年の安保法案の時もそうだったんですけれど「じゃあどうするんでしょうか?」という「対案」が…あまりにもおざなりにされている気がしてなりません。

社会保障を受けるのであれば、そこにはお金が必要になります。保育園や出産手当の増額を求めるテレビコメンテーターにも言いたい。

皆さんのあこがれは言うまでもなくおフランスであることは明白なのですが…フランスの国民負担率って65.7%です。

30万円の収入があったとしましょう。そのお金の中の…10万2900千円しか残らないんです。10万円でどうやって生活するんです?

社会保障は確かにすごいと思います。2人目の子供を産んでも3人目の子供を産んでも、年金が増額されるかもしれないですが、その前に年金受給年齢になるまで生活できるのか?

余りにも稚拙で理想論ばかりを言い過ぎだと感じているのは私だけなのでしょうか?

どうしてこんな稚拙で幼稚な報道ばかりになってしまっているんでしょうか。どうして、そんなレベルの放送に反論が起きてこないんでしょうか?日本を取り巻くメディア環境の正体を少しずつでも語っていければと思います。

今晩の放送が皆さんのお役に立てるように準備しておきます。

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