主に日本の芸能人などの間では、子供に米国籍を得るために、わざわざ渡米して出産するというのがブームになっていると聞いたことがあります。また、一般人の方たちの中でも、子供に米国籍があるとなんか得するような感覚があり、渡米して出産されるケースも実際あるようです。

確かに、米国で出産した子供には無条件で米国籍が与えられますが、当然ながら、それは同時に米国の法律に従わなくてはいけないという義務ができることになります。子供にとって、それはけしてよいことばかりではないということを分かったうえでの親の判断なのでしょうか?

二重国籍になった子供

私の息子もそうですが、日本と米国の二重国籍になった子供には、いろんな面で面倒な手続きと義務が一生ついてまわります。

日本では二重国籍は認められていません。なので、成人したら、日本か米国かどちらかの国籍の選択を日本政府に宣言する義務があります。

また、米国では二重国籍について、はっきりと認めているわけではないですが、生まれながらの二重国籍者については、特に言及はしておりません。

これはどういうことかといえば、例えば成人して日本国籍を選択したとしても、それは日本政府に対してのみの選択であって、米国政府にとっては、何も変わらないことになります。つまり、たとえ日本政府に日本国籍を選択すると宣言しても、米国籍は除籍されないということなので、米国政府からみれば、二重国籍のままだということになるのです。

正式に単一国籍になるには、日本の役所にて日本国籍を選択した後、米国大使館にて米国籍の離脱届を宣言して米国大使に受理してもらわなければなりません。

米国籍のままでいると世界中どこにいても米国に年収申請の義務がある

成人してから米国籍のままでいる場合は、世界中どこにいても、どこで働いていても、毎年、米国に収入報告をする義務があります。もちろん、日本国籍を選択している場合でも、米国籍の離脱をまだ米国大使に受理されていない場合は、この義務があるのです。

日本で生活していても、毎年、米国のインカムタックスリターンの申請をする義務があるのです。さらに日本での銀行口座が一瞬でも1万ドルを超えた場合は、これも米国政府に報告する義務があるのです。

つまり、二重国籍の子供は成人して働き始めた場合は、日本と米国の2つの国で確定申告をする義務があるのです。

アメリカの徴兵制度に登録する義務もある

さらに男子の場合は、18歳の時点でセレクティブ・サービス(SSS)軍隊徴兵制(義務兵役)に登録する義務があります。男性は18歳になってから60日以内にSSSに登録しなければなりません。これは26歳になるまで続きます。私の息子もこの制度に登録しています。

ただし、この制度への登録義務は、18歳~25歳の間にアメリカに住んでいることが条件なので、その年齢の時にアメリカに住んでいなければ、登録の義務はなかったと思います。

ただ、この制度がアメリカにはあるということを知らず、もし二重国籍の男の子がその年齢に留学などでアメリカに住み始めたら、絶対に登録する義務が出てくるので、後々、知らなかったでは済まされない問題となります。

この制度に登録していなかった場合は、将来的にアメリカ社会で働こうとした場合に大変不利な扱いを受けてしまうことになります。

この制度への登録義務は、米国籍者のみならず、該当する年齢にアメリカに住んでいる男子すべて不法滞在者も含めて(F・M・H・L・Eなどの非移民ビザ所持者には登録の義務はありません。)あてはまります。

国籍は1つに限る

このように子供に善かれとしたことが、将来的に子供に大きな負担を強いることになりかねないのです。

二重国籍の息子を持つ親がいうのも変ですが、経験したから言えることは、国籍は、1つに限ります。私の息子は社会人となり、日本で将来過ごすという決断をしたため、日本国籍の選択をしたばかりです。次は米国籍の離脱宣言をする予定です。

二重国籍を持つということは、2つの国の法律をそれぞれ守らなければならないということになります。これがなかなか大変なことになるのです。それぞれ法律がまったく違うのですから。

そういうことも考えなしに、単にかっこいいから!とかいう安易な気持ちでは決してすまされないことなのです。

日本の芸能界でご活躍の方たちの中にも、二重国籍者が最近増えてますが、彼(彼女)たちは、ちゃんと米国の義務を果たしているのだろうか?とつい思ってしまいます。

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