記事提供:カラパイア

サハラ砂漠の洞窟には、小さな13個の手形が残されている。最新の研究から、それが人間のものではないことが明らかとなった。

2002年、エジプト南西のリビアとの国境付近に広がる広大な砂漠のど真ん中で、アマチュア冒険家が“獣の洞窟(Cave of Beasts)”を発見した。

ワディ・スーラIIとも呼ばれるこの洞窟には、およそ8,000年前のものと思われる5,000点にもおよぶ絵や彫刻が残されていた。

その中に子供の手形や足型と思われるものもあった。しかし、最新の研究によって、これは人間のものではんく、実はトカゲのものである可能性が浮上してきたのだ。

イギリス、ケンブリッジ大学マクドナルド考古学研究所のエマニュエル・オノレ氏は、これを見た瞬間衝撃を受けたという。

人間の赤ちゃんにしてはずっと小さく、また指も長すぎると感じたのだ。

そこでオノレ氏は洞窟での測定結果を、31~41週の人間の新生児ならびに26~36週の未熟児の手と比較してみた。

その結果、獣の洞窟に残されている手形が人間のものである可能性は極めて低いことが明らかとなった。

彼女の考えでは、サバクオオトカゲの前足によるものか、ひょっとしたら若いクロコダイルの足によるものだという。

この発見により、ワディ・スーラの岩壁画や、これを作った人たちの行動と象徴的な世界観に関する理解に新しい視点がもたらされる、と彼女は説明する。

獣の洞窟は“泳ぐ人の洞窟”から10kmほど離れた場所にあり、そこに残される絵はずっと保存状態がいい。

洞窟が位置する東部サハラはエジプトからリビア、スーダン、チャドにかけて広がる、世界最大の暖乾燥砂漠である。年間の降水量は2mm以下であるが、かつては今ほど乾燥していなかった。

紀元前8500年頃は雨季があり、狩猟採取生活を営む人間が多く集まった。

しかし紀元前5300年頃までには雨がほとんど降らなくなっており、人が住む地域は高地に限られるようになる。紀元前3500年頃にはそうした人たちも完全にいなくなった。

こうした大規模な移住は、ナイル川沿岸の定住の興りとも重なっており、後年、同地域で花開き、数千年にわたって治めることになるエジプト文明へと繋がっていく。

狩猟採取生活者は動物を捕らえて、その手形などを取ったと考えられており、その多くが人の成人サイズの手形とともに発見されている。

しかしナショナル・ジオグラフィックによれば、そうした文明が洞窟の壁に動物の手形を残した理由について、オノレ氏は考察をためらっているという。

「研究者としてそうした手形の解釈をすることはとても困難なのです。現在の文化は当時とはまるで異なっているんですから」とオノレ氏はコメントする。

アルゼンチンのサンタ・クルス州にあるラス・マノス洞窟にも無数の手形があることで知られているが(関連記事)、

こちらは、9000年の先住民族の手であると推測されている。サハラ砂漠の洞窟に残された手形は人間なのかトカゲなのか?結論を出すには更なる研究が必要となるだろう。

出典:dailymail

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