2月2日。観光名所として人気のタイ・サムイ島で、「イギリス人男性観光客がゾウに踏まれて死亡」という悲惨な事故がありました。

警察発表によると、イギリス人男性・ギャレス・クロウさん(36歳)と娘が一緒にゾウの背中に乗ったところ、ゾウが突然暴れ出し、親子を振り落したようです。

ゾウは暑さにいら立っており、調教師にも慣れていなかったのではないかとの見方を示した。クロウさんは片脚が義足で、ゾウが襲い掛かってきたときに逃げることができなかった。

クロウさんの娘とミャンマー人の調教師は負傷したが、命に別条はないという。「ゴルフ」という名前のこのゾウは鎮静剤を打たれ、押さえられたという。

出典 http://www.afpbb.com

この事故で、野生動物を扱うことについて、観光業界・レジャー産業などで議論に火が着きました。

野生動物ツアーは動物にとって残酷!観光客には大きなリスクが伴う

この件で、World Animal Protection(通称WAP)は、2月4日、調査レポートを発表。調査内容には、世界で有名な4つの野生観光名所のうち3つは何らかの動物虐待を含むことが明らかである、と書かれています。

WAPが感じることは、「少なくとも55万匹もの野生動物が、世界中の無責任な観光地のために苦しんでいる。」

オックスフォードの「野生動物保護ユニット」(WildCRU)が、野生動物観光ツアー継続についてWAPに調査を依頼。

世界中で最も容赦ない野生生物エンターテイメント活動の”10のリスト”を発表しました。

1. ゾウの背中に乗る

2. トラとのセルフィー

3. ライオンと散歩

4. クマ舎を訪問

5. ウミガメを抱っこ

6. イルカのパフォーマンス

7. 猿の曲芸

8. ジャコウネコのコーヒープラン

9. ヘビとのパフォーマンス、コブラとのキス

10. ワニの飼育

観光ツアーが成長し続け、毎年およそ1億1000万人の人々が、容赦のない野生動物観光名所を訪問していると推測できます。実は、動物たちにとって虐待に値することを知らないことでしょう。

幼い頃に母親から引き離されて、叩かれながら調教され、背中に乗られるゾウ。芸を披露したり、観光客の休日のために、ポーズを取り写真を撮られるカメやクマ、ゾウ、トラ、ライオン等々。

これらの行為は、野生動物にとって、受動的に調教・訓練される間、精神的に傷つけられることになります。特に幼い動物にとって、福祉虐待を含みます。

出典 http://www.scoop.co.nz

※英文を翻訳しました。

WAPの野生動物ディレクター、ケイト・ナステッド氏は以下のように語っています。

「世界中の多くの観光客が、その舞台裏に隠れる野生動物の顔を知らずに観光していることは明白です。」

「苦しまないでお前が死ねればいいのに・・・」~元サーカス調教師の詩~

筆者は、子ども頃から動物が好きでした。父親が動物好きだったせいか、小動物に限らず、クマやゾウに対する恐怖心はありませんでした。

上野動物園のパンダ、ゾウ、クマ舎を見るのに大はしゃぎ!大人になってからは、ボリショイサーカスや木下サーカスのチケットを手に入れ、何度か訪れたことがあります。

しかし、サーカス調教師が書いた一編の詩が胸に突き刺さります。


苦しまないで、おまえが死ねればいいのに、そんな風に願っている
 サーカスのリンクで、調教師に虐待された熊と闘うのに疲れてしまった
 どうしたら彼らと別れられるのだろうか、そんなことを思いながら、生きている」


元調教師のウラジーミル・デリャブキン氏が1982年に書いた詩です。

リングには残酷さはありません、それは舞台裏にあるのです。私には、どんな客席でも拍手喝采させる芸がありました。熊が私のパートナーのリューダの前で、張り子でできた玉を手で握りしめながら、膝をつくというものです。どこから見ても、効果的で可愛らしい芸です。

でもリハーサル中、動物とは別な「会話」が交わされているのです。私は熊たちがこの芸をするのを拒否しただけで、殴られたのを見ています。調教師はがまんできなくなり、爆発し、なぐるのです。

決して忘れることが出来ないのは、熊の血にまみれた調教師の靴です。動物たちはこんな風に容赦なく扱われているのです。この私も熊を不具にしたことがあります、このウラジーミル・デリャブキンが!

胸を強く殴ったら、この可哀相な熊は、目に混濁ができてしまったのです。いまでもこの情景は忘れられません。」

出典 http://www.arcj.org

華やかなのはサーカスのリンクの上だけ。その裏には、動物と調教師の血の滲むような苦悩の日々があるようです。

サーカスで調教されるクマやゾウたちは、リハーサルを拒否しただけで、調教師が我慢しきれず殴るのです。

調教師は動物の心理が解るゆえ、嫌がる大きな体のゾウやクマなどに容赦なく扱います。その恐ろしい現場を目の当たりにし、「私は動物を傷つけたくない!」と思いながらも、自ら傷つけてしまった・・・、ウラジーミル氏の切ない想いが伝わります。

また、海外ツアーなどで、動物たちを次のサーカス会場へと運搬する際、長い首のキリンは、コンテナの中で、長い手足と首を前へ倒した窮屈な姿勢のまま、船や飛行機で運ばれるのです。

こういった行為も含め、本来は自然の中でのびのびと暮らすはずの野生動物が、サーカスの動物たちは、調教の時間のみではなく、彼らの人生そのものが”虐待行為”である、と告発されています。

子どもをサーカスに連れて行かない3つの理由

NPO法人・アニマルライツセンターは、「人間は娯楽のために動物を利用している。やさしい触れ合い方はたくさんあります」と述べています。

サイトの中で、以下3つの”子どもをサーカスへ連れていかない理由”を記載。

1. 動物たちへの虐待
2. 子どもたちへの危険 動物たちへの逆襲
3. 暴力犯罪の前歴を持つサーカス労働者

さいごに

筆者は、動物園やサーカスを見物に行く理由に「動物が好きだから」、と身勝手に解釈していました。

しかし、真実はいかがでしょう。本来、自然の中で生息する野生動物にとって、人間の娯楽のために、幼い頃から連れ去られ・・・長距離輸送され。

挙句の果てに、観光客のために動物園やサーカス団に売られ、自分の意志もなく、ただ受動的に叩かれながら調教され・・・。

以前、「ゾウのハナコ」の記事を書いたことがありました。
現在68歳となったハナコの余生を、「井の頭自然文化園から自然に帰すべき」との嘆願書が集められ話題になりました。

ハナコはこれまで2度の事故があり、1度目は泥酔しで深夜象舎に忍び込んだ男性を踏みつけ死亡させてしまい「殺人ゾウ」のレッテルを貼られました。

身体の大きな動物にとって、暴れただけで人間を傷つけ、死に至ることは仕方のないことです。動物には人間を傷つけたり、虐待したり、殺意などないのですから。

これらは、すべて人間の責任です。

動物に触れ合うことが「子どもの情操教育」だと思い、動物園や水族館、サーカス見物などに訪れる観光客。

その裏で、とても重要なことを気づかされたような気がします。あらためて、動物は娯楽のために存在するのではなく、やさしい触れ合い方があるのだと思いました。

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cocon☆hanna このユーザーの他の記事を見る

キャリアカウンセラーの道を目指し、資格取得後オンラインカウンセラーとしてデヴュー。WEBライターとして活動をはじめ7年になります。人に「読まれる・読ませる」ライターを目指しています☆

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