記事提供:長谷川豊 公式ブログ

いくらなんでも少々一方的すぎる。見ていて僭越ながら、大変残念な思いが去来した。

高市総務大臣が国会の答弁の中で言った「放送停波の可能性」の話の一件。

皆さんは高市氏の当該発言の「全文」をちゃんとお読みになっただろうか?

今や、あらゆるメディアで「高市(総務大臣)や安倍(総理)がテレビに脅しをかけてるぞ~」という、去年の「戦争法案を強行採決するぞ~」と全く同じ「ウソつきレッテル張り作業」が始まっているのだが…

大ウソすぎる。いい加減にしろ、と言いたい。

高市氏の全発言はこちらから確認が出来る。

【全文】高市早苗氏「電波の停止がないとは断言できない」放送局への行政指導の可能性を示唆

大事な部分を抽出しよう。

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「1つの番組でも選挙期間中、また、それに近接する期間に、殊更に特定の候補者や、候補予定者のみを相当の時間にわたり、取り上げる特別番組を放送したように、選挙の公平性に明らかに支障を及ぼすと認められる場合」

また、「国論を二分するような政治課題について放送事業者が一方の政治的見解を取り上げず、殊更に他の政治的見解を取り上げて、それを支持する内容を相当時間におよび繰り返す番組を放送したように、

番組編集が不偏不党な立場から明らかに逸脱していると認められるといった極端な場合においては、やはりこれは政治的に公平であるということを確保しているとは認められない」

「しかしながら、これまでも放送法第4条に基づいて、業務改善命令であったり、電波法に基づく電波の停止であったり、そういったことはなされておりません。

基本的には放送事業者が、やはり自立的に、しっかりと情報を守っていただくということが基本であると考えております」

どんなに放送事業者が極端なことをしても、仮にそれに対して改善をしていただきたいという要請、あくまでも行政指導というのは要請になりますけど、

そういったことをしたとしても、公共の電波を使って、まったく改善されないということを繰り返した場合に、それに対して何の対応もしないということを、ここでお約束するわけにはまいりません

「私のときにするとは思いませんけれども、将来にわたってよっぽど極端な例、放送法の、それも法規範性があるものについて、

何度も行政のほうから要請をしても、まったく遵守しないという場合には、その可能性がまったくないとは言えません

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聞かせてほしいのだが…これのどこが問題なのか?あまりにも普通のことしか言っていないし、そもそも14年間にわたりキー局の最先端(まさにテレビに出て)で働いていた人間として…

また、今現在も準キー局でニュースキャスターを勤めている立場から言わせていただくが…こんなもの、現場はみんな分かってる範囲のことで、ちゃんと守ろうと努力していることでしかない。

しかもこんな答弁は、別にジャーナリストの皆さんが大嫌いな安倍政権時代に言われ始めたことでも何でもなく、民主党政権時代にも似たような答弁はなされている。

ここで私のコラムを楽しみに読んでくださっている皆さんに「公共の電波放送」であるテレビの最低限のルールをここではっきりと明示しておく。

大前提①

テレビ局は「新聞社」とは違う。ここをどうか忘れないでほしい。

明日にもつぶれるかもしれない危険と隣り合わせのジャーナリズムを持つ新聞とは全く違う。国民が金を出し合って作ったスカイツリーの電波を「免許」を交付して頂き「使わせてもらってる」立場なのだ。どうもそこをごちゃ混ぜにされてらっしゃるようだ。

アホみたいな影響力のある電波を、信じられないほど安いお値段で使わせてもらっている。なので、利益は信じられないほどに出る。

なんてったって電波量が激安だからだ。皆さんから金をとりまくってるNHKなど、平均給与で1000万円ほどあるだけではなく、住宅などの福利厚生も一般企業の常識からは考えられない整備のされ方をしている。

キー局の局員も同じだ。正社員はご存じの通り、平均給与が高い局は1500万年近くに上る。平均でよ?すごくない?

簡単だ。だって「ルールを守ってるから」超安い金額で電波を「使わせてもらってるから」だ。

昨日会見を行った日本を代表するジャーナリストの方々はその大前提を素っ飛ばして話をしているが…そこを飛ばして話をするのは…ちょっとズルではないか?

大前提②

そして、そのルールは「法律」にしっかりと明文化されている。有名な放送法第4条は皆さんも知っているだろうから省略するが…要は「ウソついちゃダメよ」とか「政治的にいろんな意見のある話は一方的に話しちゃダメよ」って書いてある。

で、それに違反した時はこうなるって書いてあるのが「放送法174条」や「電波法76条」ってやつなのだ。こちらね。↓

第174条 (業務の停止)

総務大臣は、放送事業者(特定地上基幹放送事業者を除く)がこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反したときは、3月以内の期間を定めて、放送の業務の停止を命ずることができる。

出典放送法

第76条

総務大臣は、免許人等がこの法律、放送法若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、3箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる。

出典電波法

ご覧の通りだ。高市氏の発言って、別に変なこと言ってるのではなく「いや、法律にそう書いてありますけど、何か?」って言ってるにすぎない。こんなの、実際にテレビ局で働いている人間はみんな読んでるし当然のことしか書いてないって思っている。

だって免許事業なんだし。だって既得権益なんだし。嫌なら法律変えればいいだけの話。変える必要、全く感じないが。

昨日の会見の中で「現場の放送局の人間からこんな意見が」って紹介されて「現場が委縮してます~」って手紙が紹介されていたけれど…

それ「現場の問題」だろ(涙)。

お前んとこの現場の上司がチキンなだけじゃないか。そんな低レベルな上司に下について可哀想にね~ってだけの話だ。高市氏、関係ないし。八つ当たりは辞めてやれよ。

別に私の出身が彼女の選挙区と同じ奈良だから庇ってるわけじゃない。今回は高市氏が変なこと言ってないから「変なこと言ってない」と言ってるだけだ。

昨日の会見で特筆だったのがビデオニュースドットコムで気を吐いているジャーナリストの神保氏の質問だった。

あ、神保哲生さんってのは、私は現在の日本を代表する「骨のある」ジャーナリストの一人だと思っている人物で、もともとアメリカNYの超名門コロンビア大でジャーナリズムの修士課程を取ってるほどの人物だ。

私の出身大学の立命館大学でも教鞭をとってくださっていたのだが、残念ながら5年で東京に戻られてしまい(…ほんと残念…)、

現在は早稲田の客員教授を務めながら「ビデオニュースドットコム」というインターネットニュース番組を運営されているのだが…

その運営方針の鉄則が「スポンサーを絶対に付けないこと」。言いたいことが言えなくなるからだろう。そういう骨のある人物から見たら、昨日の会見は穴がいくつも見えたに違いない。

抽出すると、挙手した神保氏がした質問は…

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僕が聞きたいのはなぜ放送局がこんなまったく意味不明な発言におびえるのかここまで、あるいは唯々諾々とそうした意向に従った番組づくりになっちゃうのか。

つまり蹴飛ばせばいいだけでしょ。で、むしろこういうこと言う人間が出てきたら、徹底的にもう今まで以上に政権批判を厳しくしてね、停波ができるんならしてみろと」

安倍さんがね、そんなので萎縮するなんてのは情けないって言うんだけど、それはもう正論なわけですよ、それは。言っといて何言ってんだってとこはありますけれども。でもそれ正論なわけですよ、そんなの萎縮する必要ないじゃないか」

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完全に神保氏の質問が正しい。その通りだ。それに対して、出席者の答えってのが涙が出るほど情けなくて…

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そんなに難しい話、僕には答えられないんですけれども。そんなにきれいごとばっかりじゃないんでしょう、おそらくいろんな意味でね。

テレビ局だって企業ですし、それは新聞社もそうだし、それから雑誌社も出版社もそうですし、それぞれの企業の現場の中でいろんな考えの人がいて、

それは政権寄りの人もいたりとか、いやそうじゃないんだ、っていう人たちもいたりとかして…(以下略)」(青木氏)

今の話に直接の答えになんないかもしんないけど、私非常に今ね、大枠で気になるのは、アメリカの大統領選、あしたスーパー・チューズデーですよね。それで今日は民主も、私もワシントンにいたことがあるんで…(以下略)」(岸井氏)

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質問に答えてないし(涙)!

偉そうに政治家には質問するくせに、的を射た質問が来たらスーパーチューズデーの話をしてごまかすのがジャーナリストの正体なのか?記者会見の全文読んでてなんだか涙が出てきたわ(泣)。

はっきり言えることは「自由には責任が存在する」ってことだ。

自由に言いたいことを言いたいのであれば、神保氏のようにキー局みたいな既得権益集団にいるんじゃなくて自身のHPやブログで発信されたらいい。

神保氏は支持を得られなければ収入が全くなくなるリスクと戦っているからこそ、堂々と毅然と発信できているのだ。

キー局をはじめとする圧倒的なお給料を確保しながら「自由だけ」を主張するのは間違っている。

「政治的公平性」は権力が決めていいことではない。それは正論だ。

しかし、公共の電波を使うテレビ局が勝手に決めていいことでもない。

要は、安保法案の審議はどの世論調査を見てても反対派は50%以上いたが賛成も30%以上いたのだ。

それを、延々「反対の意見のみ」を垂れ流すのは、厳しい質問が飛んだ時に言葉をごまかしているのと同じ対応でしかないのだ。

自分たちの意見に世の中を洗脳しようとしているだけだ。キツイことを言わせてもらうが…これははっきり言わせてもらいたい。

調子に乗るんじゃない。ジャーナリストが全て正しい訳じゃない。

選ぶのは国民なのだ。その選択肢を明示することが「公共の財産」たる「公共の電波」の役割だ。朝日や産経が偏りまくった記事を書くのとはわけが違う。

高市氏も自民党も、今回の件は一切の遠慮はいらない。

選挙の前や今回の憲法改正議論のように重要な論争が巻き起こりそうなとき、もし去年の安保の時のようなふざけた放送を続けるテレビ局があったら遠慮せずに免許を取り上げてやればいい。スピード違反は免停だ。

そんなの、国民みんなが守ってるルールでしかない。

あまりにも偏った見解が過ぎたので、言葉は強いが言わせて頂いた。このような意見があることも、どうか忘れないでいただきたい。

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