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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
髪の毛がなんらかの原因ではえてこなくなってしまう「脱毛症」。脱毛症と一言にいっても、原因はさまざまです。そんな脱毛症が、実は心臓病に関係する可能性があるということをご存知ですか? その真相について、医師に伺いました。

脱毛症を引き起こす病気とは?

脱毛症を引き起こす病気はたくさんあります。まず、生まれつき見られる脱毛症として、

・先天性無毛症
・先天性乏毛症
・遺伝的疾患による脱毛
・母斑性脱毛症
・先天性三角形脱毛
などがあります。

また、生まれてから新たに出現する後天的脱毛症としては

・円形脱毛症
・男性型脱毛症
・休止期脱毛状態(分娩後脱毛症)
・内分泌異常(主に甲状腺機能低下症など)による脱毛症
・栄養障害・代謝障害による脱毛
など、たくさんの種類があります。

このなかで代表的な病気をいくつか説明しましょう。

生え際や頭頂部が脱毛する「男性型脱毛症」

毛根細胞に男性ホルモンであるテストステロンが運ばれると、5α-還元酵素Ⅱ型という酵素によってジヒドロテストステロンというものに変換されます。これが毛根にある毛母細胞に働くと、髪が柔らかく細くなって生え際や頭頂部などを中心に特徴的なパターンでの脱毛が見られます。この病気は、心臓病とは関連がないといえるでしょう。

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産後に薄毛を発症する「分娩後脱毛症」

「分娩後脱毛症(休止期脱毛症)」は分娩して2~4ヶ月頃に脱毛が始まり、5割のお母さんが分娩後の脱毛を自覚しているといわれています。原因はホルモンバランスであると考えられており、自然に改善するのが通常ですが、時には薄毛が持続することもあります。この病気も心臓病との関連はありません。

「甲状腺機能低下症」による脱毛は要注意!

「甲状腺機能低下症」では甲状腺ホルモンが低下し、

・無力感
・傾眠
・寒がり
・便秘
・コレステロールの増加
・物忘れ
・認知症のような症状
・むくみ
・脱毛

などといった症状があらわれます。

また心臓は心嚢(しんのう)という袋にくるまれていますが、心臓と心嚢の間には心嚢液という潤滑液が少し入っています。この心嚢液が増加したり、心臓が大きくなったりします。この場合は「心不全」や「動脈硬化」などを起こしやすい状態にあり、心臓病との関連性も考えなければならない脱毛症といえます。

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脱毛が起きやすい「全身性エリテマトーデス(SLE)」

「自己免疫性疾患」による皮膚の炎症で起こる脱毛ですが、この中でも脱毛症が起きやすいのが「全身性エリテマトーデス(SLE)」です。SLEは蝶形紅斑といって、頬と鼻の部分が蝶の形のように赤くなる特徴的な皮疹や関節炎、腎障害、精神症状、漿膜炎、貧血、白血球減少、血小板減少、まれに心内膜炎を起こすこともあります。SLEによる脱毛は、心疾患との関連はわずかということになります。

医師からのアドバイス

ほかにも心疾患との関連性がある脱毛症がありますが、まずは原疾患の鑑別を皮膚科などで行うのが重要です。すべての脱毛症が心疾患の増加と関係しているわけではありませんが、一部関連するケースもありますので覚えておきましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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