記事提供:カラパイア

隠し部屋というと、陰謀好きの人は、政府系建物の中の暗く閉ざされた秘密の部屋を思い浮かべたがるかもしれない。

1960年代のテレビドラマ『トワイライト・ゾーン』の中で、デパートの9階でマネキンが生き返るエピソードがあるし、

映画『マルコヴィッチの穴』では、ニューヨークのビルの7と1/2階にある隠された部屋が、ジョン・キューザックがジョン・マルコヴィッチの脳内に入り込む入り口になっている。

こうした隠し部屋ミステリーは、作家のただの想像の産物かもしれないが、すぐ目と鼻の先にある有名なビルの中にも、一般の人の知らない秘密の部屋が実際にあるのだ。

1. エンパイア・ステート・ビルディング(ニューヨーク)

世界の超高層ビルの中でももっとも象徴的なもののひとつで、マンハッタンの代表的観光名所。

きらめくアールデコのエレベーターが、毎日大勢の訪問者を86階の展望デッキにせっせと運んでいる。102階にも第二展望台があるが、そのすぐ上に、誰も知らない秘密の103階がある。

一般の立ち入りは禁止されているこの階は、細い通路がビルのてっぺんのまわりをぐるりと囲んでいるだけの吹きっさらし。

建設当初の計画では、最上階に飛行船をドッキングして乗客を103階に降ろし、102階を正式なアメリカ入国口にする予定だったが、これは実現しなかった。103階は封印されたまま、ニューヨークの空高くにとり残されているというわけだ。

2. 羊角島(ヤンガクト)国際ホテル(北朝鮮)

世界でもっとも閉鎖された国のこのホテルには、特に奇妙な秘密がある。このホテルのエレベータには、5階の表示がないのだ。

6階でエレベーターを降りて下に行くと、コンクリートがむき出しのフロアが現われる。ここには施錠されたドアが並び、人は誰もいない。

“侵略者をやっつける準備を徹底しよう”とか、“我が将軍さまは世界一”といった、政府発行の宣伝ポスターのようなものが壁一面を覆っている。

出典 YouTube

掩蔽壕や鉄の扉、コンピューターを扱い、ヘッドホンでなにかを聞いている政府の役人のような男たちのことが報告されている。

5階にはほかにも隠されたスペースがあるのではないかとも言われているが、その目的は謎のままだ。

3. グリーンブリア・リゾート(ウェストヴァージニア州)

グリーンブリア・リゾートは、ウェストヴァージニア州の中央にある高級ホテルリゾートで、1778年以来、地元の美しい水辺が人々を惹きつけてきた。

今や国の歴史ランドマーク的存在であるこのホテルの宿泊者名簿には、26人の大統領を含む、きらびやかな面々の名が連なる。

しかし、贅沢な部屋や広大な土地の地下には、知られざる巨大な空間が広がっていて、この秘密はグリーク・アイランド計画というコードネームがつけられていた。

冷戦時代、万が一ワシントンがソ連の核攻撃を受けても、安全に議会を機能させることができるように作られたのだ。

11万2000平方フィートのこのシェルターは、上下両院をすっぽりと受け入れることができる十分なスペースがあり、半年分の食料が備蓄されている。25トンの防爆扉に、除染室、浄水装置、独自の病院まで完備されている。

政府のこのグリーク・アイランド計画の隠れ家は、既存のホテルに新たに西ウィングを増築することによって、うまいことカモフラージュされた。

露見しないように、掘り起こした地下の大量の土は、新しいゴルフコースを作るために使われた。

ホテル内の1000台のテレビセットの維持管理を請け負うというふれこみで、フォーサイス・アソシエーツという偽のオーディオ会社がでっちあげられ、大勢の関係者がそこの社員という名目で潜り込んでいた。

グリーク・アイランド計画は、幸いなことに稼働しないまま月日が流れ、1992年にワシントンポストがその秘密を暴露するまで、公に知られることはなかった。

現在でも豪奢なリゾートホテルとして運営されていて、この冷戦の遺物を見学できるツアーもある。

4. 屋根裏の神(アムステルダム)

アムステルダムの旧市街に独特な雰囲気を与えている運河沿いに、アン女王朝様式風の古い建物がある。この建物には、屋根裏に特別な秘密の空間がある。

大理石の祭壇、150人の信徒を収容できる信徒席、入念に金箔を施した装飾と、完璧にその機能を備えた小さな教会だ。

17世紀にオランダのカトリックが迫害されたために、こっそり作られた。この秘密の教会へは、居間にある偽の壁から、狭い螺旋階段を伝っていく。

今日、教会はミュージアムになっているが、いまだに日々の礼拝はこの屋根裏で行われていて、もう400年間近く変わらずに続いている。

5. ニューヨーカー・ホテル(マンハッタン)

1930年に34丁目と8アベニュー付近にオープンした。世界でも技術的にもっとも進んだホテルのひとつで、ラジオ局、印刷所、50席もある床屋があり、格納式のアイスリンクつきの食堂では、客のためにアイスショーが披露された。

客室は2500もあり、垂直の村と宣伝された。

ロビーの下24メートルの地下には、巨大な発電所が隠されていて、その直流電流の発電能力は、町の3万5000世帯の電力をまかなえるくらいだったという。

このホテルの有名な長期滞在者、発明家のニコラ・テスラは、晩年の数十年間をここに住み、よくロビーの下にふらふら降りていっては、この精巧な発電所の機械をいじったり、技術者と言葉を交わしたという。

現在は、発電所はまだそこにあるが、スケートリンクも、コーヒーショップも、舞踏室も明かりは消え、シンと静まり返っている。発電所のほとんどは1960年代に刷新され、テスラの提唱した交流電流に切り替えられた。

6. ディズニーワールド(フロリダ)

鋭い人ならば、マジックキングダムを訪れ、モノレールを降りて、メイン通りに向かう途中で、少し傾斜になっているのに気づくかもしれない。

前方にそびえるシンデレラ城が丘の上にあるようにみえるが、実際には、日々訪れるたくさんのお客は、知らないうちに秘密の部屋や通路やトンネルのある隠された巨大な構造物の上を昇っているのだ。

ディズニーワールドそのものが、見えない複雑な巨大施設の上に建っている。従業員やキャストたちは、この地下が一階だと思っていて、マジックキングダム全体は実際には2階や3階にあるのだ。

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ウォルト・ディズニーが、カリフォルニアにある第一号のディズニーランドを歩き回っていたとき、出番を待つカウボーイの格好をしたキャストたちが、フロンティアランドからトゥモローランドへと歩いていくのを目撃した。

これでは子どもたちのためのファンタジーの世界をぶちこわしてしまうと考えたウォルトは、キャストやゴミ収集人が行き来する通路や、厨房、休憩室など9エーカーのスペースを地下におさめて見えなくして、その上にディズニーワールドを建設したという。

今日、マジックキングダムの裏側をこっそり見られる大人向けのツアーがある。

7. ジョン・ハンコック・センターの44階(シカゴ)

ノースミシガンアベニューにあるこの摩天楼は、シカゴでもっとも目立つランドマークだ。完成は1969年、ニューヨークのエンパイア・ステートビルに次いで世界第二位の高さをもつビル。

しかし、このビルには実際に居住できることに、気がついていない人は多い。

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住居部分は45階から92階だが、44階に秘密がある。住民以外は立ち入り禁止になっているが、ここには5200平方フィートの広さの巨大なスーパーマーケットがあるのだ。

また、図書館、コンシェルジュサービス、天井の高いスカイラウンジ、国内でもっとも高所にあるプールなどがある。選挙のときは、ちゃんと投票所まで設置される。

8. ピルグリムのプリマス教会(ブルックリン)

ブルックリンハイツにある歴史に深く根差した教会で、ニューヨークのもっとも古い会衆派教会。霊感士で、牧師、奴隷制度廃止論者のヘンリー・ウォード・ビーチャーがかつて統括していた。

アメリカでもっとも有名な男と言われたビーチャーの、奴隷制度廃止論を語るその激しい弁舌はとても有名で、プリマスは、エイブラハム・リンカーンが訪ねたニューヨークで唯一の教会になった。

ビーチャーは、プリマスでの奴隷の競売を茶化し、教会区民たちが彼らを自由にするために金を集めた。

しかし、教会の驚くべき秘密は、その地下に隠されている。教会の下にはもう一階あって、オルガンの裏に秘密の出入り口がある。

乾燥した埃っぽいスペース、レンガのアーチ道やトンネルは、すべて地下鉄の主要駅のひとつの名残だ。誰にも知られていないこの場所は、逃げ出そうとしている多くの奴隷たちの聖域となり、グランド・セントラル駅と密かに言われるようになった。

プリマス教会の教区民たちは命がけで、ひとりでも多くの奴隷たちを助けるのに献身した。

“彼らを保護し、かくまい、速やかに逃がすつもりだ”とビーチャーは言っている。教会は現在でも、活発な活動をしていて、アメリカでもっとも秘密にされた場所のひとつを見学できるツアーもある。

9. 旧公開手術室とハーブ・ギャレット(ロンドン)

ロンドンのセント・トーマス教会の屋根裏には、ぞっとすると同時になんとも魅力的なものが隠されている。古い教会の螺旋階段を昇って屋根裏にいくと、そこには最古の公開手術室が存在している。

かつてはセント・トーマス病院の一部で、今日でもこの狭い手術室に入って、傾斜の急な木造のテラス席から手術台を見下すことができる。ここで、19世紀の医学生たちは、当時の見事な外科医のメスさばきを見学したのだ。

腕のたつ外科医は、1分足らずで四肢にメスを入れて、病組織を焼いて血止め(焼灼)することができたと言われている。

手術室があった屋根裏部屋は、薬草の貯蔵庫や栽培場所にもなっていた。

現在は見学できるこのハーブ・ギャレットは、ヴィクトリア時代の珍品コレクターのキャビネットのようで、

ヨモギ、アヘンを作るケシ、原因不明の病気に苦しむ女性のためのヒツジの頭がたくさん入れられた浴槽など、さまざまな不気味なものが所狭しと置いてある。

セント・トーマス教会が移転したとき、この屋根裏は封印され、何十年も忘れ去られていたが、1960年代に再発見された。

現在、ここはミュージアムになっていて、大昔のランセットやカミソリ、骨ノコギリを実際に見てみたい人のための見学ツアーもある。

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