先月、アカデミー授賞式で見事オスカーを受賞したレオナルド・ディカプリオは、普段から環境保全に力を入れている一人。オスカーを受賞した際のスピーチでさえも、彼は「地球の環境」について熱く語っていました。

正直、普段日々の限られた時間や生活に追われて「地球全体」や「世界の環境」のことを深く考える余裕もない人がほとんどではないでしょうか。でも、誰かが発した一言で「考えてみよう」というきっかけにはなるのではないかと思います。

確かに、環境問題は一人の力ではどうにもなりません。みんなの意識と努力があってこそ初めて一歩を踏み出せるのです。ただ、その一歩は「対自然」の場合とてつもなく大きな力と対峙することになるので、なかなか容易ではありません。

それでも、何かのきっかけで考えてみることはできるはず。今回、レオナルド・ディカプリオのスピーチに深く感銘を受けた筆者。再度、この地球がどんな問題を抱えているのか深刻に考える機会として、今モンゴルで起こっていることを取り上げてみようと思います。

今、世界各地で起こっている被害

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前回もエチオピアで起こっている被害を記事にさせて頂きましたが、今世界の環境を脅かしているのは「エルニーニョ現象」です。この現象はアフリカ諸国で飢餓や干ばつといった被害をもたらしているだけでなく、実はモンゴルにも被害を与えているのです。

地球温暖化によって1940年以降モンゴルの平均気温が上昇したかと思いきや、今度はエルニーニョ現象により「ゾド」と呼ばれる寒雪害被害が出ています。降水量の変化や極端な冬の気候が遊牧民にとって生活の糧である家畜にダメージを与えているのです。

遊牧民は家畜によって生活が保たれている

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遊牧民の家畜は牛・馬・羊・山羊・ラクダと幅広く、特に羊はモンゴル人の主食ともいうべき家畜なので全体の58%をも占めていると言われています。彼らは家畜に餌を与えるべく、季節ごとに草地の多い場所へと移動する生活をしているのですが、エルニーニョ現象によって、夏は冷夏となり雨量も少なく牧草が育たないという状態に。

そして冬には一気に-50度まで気温が下がるように

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冬になると降雨量が多くなり、気温も一気に-50度まで下がってしまうため、寒さで大切な家畜がほとんど死んでしまうという被害が2,000年以降増加しています。雪が積もり寒さが厳しい状態では餌を十分に得られない家畜は当然弱ってしまいます。

「生活の糧でもある家畜を失うことは遊牧民にとって財産を失うこと」だとチャリティ組織「セーブ・ザ・チルドレン」のモンゴル事務所に勤務する岡本さんは訴えます。

動物被害だけでなく子供にもしわ寄せが

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家畜が大量死すれば、生計に響くのは必至。遊牧民は自分たちの食費や必要経費を削って家畜の餌代にお金を費やします。優先させるべき子供への支出もままならないといった貧困家庭が相次ぐと同時に、残っている家畜をお金に換えようとと殺を行っても「市場に一度に大量の肉が届くと値段が急落する」といった厳しい現状もあり、エルニーニョ現象によってもたらされる遊牧民の生活は楽にはなりません。

更には、多くの家畜が亡くなるということで子供たちも親への心配から不安で眠れずに学業に集中できなくなったり、家畜の世話で学校へさえも行けなくなるといった問題も発生している様子。遊牧民は家族が一つとなって家畜を守っているために大人の不安や心配は子供にさえ受け継がれるよう。

「セーブ・ザ・チルドレン」ではこうした遊牧民の子供たちへの支援を行い、現地のニーズに対応しています。政府がこの冬もエルニーニョ現象を予測して多めに配布した家畜の餌さえも不十分という問題もあるようで、ゾドによる被害は収まっていません。

モンゴルは、90年代初期に政治的背景が大きく変化を遂げたことで社会面にも影響が出ているともいわれています。「モンゴルの経済構造が統制経済から市場主導型に転換した」ために、家畜の私有化が行われ牧畜業をする世帯が増加したそう。

そのため元々遊牧民が持っていた家畜の牧草地を、新しく牧畜業に専念するようになった世帯へ譲らなければならないという結果になり、一世帯あたりの持つ季節ごとの放牧地の規模が小さくなってしまった、もしくは失われてしまったことも、遊牧民の家畜の餌が不自由する原因の一つではないかと言われています。

政府が自然に太刀打ちできるはずがないのは当然ですが、対策を練り社会で生かすことで遊牧民の生活も多少は良くなるのではないかと思う筆者。このままでは、エルニーニョ現象、地球温暖化という自然の2大脅威に加えて、遊牧民の生活はおろかモンゴルの国全体に経済的な大打撃をもたらすことになるのではないかと懸念します。

「セーブ・ザ・チルドレン」だけでなく多くのチャリティ団体は環境保護を訴え、その環境により被害や打撃を受けた国の子供の支援を行っています。興味がある方は是非、サイトをご覧ください。

「私の住む国は大丈夫」そう安心していられなくなる日も、ひょっとしたら近いかも知れません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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