このほど、中国の山西省で12年前に凍結胚移植された卵子が受精し誕生するという奇跡とも呼べる出来事が起こりました。中国では10年以上もの時を経て凍結胚移植で赤ちゃんが誕生するということは歴史上初のことだそう。

体外受精や顕微授精では、女性の体から卵子を取り出して体外で精子と受精させ、その受精卵を培養して子宮内に戻します。この際、採卵した周期で培養から胚移植までを行うのが新鮮胚移植で、培養した後で一度凍結保存して時期を改め、よいタイミングで解凍(融解)してから胚移植するのが凍結胚移植です。「凍結 → 融解」して移植するので、「凍結融解胚移植」と呼ばれることもあります。

出典 http://192abc.com

2003年に体外受精を試みた40歳の女性

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多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)と卵管閉塞を患っていた女性は2003年に体外受精により妊娠を試みました。その時、医師は12の女性の卵子を採取し夫の精子を使って凍結胚を作ったそう。

そのうちの新鮮な2つを胚を女性の子宮に移植し、残りの状態のいい7つの凍結胚は病院側で保存されることに。

多嚢胞性卵巣症候群とは卵胞が卵巣の中にたくさんでき、ある程度の大きさにはなるのですが、排卵がおこりにくくなる病態です。

出典 http://mimuro-cl.com

なんらかの理由でこの卵管が詰まる、もしくは通り道が狭くなる状態を「卵管閉塞(卵管狭窄)」と呼んでいます。

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2004年に元気な長男を出産

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女性は凍結胚移植により、2004年に無事に男児を出産。その後も万が一に備えて病院側に凍結した胚のために日々お金を預金していたそう。そして去年、中国では「一人っ子政策」が打ち切りとなったため2人目を望んだ女性は、胚移植を希望。

凍結した7つのうちの3つのみが生存していたそうですが、ベストな状態であった2つの胚を女性の子宮に移植。そのうちの1つが無事、受精したのです。わずか40%という成功率だった10年以上も前の胚を使った移植でしたが、見事成功。今回女性は、また元気な二人目の男児を出産しました。

生まれたてながらにして既に12歳!

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12年前の胚により出産したということで女性も夫も大喜びだそう。「生まれた子供はもう12歳のようなもんだね。中国は一人っ子政策が続いていたけど、万が一と思って保存しておいたのが良かった。」と女性の夫もコメント。

日本でも、コスト面を考えても凍結胚移植の方が、時期を決めベストな状態で妊娠に望めることから女性の体に負担がかかりにくいと言われています。一つの命を生み出すということは奇跡なので、必ずしも「絶対的」なことは起こり得ないのが生命の神秘といってもいいでしょう。

それでもその神秘が形を伴って無事に成功した時の喜びは、やはりかけがいのないもの。女性も今は二人の子育てに忙しいと思いますが、中国初という12年の凍結胚移植で授かった命を大切に育てていってほしいですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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