日本でも、むかしむかしは好きな人に手編みのマフラーをプレゼントした女性もいたのですが今や「手編みの○○」というと男性にはちょっと重いと思われがち。でも、海外には長い年月をかけてせっせと手編みのベストやセーターを編む女性が今も存在するんです。

編み物は大の苦手の筆者なので、編み終わるまでの長い時間を考えただけでも編み物が好きなという人をひたすら尊敬してしまいますが、こちらの女性は編む前の素材集めにもとんでもない年月をかけてとんでもない素材でベストを編み上げたので世間を驚かせています。

自分の抜け毛を20年間集めて編んだベスト

出典 http://www.express.co.uk

ルーマニア北部在住のオルタンサ・パスカリウさん(65歳)は、40歳頃から自分の抜け毛をせっせと集めてきたそう。というのも、オルタンサさんの住む村には「女性の抜けた髪の毛は捨ててはいけない」という迷信があるそうで、それを信じているオルタンサさんは20年間でなんと1kgもの髪の毛を集めたというのだから驚きです。

集まった1kgもの髪の毛を見て「さて、これをどうしようか…」と思ったオルタンサさん。閃いたのが「ベストを編もう!」ということだったのです。そうしてせっせと髪を集めたように、またせっせと編み物を始めたオルタンサさん。「集めた髪をどうにかして生かしたかったの。何か自分で誇りに思えることをしたかったのよ。」と語っています。

「抜けた毛は美の化身」

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オルタンサさんの住む村では「抜けた毛は美の化身であり、それを捨ててしまうと捨てた人の美も失われてしまう」という言い伝えがあるそう。「毛でできてるベストなんてちょっと変だけど、でも自分の毛が役に立ったことが嬉しいわ。」素材集めには20年もかかってしまったけれど、必死で編んだベストは1週間で出来上がったそうです。

「柔らかいウールのような手触り」夫も大絶賛

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オルタンサさんの編み上げたベストは、見た目も髪の毛を編み合わせたものとはとても思えないしっかりしたベストになっています。そして夫のヴァジルさんも「柔らかいウールのようでとってもいいね。編み上げた妻を誇りに思うよ。」と大絶賛。

オルタンサさんは5年間このベストを大切に保管していたそうですが、その後地元の民族博物館に寄贈したそうです。実は、人毛で編み物をしたという人はオルタンサさんが初めてではないのです。

自慢の黒髪で編み上げたセーターと帽子

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中国の重慶市に住むシャン・レンシャンさん(60歳)は、自身の毛を集めて11年間かけて夫のコートを編んだというから更に驚きです。そしてご主人のコート以外にもセーターや帽子なども編んだというシャンさん。

それぞれのアイテムを編みあげるのに、合計11万本もの毛を使ったそうでその多さと年月をかけて編んだ彼女の忍耐強さには恐れります!元教師だったというシャンさんは今では編み物が趣味ということで、髪の毛という異色な素材が編み物魂に火をつけたのでしょう。

集め始めたのは34歳の時

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長く美しい黒髪の持ち主だったシャンさんが自身の毛を集め始めたのは34歳の時。「この髪で記念に何かできたら」と思ったことがきっかけだったそうですが何しろ集めるまでの年月と、編み上げるまでの年月を考えると相当な根気と忍耐力。

人は「何かをやり遂げよう!」と決めたらどんなに年月がかかっても大変でも、最後まで頑張るといういいお手本がここにはあるような。オルタンサさんにしろシャンさんにしろ編み物苦手の筆者からすれば大尊敬に値します。

100%LGBTの人毛で編み上げられたセーターも

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最近LGBTという言葉が一般化されつつありますが、カナダの「The Canadian Centre for Gender and Sexual Diversity(CCGS)」と広告会社「Saatchi & Saatchi Canada」は、キャンペーンの一環としてこちらのセーターをLGBTの人毛のみで編み上げました。

250人のセクシャルマイノリティから集められた毛

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250人ものGLBTの色んな人の毛をよせ集め、徹底的に手作りにこだわって編み上げられた一枚のセーター。近頃「gay(ゲイ)」という言葉がスラング化されてきている社会に「ネガティブな意味でその言葉を使ってほしくない」という思いを訴えるために作り出されたそう。

人毛ゆえに重く、11kgもあるセーター

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実際に誰かが着ることはちょっと大変そうですが、このセーターにはLGBTの人、そしてこのキャンペーンを考えた人の深い思いが込められているのです。周りの人に、実際に触ってもらって感じてもらい、gayへの偏見を失くしてほしいと発案者のジェレミーさんは語っています。

人の毛で編まれたベストやセーター、と聞くと「気持ち悪い」という思う人もいるでしょう。確かに人毛で編まれた洋服を着ない私たちにとっては「変」という観念があるのはごく普通なこと。

でも、そのセーターやベストを編み上げる人の思いは誰にも決して批判できないものなのです。その人なりの深い思い入れがあって編み上げられた洋服は、やはり価値のあるものではないでしょうか。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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