豪・シドニー在住のステファニー・ケルロウ(Stephanie Kurlow)さんは、2010年に家族と共にイスラム教に宗旨変えをしました。その結果、2歳の時から大好きで続けていたバレエをやめる事になってしまいました。

なぜならば、ヒジャブ(ムスリム女性が身につける頭部を覆う布)をつけたままレッスンをしてくれる場所がなかったからです。ステファニーさんは、バレエのレッスンを受けたければヒジャブを外すしか無い、それが無理ならレッスンを受けるのは諦めなければなりませんでした。その選択は、イスラム教徒であるステファニーさんに、夢であったプロのバレリーナになる道が無いと感じさせるのに十分でした。

ステファニーさんは「ヒジャブはどうしてもはずしたくありません」と話しています。「ヒジャブは私の一部であるとても大切なものです。これは、愛する信仰の証なのです」そして、幼い頃からの夢を諦める事にしました。

しかしステファニーさんに大きな転機が訪れます。それは世界最高峰のバレエ団「アメリカン・バレエ・シアター」で、ミスティ・コープブランドが黒人女性として初めてプリンシパル(トップダンサー)に選ばれた事でした。

記者会見で「アフリカ系米国女性がこの地位を得られる日が本当に来るのか、不安で自信を失くしてバレエを止めようと思ったりもした」と答えていました。それでも道を諦めずに踊り続けてきたミスティの存在に、ステファニーさんは大きな衝撃を受けました。

そしてヒジャブ姿で活躍するUAEの重量上げ選手アンマ・アル・ハッダードや、ヒジャブをつけたアメリカのキャスター・ノール・ティガー等、ヒジャブ姿で活躍する先人達の存在も大きな刺激になりました。そして、自分が世界で初のムスリムバレリーナになれば、自分と同じ様な思いの子供達へ勇気を与え、そして彼らが続く道を作る事が出来るのではないかと思い始めます。

「バレエの素晴らしさを伝えてゆきたいのはもちろんだけれど、服装や、人種、肌の色、宗教に関係などによって、夢を諦めなくてはならなくなっている子供達をサポートしたいのです」

現在、ステファニーさんは、夢の実現に向けてクラウドファンディングでバレエスクール開設のための費用を募っています。宗教や人種、肌の色など関係なく、誰もが学べるバレエスクールを開いて、一緒にプロのバレリーナを目指したいのだそうです。

14歳のステファニー・ケルロウさんの、大きく美しい夢の行方に注目が集まっています。世界初のヒジャブ・バレリーナの誕生を、私たちはこの目で見る事が出来るかもしれません。これからの彼女の活躍を、ワクワクして見守ってゆきたいと思います。

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