記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
先日Twitterで猫の輸血を求めるツイートが話題になりました。

考えてみれば猫にも輸血は必要とわかりますが、あまり知られていないのではないかと思います。

今回は猫の輸血について、獣医師に詳しい話を聞きました。

猫の輸血とは?

猫も人間と同じように、貧血がひどいときや手術のときなど、輸血が必要となることがあります。

猫の輸血の方法は2通りあります。
1.同種血輸血
比較的かんたんにできる一般的な輸血方法です。他の猫の血液を用います。若く元気があり、健康で各種予防をきちんと受けている室内飼育の猫の血液が望ましいです。
一方で副作用として発熱したり、じんましんが出たりします。また、輸血された血液の中の白血球が輸血相手の細胞を異物とみなしてしまうと攻撃を始め、死に至ることもあります。

2.自己血輸血
同種血輸血で起こる副作用を避けるためにも用いられる方法です。自己、つまりその猫自身の血液を用います。
ただ、同種血輸血に比べ、大がかりな器具が必要です。その扱いに熟練した獣医師、自己血の準備も必要なので、実施できる動物病院はとても少ないのが現状です。

猫の血液型を知ろう

同種血輸血では、輸血する猫、輸血される猫、どちらも血液型を調べます。調べ方は市販されている血液型を判定するキットを使う方法のほかに、動物病院でも調べることもできます。

猫の血液型はA型、B型、AB型の3種類です。人間と違ってO型はありません。

【A型】
日本の雑種猫はほとんどA型といわれています。
純血種では、A型はアメリカンショートヘアー、シャム、バーミーズ、トンキニーズに多いです。

【B型】
B型が多いのはアビシニアン、バーマン、ブリティッシュショートヘアー、ペルシャ、ヒマラヤン、デボンレックスなどです。

【AB型】
AB型はめったにいませんが、スコティッシュフォールド、ソマリ、バーマンに少しいることがあります。

血液型を把握しておけば、安全に輸血を受けられます。
A型の猫は比較的多いので必要量を集めることは難しくないですが、B型、AB型の場合、個人の動物病院での輸血は難しいかもしれません。

なお、B型の猫が持っている「抗A抗体」はとても強力ですので、B型の猫にA型の血液を輸血することはできません。死に至ることもあり、非常に危険です。

我が家の猫も献血に協力できるの?

「若い、栄養状態がいい、元気、毎年きちんと予防接種を受けている、室内飼育」という条件をクリアできれば、輸血用に血液を提供することができます。事前に各種検査で、体全体が健康かどうかを調べてから採血します。

動物病院では、輸血用に猫を飼っています。しかし、それでも血液が足りなければ近隣の動物病院から猫を借りてくる、動物病院に来ている飼い主さんにお願いするなどで血液を提供してもらうこともあります。

猫は身体が小さいので一頭あたり採血できる量も限りがあります。1度輸血用に採血したら、1ヶ月くらいは採血しない方がいいでしょう。

血液型を知っておくと、いいことも。

猫の血液型を調べることは、出産や子育てでの危険の回避にも役立ちます。
母猫がB型で子猫がA型の場合、大変危険なことがあります。A型の子猫がB型の母猫の初乳を飲んだだけで、子猫の赤血球が壊されます(新生児溶血と言います)。これに気付くのが遅ければ、数日で死に至ります。

これを予防するためにも、交配させる前に親猫の血液型を調べることで、B型のメスとA型のオスの組み合わせを避けることができます。
※どうしてもB型メスとA型オスの組み合わせになる場合は、産まれた子猫に母乳を与えず人工乳で育てれば大丈夫です。

《200頭~1000頭に1頭の割合で発生!猫も糖尿病になる?》
【コラム】まさか愛猫が糖尿病に?気を付けたいサインとは?

【獣医師からのアドバイス】

今後、事故にあった猫を助けることや猫の出産に関わる機会があるかもしれません。

猫の血液型のことは、ぜひ知識として覚えておきたいですね。

(監修:Doctors Me 獣医師)

この記事を書いたユーザー

Doctors Me(ドクターズミー) このユーザーの他の記事を見る

Doctors Me(ドクターズミー)は、医師、薬剤師、歯科医、栄養士、カウンセラー、獣医に相談できる、ヘルスケアQ&Aサービスです。医師をはじめとする専門家が解説する人気コラム、病気・症状の体験談等を配信中!

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス