記事提供:子ある日和

最近話題になっている「トランス脂肪酸」「サラダ油」の危険性。誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

「トランス脂肪酸」「サラダ油」は具体的にどのような影響があるのか。どんな食材に使われているのかを知っているママはそれほど多くないと思います。

今回は、「食生活」に重点をおき活動されている『NPO法人 cocorowa』理事長の浅井先生に「油」が身体に及ぼす影響についてお聞きしました。

プロフィール

NPO法人 cocorowa 理事長

浅井 夕佳里


エジソン・アインシュタイン協会 研究所長。発達障害の子供たちの教育に長年携わり、子どもの発達心理教室やカウンセリングを行っている。

進行:子ある日和 編集部

脳の60%は油でできているという事実をご存知でしたか?

脳は水分を除いた重さの60%が油でできているということを知っていましたか?つまりコレステロールの塊なんです。

脳だけではありません。私たちの身体の細胞、その他の臓器も油(脂質)でできていて、身体は最適な油を常に必要としています。

どんな油でも大丈夫なわけではありません。極端に言えば、脳が良い油でできているか、悪い油でできているかによって、『頭の良い悪いが決まる』と言っても過言ではないのです。

身体に最適な油とは?

「身体には最適な油が必要」と前述しましたが、特に脳についてお話ししたいと思います。

少し難しい話になりますが、脳内の神経細胞は食事からとった油が分解された物質脂肪酸で作られた膜に包まれています。

また、他の細胞に情報を伝える信号の役割をするシナプスという部位にも、脂肪酸が欠かせないのです。

そして、シナプスに不飽和脂肪酸の『オメガ3』という油が20%以上含まれていないと、正しく脳の信号が機能しないと言われています。

ところが、発達障がいの方やアルツハイマー、認知症と診断されている方には、シナプスに『オメガ3』が7.9%しかない、というデータ結果が発表されています。『オメガ3』が圧倒的に不足しているということです。

つまり、正しく脳が機能するためには、『オメガ3』という油が必要ということになります。

脳にとって悪い油とはなんでしょう?

皆さんは、ケーキやクッキーなどのお菓子は好きですか?朝食で召し上がる食パンに何をぬっていますか?

皆さんが好きなケーキやクッキー、菓子パンには、マーガリンやショートニングという油が使われていますが、これらの油にはトランス脂肪酸が含まれています

■トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸は製造過程での酸化防止に、水素を添加して化学的に処理された油。自然界に存在しない物質です。

脳は油が必要ですが、自然界に存在しない油であるトランス脂肪酸が、脳の細胞膜に入り込んでしまうと、細胞膜や細胞の働きを狂わせてしまいます。脳の信号が正常に機能しなくなって脳を混乱させてしまうのです。

その結果から、ADHDや衝動的行動、キレるといった問題行動や睡眠障害、さらには不安などにもつながっていると欧米では指摘されています。

■トランス脂肪酸が多く含まれる食材

先程少し触れたマーガリン。「マーガリンは植物性だから体に良いんじゃないか?」というイメージがあるかもしれません。けれども実際は全くの誤解です。

マーガリンは冷蔵庫に入れていても固まることはありませんよね。それは、使いやすさを求め、人工的に加工された証です。

また、コーヒーを飲むときに入れるコーヒーフレッシュと言われるミルク。

ミルクと書かれているので、ミルクだと思っている方も多いと思いますが、実は乳製品ではなく、植物性油を加工して乳化剤で白くした、トランス脂肪酸そのものです

時々、甘いコーヒーが好きだからと言って、コーヒーにいくつものコーヒーフレッシュを入れている方を見かけますが、それは健康を害するとても危険な行為です。絶対にやめましょう。

身体も小さく、解毒機能も未発達、発育途上の子どもたちにとって、これらの物質が一体どれほどの影響を及ぼすのか…。

具体的に証明されていませんが、トランス脂肪酸という油は、化学的に処理されたもので身体にとって有害な物質だということをママは常に意識しておくべきだと思います。

身体に良い油「オメガ3」は何に含まれているの?

脳に良い油「オメガ3」は何に含まれているのでしょうか?それはサバ、イワシ、サンマ、アジといった青魚に多く含まれています。お刺身で食べれば魚がもつ「オメガ3」をそのまま摂取できることになります。

実は、マグロや鮭も「オメガ3」の含有量は高いのですが、これらの大型魚は食物連鎖の頂点にいるので、水銀やポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有害物質を含有しているため食べすぎは禁物です。

特に発達障がいの方は解毒力が低い方が多いので、避けた方が良いでしょう。

妊婦さんや授乳中のママも、胎児や乳児がこれらの有害物質の影響を受けやすいので注意が必要です。もちろん、ツナ缶もマグロであることを再認識しておきましょう。

■青魚以外に含まれているものは?

「オメガ3」は、エゴマ油、紫蘇油、亜麻仁油、といった油やクルミ、チアシード等にも含まれています。

最近では、手軽に入手できるので上手に食しましょう。

「オメガ3」の注意点としては光や熱に弱い油なので、他の油と違って冷蔵庫で保管し早めに使いきることです。

高温での調理には向かないので、ドレッシングにしたり、お味噌汁を飲む際に少したらしたり、お浸しにかけるなどでおいしくいただけます。

その他の油は身体にとって有害なの?

では、「オメガ3」以外の油は全て身体にとって有害なのか?と言われると、そういうわけではありませんが、摂り過ぎには注意が必要です。

■油には脂肪酸の種類によって2種類に分けられる

油は主に脂肪酸の種類によって分けられ、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があります。

■不飽和脂肪酸とは

不飽和脂肪酸は先程紹介したオメガ3の他にオメガ6、オメガ9があり、オメガ3とオメガ6を多価不飽和脂肪酸、オメガ9を一価不飽和脂肪酸という言い方もします。

オメガ6はコーン油、大豆油、ゴマ油等の植物油やサラダ油と言われるもので、オメガ9はオリーブオイルが代表的です。

私たちの身体はオメガ3とオメガ6の摂取する割合として、1:1~4が良いと言われていますが、現状は、1:10となっており、オメガ6の摂取が過剰状態です。

なぜなら加工食品の油はほとんどオメガ6で、現代の食生活ではオメガ6は意識しなくても摂取できてしまうからです。

オメガ6は身体にとって必要な油ですが、取りすぎは細胞膜に炎症を起こし、神経細胞が正常に働かなくなります。

ファーストフード、スナック菓子やマヨネーズにも大量のオメガ6が使われているので、子どもたちの脳の働きを悪くする危険があります。食べ過ぎには気を付けましょう。

■飽和脂肪酸とは

飽和脂肪酸は、肉類の脂肪やバターが代表的に知られています。

飽和脂肪酸は、エネルギー源として大切な脂肪ですが、常温では固体で存在するため、体内で固まりやすく、血液の粘度を高めて流れにくくします。

そのうえ中性脂肪や悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の合成を促すので、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病につながる危険性もあるため、摂り過ぎには注意が必要です。

■飽和脂肪酸の中の例外『ココナッツオイル』

飽和脂肪酸は健康的ではないというイメージを持たれたかもしれませんが、飽和脂肪酸の中でとっても良い油として紹介したい油もあります。

それはココナッツオイルです。

ココナッツオイルは中鎖脂肪酸と言われ、素早くエネルギーに代謝されるので肥満の原因なりにくい油です。

また、ココナッツオイルは、肝臓で分解されてケトン体というものできますが、このケトン体は脳のエネルギー源になります。

今回は、「油」についてご紹介しました。

子どもたちの脳を守るために、トランス脂肪酸やオメガ6の摂取を減らすこと。オメガ3を含む食材を積極的に摂取すること。オリーブオイルやココナッツオイルを食生活に取り入れること。

以上、3点を心がけて生活してみてはいかがでしょうか。

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