記事提供:カラパイア

来店した客により多くの、そして利益率の高い料理を注文してもらおうと、レストラン(飲食店)のメニューブックにはさまざまな工夫が凝らされている。

メニューエンジニアやレストランコンサルタントの腕の見せどころでもある。そのなかでも人の心理に訴えかける8つのトリックを見ていこう。

1. 選択肢を制限する

「選択のパラドックス」というものがある。米心理学者のバリー・シュワルツが唱える説で、選択肢が多すぎると、人は不安になり、満足度が下がるというものだ。

それをメニューに生かすとなると、最適なのはカテゴリー(前菜、主菜、サイドディッシュなど)ごとに多くて7品に限定することだという。

メニューエンジニアのグレッグ・ラップ氏は、「7品より多くなると、多くの人は数に圧倒されてどうしていいかわからなくなり、結果的に以前食べたことのある料理を選ぶ傾向がある」と指摘する。

「メニューを複雑にすることは、客に苦痛を与えるようなもので、苦労して選んだ料理があまり美味しくなかったとなると、その店に対する満足度も下がり、リピーターとなる確率も減る」とレストランコンサルタントのアーロン・アレン氏も話している。

2. 写真を加える

ラップ氏によれば、美味しそうな写真を加えることで、その料理の売り上げは30%増しになるという。特にお腹を空かせている時に写真を目にすると、「その写真のものをちょうだい」となる。

ただし、写真がごちゃごちゃと多すぎると安っぽい印象を与える。ほとんどの高級レストランは、高級なイメージを保つためにもメニューに写真を使用しない。

3. 価格表示を操作する

客になるべく多くのお金を使ってもらうひとつの手は、価格表示を目立たなくすることだという。

アレン氏は、「ドル($)マークは、これからお金を使うんだということを人に思い出させるので、使用しないようにしている」と話す。「$12.00」の代わりに「12.00」、時には単に「12」と表示するわけだ。

また、2009年にコーネル大学が行った研究によれば、価格を数字ではなく文字(例:twelve dollars)で表示したほうが、客はより多くの金を使う傾向があるという。

4. 高価な料理をおとりに使う

店で一番高価な、場合によっては法外な品をメニューの上部など目立つところに配置すると、それ以外が比較的リーズナブルに見えてくるものだ。3万円のロブスター料理を見て驚いたあとなら、7000円のステーキが安く思えても不思議ではない。

また、そのレストランの価格帯のなかでもやや高価なメニューを打ち出すと、料理全体の質が高いと客に思わせやすいという。

2014年に行われた実験では、まったく同じ内容のビュッフェを4ドルと8ドルで提供したところ、8ドルのビュッフェのほうが満足度が高かった(美味しかったと評価された)という結果が報告されている。

5. 人の視線の動きを利用する

たとえばスーパーマーケットでは人の目の高さに来る棚に売れ筋商品を陳列するように、メニューにも人の視線の動きを考慮した工夫が用いられている。

ラップ氏によれば、右上のスペースが“一等地”なのだという。「真っ白な紙を渡された時や、雑誌のページを見る時、人がまず注目するのは右上です」。

したがって、店の利益になりやすい料理を右上に配置する。そして前菜は左上、サラダはその下に配置することで、客もメニューを構成しやすくなる。

また、利益になりやすい料理やオススメの周囲にスペースを取ったり、罫線などで囲んだりすることもそこに視線を集めやすいという。

6. 色を活用する

たとえばブルーは鎮静効果や落ち着いた印象を与えるために使用されるなど、色にはさまざまな感情を喚起し、人に動機づけする力がある。

そして、赤は食欲を刺激し、黄色は注目を集めやすいという特徴から、食品の訴求に関してはこの2色の組み合わせがベストだという説がある。

実際、アメリカ発ではマクドナルド、バーガーキング、デニーズ、ピザハットなど、日本でも松屋、すき家、鳥貴族などのロゴが赤と黄色を基調としている。

7. 五感に訴えかける説明文を加える

メニューの名前や説明が詳細で長いほど、人はそれに対して金を払うことに抵抗がなくなるという。なぜなら、店側もそれだけの手間暇をかけていると思うからだ。

たとえば「チョコレートプディング」の代わりに「なめらかチョコレートプディング」とするだけで、より多くの人が注文するだけでなく、実際に美味しかったと評価する確率が高くなるという。

人は、情報をもとに味を判断するところが多分にある。ほかにも「農場育ちの○○」「一本釣りの○○」「地元○○産の」とするだけで、実際以上に上質で美味しい料理だと思わせる効果があるという。

8. 郷愁に訴えかける

子どもの頃に大好きだった、お母さんやおばあちゃんのあの味。メニューで過去の時代に言及・示唆することは、家族や伝統の幸福な記憶、さらにはナショナリズムを引き出すという研究結果もあるぐらいだ。

店側もそれはよくわかっていて、「おばあちゃんのチキンスープ」といったメニューが乱発されることになる。

出典:mentalfloss

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