子供ができ、その子供が成長すればまた孫ができ、家族がどんどん増えていく一方で年老いた自分の「居場所」が家族の中にはもうないと感じる高齢者も決して少なくないようです。

居てもたいして何をするわけでもないし、ただ居るだけ…家族が別に何かを言うわけではないけれどみんな忙しそうにしている姿に気おされるかのように「自分はもうここには必要ないのかも」と思ってしまい、結局は自ら老人ホームに入居という形で孤独を選んでしまう人たちも…。

アメリカの映像制作会社が公開した一本の動画に泣ける

出典 Vimeo

「Junk Mail」というこちらの動画、今話題になっているのをご存知ですか?主役は98歳のごく普通のおばあちゃん。一人暮らしの彼女の日課は、週末以外、迎えの車である老人ホームに行くこと。

施設には顔見知りのスタッフや友達がいて、どうやって暇を紛らわそうかと考える必要もなく、お喋りやゲーム、楽器の演奏など色んなことを楽しめます。これまで施設のスタッフは、施設に来るおばあちゃんの姿しか知りませんでした。

でも、今回映像制作会社のスタッフがおばあちゃんの家にカメラを設置して、おばあちゃんが家ではどんな風に時間を過ごしているかを知った時に激しいショックを受けたのです。

家で孤独を紛らわすためにおばあちゃんがしていた事とは…

Licensed by gettyimages ®

誰もいない部屋で一人、おばあちゃんがしていたこと。それは郵便ポストに度々入れられるジャンクメールを細かくちぎって捨てることだったのです。「細かく、もっと細かくちぎっていくの。何かしていないと気が狂っちゃうわ。」聞こえるのは紙を破る音だけ。

静かな空間でただただジャンクメール相手に時間をつぶすおばあちゃんの姿が、施設スタッフの涙を誘いました。施設内では誰かに囲まれた時間を過ごすことができる。でも施設外ではこんなにも寂しく、孤独な生活…。

「この生活以外に何があるわけでもないもの。」

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撮影スタッフに「この家が好きですか?」と尋ねられたおばあちゃんの答えがまたも胸に刺さります。「好きとか嫌いとかっていうより、ここでの生活しかないもの。嫌だと言ったところで何ができるかって何もできないでしょう。」

98年という長い人生、人の親となり忙しい生活を送ってきた時代もあったことでしょう。でも今、おばあちゃんにあるのは限りない孤独のみ…。ショックを受けた施設のスタッフがおばあちゃんに語りかけます。「大丈夫よ。私たちはあなたを愛しているわ。一人じゃないわよ。」

悲し過ぎるのは、自分の未来の姿かも知れないから…

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この映像を見たユーザーからは様々なコメントが寄せられていますが、この98歳のおばあちゃんのように家族や親戚と関わることなく毎日をデイサービスで過ごし、家では孤独に溢れそうになる自分をなんとか紛らわそうとしている老人が世界にはたくさん存在することでしょう。

世界で少子高齢化が進んでいるという事実は、この映像を見ている側に、ひょっとしたら自分もこうなるかもしれないという未来の姿を想像するに十分なのかも知れません。

悲し過ぎる高齢者の孤独な日々。自分の存在価値、生きて来た意味は何だったのだろうかと考えてみてもどうにもならないこと。今はただ、1日1日を淡々と過ごしていくだけ。おばあちゃんの冷蔵庫には、孫と思われる子供たちの写真がマグネットで貼ってありました。

おばあちゃんは一年に何回、家族に会うことができるのでしょうか。それぞれの家族が様々な事情を抱えているために、独りで暮らし老人ホームへの行き来というだけの毎日という年老いた親を抱えている人も少なくないと思います。

この動画を見て、もし離れたところに住んでいる家族がいるなら電話をして声を聞いてみたい気持ちになることでしょう。あまりにも悲し過ぎる高齢者の現実。それは未来の私たちの姿なのかも知れません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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