記事提供:TOCANA

震災から、まもなく5年がたとうとしている。今なお、心の整理がつかない人たちが大勢いる中、被災地・石巻の町では不思議な出来事が報告されている――。

■石巻のタクシードライバー7名が幽霊を乗せたと証言

英紙「Telegraph」(1月21日付)では、この春、仙台の東北学院大学を卒業する女子大生が書いた卒論が話題となっている。

同大学で社会学を学んできた工藤優花さん(22歳)は、「震災による死」と人びとがどう向き合い、感じてきたかを、宮城県石巻市でのインタビューを通して探った。その質問とは「タクシーに幽霊を乗せたか」というものだ。

宮城県石巻市中瀬 「Wikimedia Commons」より。

実は、石巻市ではタクシーの運転手たちが「幽霊をタクシーに乗せてしまった」という話が後を絶たない。

石巻は地震と津波により6000人近い尊い命が失われてしまった場所だ。災害と幽霊――これらに関連性があるのか、

工藤さんの問いかけに100人のタクシードライバーのうち7名が幽霊体験を語ってくれた。

そのうちの1つは震災から数カ月後、石巻駅近くで乗り込んできた若い女性の話だ。「南浜まで」と告げる乗客を怪訝に思った運転手が「もうあそこは更地で何もないですよ。

よろしいんですか?」と尋ねると「私、死んだの?」とつぶやいたという。ゾッとして振り向いた時には、後部座席は空っぽになっていた。

また、別の運転手は20代の男性客を乗せ、行き先として告げられた町へ到着した時には、もう誰もいなかったというのだ。

タクシードライバーは客が料金を踏み倒した場合、自分で代金を弁償することになっている。たとえ“幽霊”が無賃乗車した時でも例外ではないため、悪ふざけで身銭を切るようなことは考えにくい。

また、「不足金あり」と記載された乗務日報を見せてくれたドライバーもいたという。

なにより、工藤さんには運転手たちが幽霊との遭遇を怖がっているようには見えず、むしろ幽霊に畏敬の念を持ち、大切な思い出としているのが印象的だったと話す。

なお、幽霊の目撃談はタクシードライバーに限ったことではなく、被災した東北沿岸部のあちこちで聞かれているそうだ。

亡くなった方がスーパーの前で列に並んでいるとか、以前住んでいた近所を歩きまわっているなど…。

津波の被害を受けた日本製紙・石巻工場 「Wikipedia」より。

だが、医学的には、これらはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状の1つといわれている。

北米のコロンビア大学とカナダ大学、レジャイナ大学の共同研究によれば、大災害の被災者は5人に1人の割合で「他の人には見えないものを見る」と報告されているのだ。

亡くなった人を目撃する人の多くはPTSD患者で、特に殺人を目撃したり、災害などで家族や友人をむごたらしく失い、強いショックを受けた場合に起こりやすいという。

また、石巻を中心に精神保健医療活動を行っている原敬造医師は「幽霊を見たという場所は、津波で完全に消滅してしまった土地が多い。

おそらく、その場所が恐怖や不安を呼び起こし、人の心に何かを映し出すのでしょう
」と説明している。

もちろん、心の傷が死者を見せている可能性は否めない。だが、見知らぬ者同士が、同じ場所で同じ霊を見てしまうというレポートもある。

だとすれば、それは脳内の現象ではなく「存在している」と表現した方が的確ではないだろうか?

どちらにせよ、復興が進む石巻の町の人びとも、そして目には見えない者たちも、深い傷が癒える日が一日も早く来ることを願ってやまない。

出典:Daily Mail
出典:Telegraph

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