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もうすぐ東日本大震災から5年になります。震災が起きてから、多くの国が支援をしてくれた中で特に台湾はとても尽力してくれました。

病院の再建だけではなく、金銭的な面でも多くの支援をしてくれたことを決して忘れてはいけません。

そんなあたたかい支援をしてくれた台湾の方の中で、個人で10億円という莫大な金額を寄付し、支援物資の輸送にも協力してくれたある人物が先日この世を去りました…。

台湾の大企業・エバーグリーングループ総裁の張栄発さん

出典 http://japan.cna.com.tw

エバーグリーングループは海運、航空、倉庫物流、ホテル事業など多岐に渡る事業を展開する大企業で、張さんは一代でこの企業を築き上げただけでなく、その人柄も国内外で高く評価される人徳者でした。

その人生がどんなものだったのかについても振り返ってみましょう。

張栄発氏は日本統治時代の1927年10月6日、宜蘭県蘇澳鎮で生まれ、日本式の姓名に改め、日本語を話す「国語家庭(国語の家)」で育った。

基隆市に転居し、南日本汽船の用務員から、15年間の船員、船長生活を経て、61年、65年に友人と海運会社を設立した後、68年9月、氏名の一部「張栄」から名付けた長栄海運(エバーグリーン・マリン)を設立し、中古船一隻で事業を開始した。

出典 https://www.ys-consulting.com.tw

張さんは日本が台湾を統治していた時代に生まれたこともあり、親日家としても知られています。たった一隻の船から世界的なグループにまで会社を広げることは、並大抵の経営者では成し得ないことです。

1989年には航空事業としてエバー航空を設立し、その後もホテル事業や保険会社の事業も始めました。幅広く事業を展開しつつ利益もしっかり上げており、グループ全体の年間売上は日本円で1兆円以上とも言われています。

さて、東日本大震災では個人的に10億円の寄付をしてくれた張さんですが、お金での支援以外にも自社の力を使った支援もしてくれていました。

自社インフラをフル活用して支援物資を送ってくれた

出典 https://www.facebook.com

東日本大震災直後は、物流がストップするだけではなく、必要な物が手に入らないという事態があちこちで起きていました。そこで張さんがどんな行動を取ったのかというと…

地震発生後ただちに、長栄グループ傘下の海運および航空会社に対し、各種の必要な緊急救援を提供するよう指示したほか、各国政府や国際救援組織の関係者および物資を被災地まで無料で運ぶようにも指示した。

出典 http://www.roc-taiwan.org

先述の通り、エバーグリーングループは船と飛行機というインフラを持っています。「このインフラを生かさない手はない!」ということで、張さんは支援物資と救援スタッフを被災地まで送り届けるために、自社の船と飛行機を活用したのです。もちろんこれらの行為は、無償で行われました。

そして、この支援の裏話について言及している方もいたので紹介しておきます。

皆さんご存知の通り中国と台湾の間には問題があり、日本もそれについて踏み込めない状況が続いています。しかし、人命を第一に考え「自社の飛行機を無償で飛ばします」との英断をいち早く下したのは張さんだったのです。もし、中国や日本の外務省がそうしたしがらみを捨てて、李登輝元総統の申し出を受けていたらと思うと、筆舌に尽くしがたいものがあります。

これらの張さんの活動は、日本政府としても大変重く受け止められ、震災の翌年には日本から張さんに対して勲章が授与されたのです。

台湾の方としては最高位の勲章が贈られた

出典 http://japan.cna.com.tw

張さんの支援は日本としても大変有難いものでしたし、支援以外でも長年日本と台湾の経済的交流に貢献していたこともあり、2012年には台湾の方としては最高位である旭日重光章を受章したのです。

張さんは、「自分の死後は全ての遺産を寄付する」と生前から明言していただけに、単なる凄腕経営者ではなく社会貢献を一番に考える人であったことが窺えます。

そんな張さんの訃報は日本では大きく報じられませんでした。しかし、ネットでは張さんに対しての感謝とその死を惜しむ声が多く寄せられていました。

Twitterの声

大きく報道されていないだけに、名前を知らない人もいるかもしれません。是非忘れずに感謝の気持ちを持ち続けたいですね。

個人での寄付だけでも有難いのに、会社としても支援をしてくれたことは感謝しかありません。

社会貢献を考えている数少ない経営者だったのではないでしょうか。同じような志の方が今後増えていくことを願うばかりです。

国籍の違う方がここまで日本のことを考え、尽力してくれたことを忘れたくありませんね。

他にもTwitterでは、「こんなに日本に尽力してくれた方の死を、なぜ大きく報道しないのか?」という声も多く見られました。

中国との兼ね合いに起因しているとはいえ、感謝の気持ちや死を悼む報道はもっと自由であって然るべきなのではないでしょうか。

最後に張さんの生前の御厚意に感謝の意を示すと共に、ご冥福をお祈りしたいと思います。

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動物が大好き。会社員であり、流浪のライターとしても活動。
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