記事提供:CIRCL

英国国立医療技術評価機構(NICE)の報告によると、慢性的な症状に対して処方された薬剤の半分が正しく服用されていないという。

例えば、「目薬を使ったあとに目をパチパチする」などは多くの人が実行していると見られるが、実のところ、これらは間違った服用方法なのである。

命に関わる薬、正しく使えたのは半数以下

インペリアル・カレッジ・ロンドンで行われた調査では、重篤なアレルギー症状をもつ子どもの母親158人に対して、「エピペン」を正しく使えるかどうかが調べられた。

エピペンは、アレルギー反応による重篤なショック症状(アナフィラキシー反応)を緩和する自己注射薬である。

アナフィラキシー反応は、呼吸困難などを引き起こし最悪の場合死に至るなど、命に関わるものである。

このアナフィラキシー反応を緩和するエピペン。ペンのような形で、中にアドレナリンを含み、アナフィラキシー症状が出たときに太ももに注射をすると、ショック症状を和らげることができる。

患者や家族は常にエピペンを持ち歩き、必要なときに注射できるように備えておく必要がある。

調査の結果、正しくエピペンを使えた母親は半数にも満たなかった。ある母親はエピペン注射を逆さにして使おうとした。

また、ある母親はキャップをしたまま注射しようとしたという。母親たちは6週間前に、エピペンの使用方法を学んだばかりだったという。

意外に多い!薬の間違った服用の仕方

エピペンのような命に関わる緊急薬ですら、半数も正しく使えなかったという状況はとても衝撃的である。しかし、NICEの発表によると、事態はより深刻かもしれないことに気付く。

慢性的な症状に対して処方された薬剤の半分が、正しく服用されていないというのだ。いくつか下に間違った例を挙げたが、あなたは正しく使えているだろうか?

・間違い:目薬をさしたあと、目をパチパチする

上を向き、目に目薬を垂らしてから、薬を馴染ませるように数度まばたきをしてはいないだろうか。これでは、目薬の効果が十分に得られない。このようなやり方では、まず目薬がすぐに目から喉に流れ込んでしまう可能性がある。

目頭にある涙小管という細い管は、目と喉をつないでいる。したがって、目薬をさしたら2分くらい目頭を軽く抑えることで、目薬がすぐに涙小管へと流れ出るのを防ぐことができる。

また、目薬を垂らす場所は、目の球面ではなく、目の下の皮膚を軽く引っぱってポケットを作り、その中に垂らすほうがよい。

そして、素早くまばたきをするのではなく、ゆっくりと目を閉じたほうが、薬は眼球全体に行き渡るのだ。

・間違い:点鼻薬をスプレーしたあとに鼻をクンクンする

花粉症や鼻炎などで使用するスプレータイプの点鼻薬。鼻にシュッとスプレーしたあと、鼻から息をクンクンと吸うと、なんとなく、薬剤が全体に行き渡るような気がする。

しかし、このやり方では薬がすぐに喉に流れ込んでしまい、効果がしっかり得られない。

スプレーは、鼻の局所に近づけすぎず、鼻の粘膜全体に広く当たるよう、左右交互にゆっくりと行うのがよい。

・間違い:貼り薬を切って使う

シップなどの貼り薬を小さく切って使うことはおすすめできない。貼り薬には鎮痛薬や抗炎症薬などの薬剤が含まれており、薬が徐々に皮膚から吸収されるように、繊細な層状の構造をしているものがあるからだ。

小さく切ってしまうと、この層状の構造が破壊され、一気に薬が流れ出てしまうことがある。

これらは身近な薬の使い方の一例だが、いかがだろうか。薬からしっかりとした効果を得るためには、いつ、どれくらいの分量を服用するのかと同じように、どのように服用するのかということも非常に重要だ。

処方薬でも市販薬でも、薬の説明書には服用の仕方についても記載されているので、ぜひ目を通すようにしたい。それでも不明な点は、処方を受けた調剤薬局やメーカーのお客様相談室に問い合わせるのがよい。

そこには薬剤師ら専門家が常在し、さまざまな相談を受け付けてくれるので有効活用しよう。

出典:dailymail

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