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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
予想外の事件に巻き込まれたとき、だれもがパニック状態に陥ったことがあるのではないでしょうか。

ところで、同じ「パニック」という言葉が使われている疾患の「パニック障害」とはどんなものなのでしょうか。今回はパニック障害について、医師に詳しい話を聞いてきました。

パニック障害はどんなもの?

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パニック障害は不安障害の一種です。きっかけもなく突然強い恐怖感を感じ、同時に過呼吸や動悸、胸苦しさ、発汗をともなうパニック発作を起こします。
「また今後も同じような発作が起きたらどうしよう」と不安になり、外出などがままならなくなってしまう疾患です。症状を起こす特定の原因がなく、いつ発作が起きるかわからないという点で患者の恐怖心は強くなります。

パニック障害の方は「気が狂ってしまうのではないか」という恐怖から、一刻も早く安全な場所、例えば自宅などに行こうと、突飛な行動をする場合があります。パニック発作自体は20分以内におさまるものですが、本人にとっては非常につらい、長く感じる時間です。

パニック障害のかたは、不安を紛らわすためにお酒に頼ってしまっている場合があります。ですからアルコール依存症の中には、パニック障害の人が混じっている場合もあります。

また仕事をやめてしまうなど、生活で消極的な変化が見られるかたの中にも、パニック障害の人がいる場合は多いようです。

診断基準は?

パニック障害を他の不安障害と切り分けるのはなかなか大変です。
診断基準のひとつは、次の13の項目から4つ以上が「突然出現し、10分以内にピークに達し、その状態が2回以上起こるもの」とされています。

1.動悸、心拍数の増加
2.発汗
3.身震い、震え
4.息切れ感、息苦しさ
5.窒息感
6.胸痛、胸部不快感
7.吐き気、腹部不快感
8.めまい感、ふらつき、気が遠くなる感じ
9.現実感がなくなる感じ、もしくは自分ではなくなる感じ
10.気が狂うのではないか、自制できないのではないかという恐怖
11.死ぬのではないかという恐怖
12.感覚麻痺などの異常感覚
13.冷感または熱感

パニック障害と同じような症状を起こすもの

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1.広場恐怖
道路や広場などに一人とり残されるという場面に対する恐怖症

2.社会不安障害
人前で話すことや行動することに対して不安が強すぎる

3.身体表現性障害
身体の疾患があるような症状があるが、原因となるような身体疾患が見当たらないもの

4.甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが多く放出されることによって手のふるえ、動悸、不眠、イライラ、食欲亢進、下痢、体重減少、精神症状などを示す内分泌疾患

5.過敏性腸症候群
不安や緊張にともない、腹痛や腹部不快感、便秘や下痢を起こす疾患

パニック障害の診断をするには、これらの疾患についての見極めも重要になってきます。

パニック障害の原因と治療方法は?

パニック障害の原因は、脳内の神経伝達物質のセロトニンの働きの異常が関与しているのではないかと推測されています。しかし、明らかな答えは、残念ながらまだはっきりとはわかっていません。脳の複数の部分の過活動と、前頭前野の機能低下が見られることは明らかになってきています。

医療機関では主に抗うつ薬、抗不安薬などで治療されます。「認知行動療法」もありますが、行っている医療機関はまだまだ少ないのが現状です。

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【医師からのアドバイス】

パニック障害は、残念ながら原因もはっきりしておらず予防することはできません。
しかし、症状に当てはまるようであれば早めに医療機関に受診し、元の生活が送れるよう、適切な治療を受けることをおすすめします。

抗うつ薬は、いい状態となってからも1年間は薬を飲み続け、その後に徐々に減らすかどうか検討していくことが多いようです。気長に治療していくという心構えも必要ですね。

(監修:Doctors Me 医師)

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