筆者の家族が大好きだった近所の商店街の豆腐屋が廃業しました

豆腐屋さん
by yomayoma

筆者、買い物はなるべく近所の商店街という思いがあり、肉は肉屋、魚は魚屋、豆腐は豆腐屋…。そういうのが好きなのです。

何故かというと、専門店は、そのプロがやっていますし、自分で作った物を売っている責任感もありますし、いつまでもその街にいてくれますし…。「人間がやってる」感が響くのでしょうかね?

筆者の家のすぐそばの商店街も、シャッター通りになってきましたが、複数軒あった豆腐屋のうち、最後に残った一軒が頑張って毎日商売をされていました。

筆者は水商売なので、明け方に帰りますが、商店街で唯一店を開けていて早朝から作業していて、「おかえりなさ~い!」と言ってくれるから、嬉しくて毎日目の前を通って帰宅したものです。

筆者の幼い息子のことも可愛がってくれて、何かをオマケをしてくれたり、いつも笑顔で手を振って名前を呼んでくれたりもしました。

そして、勿論豆腐・油揚げ・豆乳・厚揚げ・豆腐ハンバーグ…味も一流でした。

でも…。「新しい高額な機械を買わないと続けられないが、そこまでして続けるほど若くないし…」のようなことを言って、実に40余年に及ぶ地域に愛された豆腐屋を閉店させました。

筆者としても商店主の大先輩で尊敬していたところもあり、今でも毎日のように、シャッターになった豆腐屋の前を通っては、豆腐屋があったころの「おじちゃん、おばちゃん」の笑顔を思い出します…。

ところで、何故?豆腐屋は減るのでしょうか?

臺北榮總玉里分院早期,榮民於豆腐房製作豆腐
by 國軍退除役官兵輔導委員會

先ずは、素人の考えですが、豆腐の消費が落ちているような気がしないのです。

最近は若い人が味噌汁を食べないから豆腐を…と言ってみたところで、健康食ブームで豆腐の売り上げが上がっているかもしれませんし、サラダやスウィーツ等に使う試みも一般化してきましたし、豆腐市場を取り巻く環境が悪化しているとまでは思えないのです。

個人店の廃業に関しては、単純に後継者不足、大店法改正等でスーパー等に客を奪われた…。そんなことしか思いつきません。

そこで、筆者は知人に豆腐に関係する人が少なくないものですから、調べてきました。豆腐屋を継がなかった公務員、中堅豆腐メーカー営業、豆腐屋を継いだ先輩…何人かには直接話を聞きまして、その他には各種媒体を見ました。

1・大豆価格

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筆者は恥ずかしながら、このことを知りませんでしたが、多くを輸入に依存する大豆の価格は、異常気象や不作、そして世界規模での需要が伸びていること等から、高騰しているということです。

豆腐というと、個人店でも1丁100円程度で販売という所も多いでしょうから、仕入れ値の上昇を価格に転嫁させることは、通ってくれるお客さんの顔を見ていると、そんなには出来ないという実情もあるのだと思います。

高い原価率で商売を続け、そもそも設備投資が多い割には客単価の低い商売でもあり、経営難になっていくところも多かったようです。

2・スーパーとの関係

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これも筆者は気が付きませんでしたが非常に大きいようです。

豆腐屋は、店売り以外に、スーパーに品物を出したり、学校給食に納入したり、飲食店と契約したりしながら、店頭売り以外の販路を持っているところが多いそうです。

その中でスーパーとの取引が非常に厳しいそうです。豆腐屋としては、原価が上がったものは価格を転嫁し、儲かるわけではありませんが値上げを考えます。しかし、価格競争の消耗戦を繰り広げるスーパー側は、兎に角値段です。値上げ交渉など出来ません。それどころか、もっと安い他の取引先を見つけたり、PB商品(プライベート・ブランド)を作れと、むしろ値下げの圧力をかけてくるそうです。

豆腐屋の経営がスーパーに依存しているほど、厳しい価格競争の消耗戦に参加してしまうことになり、他の販路を開拓出来ないままでいると、取引を外される等、経営に大きなダメージを受けて廃業というケースも少なくないようです。

3・後継者不足

豆腐屋さん
by motoshi ohmori

よく一般的に言われているのは、後継者がいないのではないか?ということです。

筆者が見聞きした話からの推測にはなりますが、単に息子などが継がないというケースは非常に多いように思います。豆腐屋を営む親が、子どもには不安定な商売ではなく、毎月給与の出る会社員になってほしいと願っている場合もあるようです。

ところが、現実的には豆腐の消費は落ちていませんし、昨今の健康志向の影響もあり、豆腐屋になりたいという、親が豆腐屋ではない人々も多いと聞きます。廃業しようとする豆腐屋の居抜きを、新規開業者に使ってもらおうという動きも、豆腐の団体などが中心になり始まっているようですが、今のところ、そのマッチングの数が少ないようで、豆腐屋が減る傾向は続いています。

4・設備の老朽化・店主の引退

hiroo
by yukop

豆腐屋は、店でもあり工房でもありますので、業務用大型冷蔵庫や、製造機械等、多数の機械が必要になります。そのため設備投資に高額な金額が必要であったり、リース料の負担が高かったり、大きな金額を回すビジネスでもあります。

機械の中には経年劣化や故障などで、修理や買い替えが必要な物も長年の営業で出てくるでしょうし、そのタイミングで店主が高齢であれば、自分の引退時期を、筆者の家の近所の豆腐屋のように、考えてしまう切っ掛けになることでしょう。

そして、息子が継がないということが決まっていれば、わざわざ店を人に貸すまでは考えず、また一軒豆腐屋が無くなっていくということになっていきます。

いかがでしたか?

豆腐屋
by sotamann

戦後のピーク時は全国に5万軒あったと言われる豆腐屋ですが、上記のような事情もあってか現在では1万軒を大きく割ってしまっているそうです。

年間500軒程度の廃業が暫く続いているそうなので、多くの人の家の近所に豆腐屋が無くなる時代が来るかもしれません。非常に残念なことです。

スーパーに行けば確かに安い豆腐を他の買い物と一緒に購入することが出来ますが、地元の「おじちゃん、おばちゃん」が、早起きして手作りでした、愛情たっぷりの美味しい豆腐。少々高くてもいいじゃないですか?もし近所に豆腐屋がある読者の皆様。豆腐屋という文化を守るのは我々消費者です。是非、地元の豆腐屋で美味しい豆腐を買いましょう!

最後までお読み頂き有り難う御座います。




この記事を書いたユーザー

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東京都大田区大森生まれ。立正大学附属立正高等学校、尚美学園短期大学音楽ビジネス学科、放送大学教養学部生活福祉専攻卒業。STAY UP LATEオーナー。 ライター業と、セミナー講師、司会業も実質少々。江戸川区在住、一児の父。愛猫家。

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