それは2015年9月29日の真夜中のことでした。

MBA取得のためボストンのバブソン大学に在籍しているサンメイ・ヴェドさんはPCで作業をしながら、ふとgoogle.comのドメインを検索してみました。ヴェドさんはGoogleの元社員、バブソン大は起業家教育に特化した大学で世界的に高い評価を得ています。

出典 http://www.businessinsider.sg

今もGoogle大好きなサンメイ・ヴェドさん

すると、驚いたことにgoogle.comのドメインが12ドルで売りに出ていたのです!

出典 https://www.linkedin.com

試しに価格横のカートのアイコンをクリックしてみると、本当にドメインがヴェドさんのカートの中に入ってしまい…

こうなると、どこかでエラーが出るに違いない、いや出ないとおかしいじゃないかという気になってきて、決済をしてみることにしました。実際このドメインを取得する気もなく、純粋にどこまで行けるだろうかという気持ちだったそうです。

そしてなんと、カード決済も問題なく出来てしまいました!

出典 https://www.linkedin.com

すぐにお知らせメールが届きはじめ、サーチ画面がドメインのウエブマスターのそれにオートアップグレードされ、内部機密へのアクセスコードも送られてきました。ヴェドさんはまさしくGoogle.comのオーナーになったのです!

ところがそのオーナーシップは長続きしませんでした…

出典 https://www.linkedin.com

Googleからヴェドさんの元へ、一連のトランザクションをキャンセルする旨のメールが届いたのです。買値の12ドルは返金され、画面は元に戻りました。

ビジネス・インサイダーによれば、この取引がサイト内でGoogleが売り手で行われたため、売り手側からのキャンセルということで手続きができたということです。

「つまり1分だけアクセス出来たわけです。少なくとも『Google.comドメインを1分間だけ所有した男』って言っていいですよね」

出典 http://www.businessinsider.com

ヴェドさんは自分のLinkedInページにスクリーンショット画像つきでこの事件をこまかくアップしています。原因を究明してもらうべく、古巣のGoogleのセキュリティにも連絡を取りました。

そしてこの前日にインドの首相がGoogleを見学に訪れたところから、「首相と生まれ故郷が同じ自分に起こった不思議なのかも」「いや自分がGoogleを愛しすぎているからかも」と思いを巡らしています。

そして10月8日、Googleから新たな連絡が入りました

Googleのセキュリティから連絡があり、いかにもGoogleらしいやり方で報奨金をくれると言ってきました。自分は決してお金のためにやったわけではないこと、でももしよかったらその金額をArt of Living India Foundationというチャリティ団体に寄付して欲しいと返信しました。

出典 https://www.linkedin.com

Art of Living India Foundationはインド国内18州で劣悪な環境に暮らす3万9千人あまりの子供達に無料で教育の場を提供している団体だそうで、Google側もこの申し出を尊重し快諾したそうです。

この時点ではヴェドさんもGoogle側も金額を公表せず、ただヴェドさんが「いかにもGoogleらしいやり方」と書いたことだけに留まっていました。

ところが1月28日付のGoogleブログで、ヒョイッとその金額が公表されました

Google Security Rewards - 2015 Year in Reviewというタイトルのエントリーによれば、ヴェドさんに提示された金額は$6,006.13、Google という文字を数字に置き換えたシャレだったのだそうです。

  600613
  G00Gle

確かに、並べてみればそう見えなくもないかも…(笑)
一般的にアメリカ人は書きなぐりで非常に書き文字が汚い人が多いので、Gが6になるなんて朝飯前。eは鏡文字で苦し紛れですが、そこはご愛嬌で。ブログにも「斜め見してください」と書いてあります。

ヴェドさんが「いかにもGoogleらしい」と言っていたのは、この遊び心だったんですね。

ちなみにGoogleでは希望通りにしただけではなく、同額をマッチングして倍の1万2千12ドル26セントを団体に寄付したのだそうです。

提示された大金を寄付にと頼んだヴェドさんも男前ですが、Googleの計らいも粋ですね!

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