記事提供:カラパイア

ものの見方や考え方は専門用語で「認知」と呼ばれているが、偏った考え方は自らを罠に陥れているようなものだ。認知に働きかけて、こころのストレスを軽くしていく治療法を「認知療法・認知行動療法」と言う。

認知行動療法の権威、精神科医のアーロン・ベックによると、我々は誰しも「認知の歪み」にはまり込むことがあるという。認知のゆがみは、うつや孤独、不安などの問題が出てきて、日常生活に支障をきたす。

以下の12項目は、人が陥りやすい12の思い込み、認知の歪みである。1日、あるいは1週間に、自分が何度こうした歪みに陥るかに注目してみる。それに気づくだけでも、意識的にその頻度を減らす努力ができるのだ。

1. どうせまた同じことになると決めつける

一度か二度、嫌な体験をすると、これから起こるすべてのことがまた同じようなことになると思ってしまう。皮肉なことに、こうした思い込みによる勝手な予想は、自らに不幸を呼び悪い結果を導いてしまうこととなる。

2. ねばならないという考え方

人は皆、“○○すべき”という世界に生きている。“あんなことをするべきではなかった。そうすればこんなことにはなかったのに”という具合だ。

だが、「もしも」の世界の結果が必ずしもあなたの想像通りになるとは限らない。もうそういう考えは放っておこう。物事はなるようにしかならない。次はもっとうまくやろうと自分に言い聞かせること。

3. 白黒はっきりつけたがる

枠組み外の可能性に目を向けるのはなかなか難しいが、たくさんの選択肢があり、それはたいてい白黒はっきりしないグレイゾーンに存在するものだということに気づくこと。ゼロか百かの世界にはほとんどなにもない。

4. 全てを否定的に考えてしまう

何を言われても肯定的に受けとれない。それがネガティブ思考である。無意識のうちにすべてがネガティブな展開になると思ってしまい、否定のスパイラルまたはネガティブな罠にはまり込んで落ち込む一方になる。

自分自身の考えに囚われ、同じ場所で堂々巡りして、抜け出すことができなくなってしまうのだ。

5. 人の心を決めつけ、心が読めると思い込んでしまう

勝手に相手の思っていることを想像し、なにを考えているかがわかると思い込んでしまう。だが、心理学者ですら、自分の患者が本当はなにを考えているか、半分しか推測できないという。

6. 小さいことを大ごとにとらえる

些細なことを大げさに騒ぎたてると、苦しみでがんじがらめになり、すべてが悪い方向に行くような思考回路から抜け出せなくなる。

7. 必要以上に自分を責める

物事がうまくいかないことを自分のせいにしていると、罪の意識に苛まれるようになり、苦しみのサイクルが延々と続いてしまう。自分の過ちを認めつつも、これから先うまくやる方法を考えるのが、より健全な道だ。

すべてが自分のせいで起こる、または悪いことだけ自分に起こると考えるのはよくない。ほとんどの物事は、ひとつだけではなく、さまざまな理由が絡みあって起こるものだ。少なくとも、あなただけの責任ではない。

8. 誤ったレッテルを貼る

人間だもの、状況判断を誤ったり、誤解をすることはある。やったことがすべて失敗したから、自分は落伍者だというレッテルを貼るのは間違いである。また、一度張ったレッテルは絶対ではない。レッテルを守るのに必死で、真実に目を背けるのはやめよう。

9. 肯定的なものまでも否定する

友だちも含め、他人を信用できない理由を探してばかりいると、惜しげなく向けられる真の賛辞すら聞く耳をもたなくなる傾向がある。肯定的なものを否定する考え方は、友情を壊し、せっかくの親交をむしばむ。

10. 思考と真実の見分けがつかなくなる

実際には、その人の考えは単なる考えなのだが、それが真実だと信じる。特にそれが客観的には真実ではない、または確かなものとははっきりわからない考えの場合は、それに固執するのはやめたほうがいい。

そうしないと、間違ったレッテルを貼ることにつながる。特に自分の頭の中だけに存在するものを真実化しようとしているときはそうだ。

11. 感情的な理由づけ

なにかを感じたときにそれは本物に違いないと考える。例えば、不安を感じて、なにか恐ろしいことが起こると確信したりすることだ。

12. 拡大解釈と卑屈な解釈

重要なことをやけに軽く考えたり、些細なことを大げさに考えたりする傾向がある。物事をはっきり客観的に見るようにできることが鍵だが、必ずしも簡単なことではない。

気づきはいつでも、物事を変えていくプロセスの最初の一歩だ。認知行動療法はあなたの思考プロセスの実態を認め、有効に利用していくのに役立ち、あなたのものの見方をより健全にしてくれる。

出典:psychcentral

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