いろいろな局面で変革が求められる韓国。それは顔や名前だけでなく、身近な家庭環境や、政治、社会構造に至るまで枚挙にいとまがない。
今月、日本で公開される韓国映画はいろいろな意味で“CHANGE”が描かれている。

■独特の“痛い作風”がヤミツキになる!? キム・ギドク監督の最新作

『殺されたミンジュ』

出典 http://www.u-picc.com

(C)2014KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.

2016年1月16日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー

(原題:『ONE ON ONE』2014年/韓国/122分)

ある夜、ソウルで女子高生が無残に殺された。彼女の名はミンジュ。
一年後、謎の集団がミンジュの死の真相を求めて、7人の容疑者を次々と誘拐する。容疑者の男たちは拷問を加えられて自白し、謎の集団に許しを請う。だが、容疑者の背後に“国家権力”が見えてくると、謎の集団も結束と平静さを失うのだった。最後の容疑者にたどり着いたとき見えてくる驚愕の真相とは―。

社会での優劣も、暴力によって瞬時に逆転する皮肉

出典 http://www.u-picc.com

次々と問題作を世に送り出しているキム・ギドク監督作品。ハッキリ言って、年明けに見るにはふさわしくない内容かもしれない。冒頭から女子高生が殺されるし、本作から韓国エンタメの華やかさは微塵も感じられないからだ。
韓国社会の底辺にいる人たちに渦巻く国に対する不平不満。金持ちはずっと裕福でいられるのに、貧乏人はより貧乏になっていく社会構造に「CHENGE(変革)」は期待できない。だから暴力行為が繰り広げられる。人間の欲や葛藤を「これでもか!」というほど見せつけられ、年明け早々、暗澹たる気持ちにさせられた。

女子高生ミンジュの名を漢字にすると「民主」になり、今の韓国社会に対する監督の懸念が感じられる。

■「顔は変わって当たり前」の韓国で、整形以上の衝撃

『ビューティー・インサイド』

出典 http://gaga.ne.jp

(C)2015 NEXT ENTERTAINMENT WORLD. All RightsReserved.

2016年1月22日(金)TOHOシネマズ新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開!
(2015年/韓国/127分)

家具デザイナーのウジンは毎朝、目覚めるたびに老若男女問わず別人の姿になっている。
ある日、ウジンはイス(ハン・ヒョジュ)と出逢い、恋に落ちる。彼は毎日、別人の姿で彼女と会い、告白できるような外見(パク・ソジュン)になった日、イスをデートに誘った。別人にならないよう3日も徹夜したウジンだったが、うっかり寝てしまい、髪のないオジサンに。ウジンとイスの恋の行方は―?

共感度100%のラブストーリー

出典 http://gaga.ne.jp

一般人でも当たり前のように整形をする韓国社会。それでもこの発想は新しい。ウジン役は1役123人という前代未聞のキャスティングとなった。
こうしてヒロインのイスは「世界で一番、たくさんの人から愛される女性」になる。一方で、毎日姿が変わる相手に疲れや戸惑いも募らせていく。どうすることもできないウジンとイスのどちらにも共感できた。「それでもアナタは相手の中身だけを心から愛せますか?」と問われた場合、皆さんはどう答えますか?

ちなみに韓国人の顔に対する美意識は、日本人のそれよりも高い。「顔にあるシミは、鼻クソをつけて歩くのと同じだ」と韓国人に言われたことがある。シミと鼻クソは別モノと思うんだけど…。

■剣を向け合ったとき、悲しい真実が明らかに―

『メモリーズ 追憶の剣』

出典 http://memories-movie.com

(C)2015 LOTTE ENTERTAINMENT All RightsReserved.

2016年1月23日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
(原題:『侠女:剣の記憶』)2015年/韓国/120分

高麗末期、3人の剣士ドッキ(イ・ビョンホン)とソルラン(チョン・ドヨン)、プンチョンは世を変えようと反乱を起こす。だがドッキの裏切りで計画は失敗。ソルランは命を落としたプンチョンの子供ホンイを連れて姿を消す。18年後、ドッキはユベクと名乗り、国内一の権力者となっていた。ある日、ソルランに似た剣さばきの少女を見つける。彼女こそホンイ(キム・ゴウン)で、ユベクに剣を向けることに―。

国民から剣を向けられたイ・ビョンホン

出典 http://memories-movie.com

ワイヤーアクションを取り入れたアクション時代劇で、人気スターのイ・ビョンホンとチョン・ドヨンが主演。2PMのジュノまで出演し、時代劇ならではの切なさも感じられる。
ところが、結婚して間もないイ・ビョンホンの女性スキャンダルが発覚。これにより世間から大バッシングされ、公開が大幅に延期される事態となった。半年後、ようやく制作発表でイ・ビョンホンが謝罪したが、せっかくの大作映画もトホホな結果に終わっている。

特筆すべきは、ユベクの腹心として活躍する2PMのジュノ。これまでの出演映画と比べ、本作の役どころはとても魅力的。ホンイ役のキム・ゴウンは“韓国の安藤サクラ”といわれ、たしかに顔がソックリだ。

■ラブラブの夫婦もいつかは愛情が冷めるもの?

『私の愛、私の花嫁』

出典 http://mybride-movie.com

©Film Momentum and Cineguru ALL RIGHTSRESERVED.

2016年1月23日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋でロードショー
(原題:『私の愛、私の新婦』 2014年/韓国/111分)

4年の交際の末、結婚したヨンミン(チョ・ジョンソク)とミヨン(シン・ミナ)。新婚ホヤホヤの二人は周囲が呆れるほどラブラブな日々を送っていた。だが二人は気づいてしまう。理想とは全然違う結婚生活の現実に。
ヨンミンは妻の言葉に耳を貸さなくなり、一方、ミヨンは夫に対して小言ばかり。互いに心がすれ違い、別の異性が気になる始末。愛し合っていた二人の結婚生活の行方は―?

発情してズボンを脱ぎまくっていた夫に訪れた倦怠期

出典 http://mybride-movie.com

本作は1990年に公開され、大ヒットした同名映画のリメイク。2014年に韓国で公開されると、214万人もの観客を動員した。
夫婦の他愛もないエピソードの連続で、わざわざリメイクする作品かと疑問に思わなくもなかったが、理想と現実のギャップに打ちのめされた夫婦の心の変化は誰もが共感できるところ。
新婚当時、妻を見るたび発情してズボンを脱いでいた夫が、いつしか職場の若い女性を見てムラムラするようになる。呆れながらも思わず笑ってしまう。気楽に観られるラブコメディといえるだろう。

顔よりも何よりも、一番変化しやすいのが人の気持ちかもしれない。けれど本作は、24年が過ぎても韓国で親しまれた。

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