すしざんまいの木村社長がソマリアの海賊にマグロ漁の指導をしていたことがわかり話題になっています。

インターネット上でも木村社長を絶賛する声が数多く聞かれ、ネットメディアで記事になっています。しかし、木村社長の功績は耳にしますがソマリアは現在どうなっているのか?という記事を見かけません。
現在ソマリアは政治的、経済的にどうなっているのでしょう?

海賊が出たきっかけは無政府状態

ソマリアという国は外務省のサイトによりますと

北アフリカにある国で人口は1,050万人で国土の広さは日本の1.8倍の国土を持つ国です。このソマリアが出きたのが1960年、イギリス領から独立してできた国です。1991年に当時の大統領に対してクーデターが起き、内戦状態に入ります。
1992年に大統領が追放され無政府状態となり国内は内戦状態のまま混乱が続いたのです。
無政府状態で国民は困窮し、近隣各国はソマリア沖は漁業協定がないため好き勝手に漁を行うようになりソマリアの漁民は漁ができなくなり海賊となっていったのです。

ソマリア沖の海賊が世界的な問題になったのは2005年に国連のチャーター船が襲われてからで、2008年から2009年にかけてアメリカや中国の貨物船も襲われるようになり深刻な国際問題の一つなりました。

・2008年9月25日、T-72戦車33輌、武器弾薬などを積載したベリーズ船籍のウクライナ貨物船「ファイナ」が乗っ取られた。(多額の身代金により解放)

・2009年4月7日、米国船籍のコンテナ船「マースク・アラバマ号」が海賊に襲われ、船体は船員の手により奪回したが、船長は身代金目的に拉致された。この事態にバーレーンの米第5艦隊司令部は、人質となった船長の救出に向けて駆逐艦を現場水域に派遣。2009年4月12日、人質になっていた船長を救出するとともに、海軍特殊部隊員が海賊3人を射殺、交渉相手の犯人の1人を拘束した。同国では約200年ぶりに海賊事件の裁判が開かれ、2011年2月、犯人に対して禁固33年9か月の判決を言い渡した。弁護側は被告が18歳ではなく15歳だとして少年として裁判を受けられるように主張、検察側は18歳で成人だとしていた。

・2009年10月19日、中国人乗組員25人の中国籍のばら積み貨物船「徳新海」号、ソマリア沖のインド洋で海賊に乗っ取られた。この船は20日、ソマリア沖に向けて航行していると、欧州連合の海賊対策部隊が確認した。また、ロイター報道によると、電話取材に答え、救助作戦が行われた場合、中国人乗組員25人を殺害すると警告した。このことから、中国海軍はまだ、現場海域を制圧していない。電話封鎖も実行できていないことが推測される。

出典 https://ja.wikipedia.org

国際社会の取り組み

国際社会はソマリアの対策に本格的に乗り出したのは2006年、国連安全保障理事会でソマリアへ国連平和維持軍の派兵を決定しましたが、ソマリア国内は国連の派兵が来る前に暫定政府が国内を制圧。国内の各組織と和平に向けた交渉に入ります。
しかし、暫定政府内での対立により暫定政府の大統領が辞任。混乱が収まりませんでした。
その間もソマリア沖では海賊が船を襲い被害はます一方です。国際社会では

安保理決議第1851号(2008年12月採択)において,ソマリア沖海賊問題に関する国際的な協力メカニズムの設置が言及されたことを受け,2009年にソマリア沖海賊コンタクト・グループが発足しました。それ以降,定期的に会合がニューヨークの国連本部等にて開催されてきました。

出典 http://www.mofa.go.jp

ソマリア沖海賊コンタクト・グループ会合という組織が発足し、ソマリア沖での海賊対策に本格的に乗り出します。ソマリア沖海賊コンタクト・グループ会合の実績は外務省の資料によりますと

2009年1月から2015年7月までに18回開催されています(我が国は第4回会合(2009年9月)の議長を務めました)。各会合では,ソマリア沖海賊の現状及び国際社会の取り組みの概要をまとめたコミュニケを作成し,成果文書として公表しています。

出典 http://www.mofa.go.jp

この他にもIMOジブチ会合、G7プロセス、アフリカ開発会議(TICAD V)、海賊対策官民ハイレベル国際会議などでも海賊対策に取り組んできました。

日本の海賊対策

日本でも海賊対策として国連決議に基づいて、海上自衛隊の派遣を政府が決定。自衛隊の海外派遣の法律が成立していなかったため法案化されるまで自衛隊法に基づいた活動を展開し、2009年に海賊対処法が成立すると正式に海上自衛隊をソマリア沖へ派遣し海上自衛隊が海賊対策に取り組むようになりました。

自衛隊のソマリア沖での活動は

自衛隊は海賊対処法(平成21年7月施行)に基づき、派遣海賊対処行動水上部隊(護衛艦2隻)を派遣し、この海域を通行する船舶の護衛を実施するとともに、広大な海域における海賊対処をより効果的に行うため、派遣海賊対処行動航空隊(固定翼哨戒機2機)を現地(ジブチ共和国)に派遣して海賊の監視警戒を実施しています。
 2011(平成23年)年6月からは、派遣海賊対処行動航空隊を効率的かつ効果的に運用するため、ジブチ国際空港北西地区に活動拠点を整備し運用しています。

平成25年年7月、海賊対処を行う諸外国の部隊と協調して、より柔軟かつ効果的な運用を行うため、これまでの直接護衛に加え、CTF151(Combined Task Force151)に参加してゾーンディフェンスを実施することを決定し、水上部隊は、同年12月からゾーンディフェンスを開始しています。
 また、平成26年2月からは航空隊もCTF151に参加し、各国の航空部隊の運用方針や海賊対処に資する情報分析など、これまで接することのできなかった情報を入手することが可能となり、各国の部隊との連携が強化されることとなりました。
 さらに、同年7月には、自衛隊からCTF151司令官と同司令部要員を派遣する方針を決定し、同年8月から司令部要員を派遣しているほか、平成27年5月にはCTF151司令官および約10名の司令部要員を派遣しました。

出典 http://www.mod.go.jp

現在もソマリアで監視警戒活動を続けています。

海賊対策に取り組んだ成果は?

国連以外にも日本だけでなく世界各国が海賊対策としてソマリアに派兵などをして取り組んだ結果、海賊の数が減っていきます。外務省のHPによると

2011年をピークに減少。ソマリア沖での海賊は2011年には237件だったのが2012年に75件と半数以下になり、2014年には11件にまで減りました。昨年2015年は0です。

2015年1~6月の間、ソマリア沖海賊等事案は発生しませんでした。しかし、ソマリア海賊には依然として襲撃を実行する可能性と能力があると見られます。IMB海賊情報センター(PRC、Piracy Report Centre)は、商船のハイジャックが1回でも成功すれば、ソマリア海賊の海賊行為を再開させる熱意が呼び覚まされると考えており、商船の船主及び船長に油断しないよう注意を喚起しています。

出典 http://www.mofa.go.jp

各国の海賊対策が着実に成果を挙げていったのです。

ソマリア国内は?

無政府状態が続いていたソマリアも暫定政府が中で揉め事を起こしたり混乱が続いてましたが2008年に穏健派グループ同士がジブチ合意という停戦と統治に関する合意が署名され、2009年に穏健派の大統領が選出され、暫定議長と共に暫定統治が行われるようになりました。
2011年にはジブチ合意が延長されるカンパラ合意に署名、2012年に暫定憲法が採択されて、連邦議会が発足。同年に現在の大統領であるハッサン・シェイク・モハムッドが連邦議会により新大統領に選出されました。

大きな出来事としては2013年に

2013年4月、IMFがソマリア連邦政府を22年ぶりに承認。これにより、IMFのソマリア支援の道が開けた。

出典 https://ja.wikipedia.org

これによりIMFの支援を受けられることとなり、ソマリアの経済状況も少しづつ支援によって上向いてきました。
また、連邦政府が出きたことにより各国もソマリアへ経済支援が行われ、日本も経済支援を行っています。

我が国は2012年11月に21年振りにソマリア政府を承認したことを受け、2013年4月、二国間援助の再開を決定した。右を受け当面は、農業、水管理、国際テロ対策分野等における研修事業を実施していく。また、国際機関を通じた支援についても、(1)基礎サービス改善(食糧援助、インフラ支援、水・衛生、教育等)、(2)治安回復(ソマリア警察支援、海賊対策)、(3)経済活性化の三つの分野を中心に支援を2007年から継続して実施している。

出典 http://www.mofa.go.jp

現在のソマリアの経済状況は

主要産業は畜産業(ラクダ、羊、山羊等)、及び農業(ソルガム、メイズ、米、豆、ゴマ等)。伝統的に家畜とバナナが主要輸出品目だったが、内戦に加え、主要輸出先である湾岸諸国による家畜輸入禁止措置や、度重なる干ばつの影響により経済は荒廃。2013年末現在、緊急人道支援を必要とする人口は87万人、栄養状況が悪く緊急状態に陥る恐れのある人口が230万人に及ぶ。

出典 http://www.mofa.go.jp

まだまだ厳しいですが現在の連邦政府が安定的に統治ができれば上向く可能性があります。安定した統治が行われれば治安が良くなっていき、すしざんまいの木村社長の様に民間で支援してくる人も増えてくるかもしれません。

こうした取り組みが続き安定した統治がソマリアで続くことを切に願います。

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政治・経済、思想・哲学、文学を学びつつ地元を中心にラーメンを食べ歩くフリーの物書きおじさんです。
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